公開日 2022/04/30 07:00
最新「CDレコ6」からディスプレイオーディオに正式対応
CDプレーヤーのないクルマでもCD音源が聴ける!「CDレコ6」をトヨタ・アクアでテスト
会田肇
パソコンを使わずにCDの音源をスマートフォンに取り込める、アイ・オー・データの“CDレコ”は、2014年に初代モデルが登場して以来、機能を拡張するなどして多くのユーザーから支持を集めてきた。そして、今年3月にはその最新モデルとして「CDレコ6」が登場。新たにUSBポートとSDカードスロットを搭載し、車載用として普及が進むディスプレイオーディオにも対応を果たした。今回はその体験レポートをお届けしたい。
■クルマの中でもCDを楽しむための新たな提案
近年、新型車に相次いで採用され始めているのが「ディスプレイオーディオ(以下:DA)」だ。ひと口で言えば、これはディスプレイを備えたカーオーディオのこと。ディスプレイを備えているから当然カーナビもあるのかと思いきや、それもなくCD/DVDプレーヤーも搭載されていない(※過去にはCDが再生できるDAが存在した)。備わっているのはFM/AMチューナーとそれを再生するためのアンプぐらいだ。
そんなディスプレイオーディオをどうやって楽しめばいいのか。ポイントとなるのがスマートフォンとの接続だ。iPhoneなら「Apple CarPlay」で、Androidなら「Android Auto」によって、スマホ内の音楽だけでなく、カーナビ機能などのコンテンツがディスプレイオーディオで使用できる。つまり、DAはスマホとの接続があって初めて従来のカーAV一体型ナビと同等の機能が楽しめるようになるわけだ。
ここで困るのが、CDをクルマで楽しんでいた人たちだ。何しろDAは、CDドライブを備えていないのだから再生のしようがない。最近はストリーミングによるサブスクリプションサービスも増えているが、これを楽しむには新たに課金があるし、その上、データ利用によるパケット通信料も相応に負担しなければならない。これらの負担をしたくない人も一定数はいるだろう。そんな悩みから解放してくれるのがCDレコ6なのだ。
そもそも“CDレコ”は、パソコンを使わずにCD音源をスマホに取り込むことを基本機能とする。専用アプリ「CDレコミュージック」を介してCDを一旦スマホに取り込むという手間はかかるものの、スマホに取り込んでしまえばDAとBluetooth接続するだけ。これで新たな課金もなく手持ちのCD資産やレンタル店で借りたCDが楽しめるようになる。これこそがCDレコ6ならではの最大の魅力と言えるだろう。
ただ、Bluetooth接続となれば、環境の影響を受けて途切れることもあるし、伝送時の圧縮による音質へ影響も知っておく必要がある。そこでCDレコ6ではUSBメモリやSDカードへの保存を可能にすることで、音質への影響を最小限にとどめている。しかもUSBメモリやSDカードなら持ち運びも気軽に行え、DAでの再生にも対応しやすい。コピーを終えたUSBメモリは、DAのUSBスロットに挿すだけでDAのメニューに「USB」のアイコンが現れ、それをタッチすればすぐに再生できるというわけだ。
参考までにCDレコ6のUSBスロットには、ソニーのウォークマンを接続することもできる。ウォークマンは現行のAndroid機だけでなく、Andoroid 非搭載の従来型モデルでも対応できるとのこと。Android対応ウォークマンならCDレコミュージックを介して、CDレコ6からダイレクトに音源の取り込みが可能。従来型モデルならマイクロSDカードを経由して音源データを取り込めばいい。普段、音楽プレーヤーとしてウォークマンを使っている人にとっては重宝する対応と言っていいだろう。
そして、注目なのが専用アプリ「CDレコミュージック」のアップデートによって、iOSなら「Apple CarPlay」で、Audroid OSなら「Android Auto」に対応することだ。4月以降のアップデートということだったが、4月4日には早くもVer1.7.0によってCarPlayに対応を果たした。そこで今回はDAを搭載するトヨタの新型「アクア」Z・4WDを借り、実際にCDレコミュージックをDAのCarPlay上で体験してみることにした。
■CD音源をスマホに取り込む
スマホにはあらかじめiTunesで取り込んであった楽曲に加え、CDレコミュージックを使ってCDから直接聴きたい楽曲を追加した。CDレコミュージックを使った楽曲の取り込みについては何度か紹介されているので、ここではその方法について簡単に触れておこう。
まずCDレコ6にCDをセットし、次にCDレコ6とスマホをWi-Fi接続する。あとはCDレコミュージックのメニューから「コピー」を選び、ダビングしたいアルバムや楽曲を指定すればいい。これでスマホへの取り込みがスタートする。取り込みに要する時間は60分のCDでおよそ4分。音質は5段階(FLAC/AAC320kbps/AAC256kbps/AAC128kbps/AAC96kbps)から選択でき、今回は標準的な256kbpsを選んでいる。Gracenoteのデータベースからタイトル、アーティスト名、曲名を自動で取得できるのは今までと同様だ。
この一連の操作は決して難しくはない。取り込み速度も速く、その使い勝手は基本的に良好と言えるだろう。しかし、動作状況を示す表示はあまりに小さく、年代の高い層にはその文字を読み取るにはかなりツライ。文字のサイズに制限があろうはずもなく、もっと見やすい表示へアップデートで早急に改善して欲しいと思う。
■ジャケット写真やアーティスト名なども見やすく表示
さて、楽曲を取り込んだスマホをアクアのDAにUSBケーブルを介して接続してみる。最初に画面上でCarplayを利用するかどうか聞かれるので、「利用する」「一度だけ利用」を選択。すると画面上にはCarPlayのホーム画面が表示される。ここで画面を左右にフリックして「CDレコミュージック」のアイコンをタップ。これで取り込んだ楽曲の再生がCarPlay上で可能になる。また、iPhoneをつないだ状態で他のモードから切り替えるときはエアコンの吹き出し口下にある「MENU」ボタンを押し、そこで「Apple CarPlay」を選べばOKだ。
CDレコミュージックを起動するとプレイリストとして、「最近聴いた曲」「最近取り込んだ曲」「良く再生される曲」の3つが表示され、他にもアーティストやアルバム、ジャンルからプレイリストが選択できるようになっている。各リストはGracenoteによるジャケット写真も表示されているので、聴きたい曲もリストからすぐに探し出すことが可能。再生時はリピートやシャッフルでのモードもスマホの操作は一切なしに画面上で選べる。
再生中の画面は、ジャケット写真に加えて、楽曲名やアーティスト名、アルバム名がバランス良く配置されており、とても見やすい。プレイリストも含め、操作性は良好。これらは安全面でも大きなプラスとなることは間違いない。
CDレコミュージックで楽曲を再生して気付いたのが、数曲しか取り込んでいなかったのに、リストにはそれ以上の楽曲が表示されていたことだ。これはiTunesで取り込んだ楽曲も反映されているからで、聞けばCDレコミュージックではサブスクリプションサービスのApple Musicへの対応も果たしており、これと合わせiTunesで取り込んだ楽曲の再生も可能となっているとのことだ。なので、iTunesで取り込んだ楽曲はCDレコミュージックで新たに取り込まなくても再生は可能となる。
ただし、iPhoneやiPodなどiOS端末に限っては、CDレコミュージックで取り込んだ楽曲を他のミュージックアプリで再生することはできない。一方でAndroid端末はすべてのアプリでの再生を保証はしないものの、再生は可能だという。
アクアに搭載されていたDAは、ディスプレイサイズを10.5インチとし、アプリ上の操作はすべてタッチ操作で行える仕様が標準装備されていた。カーナビとしてはCarPlayやAndroid Autoのナビアプリに対応できるが、試乗車にはディーラーオプションのナビキットが装備されており、操作ボタンで「MAP」を押すことでいつでもこのナビモードに切り替わるようになっていた。
オーディオ的には前後左右のドアにフルレンジスピーカーが一つずつ備わる標準的なもの。それだけに音質面での期待値はそれほど高くはなかったが、再生してみると予想に反してしっかりとした音。帯域の広さはそれほど感じなかったものの、低域が適度にボリューム感があり、切れ味もそこそこある。音像もスピーカー位置がフロアに近いにもかかわらず不自然さは感じなかった。
今やカーオーディオは単に音楽を再生するシステムとしてではなく、クルマの様々な情報をチェックするインフォテイメントシステムの一部に組み込まれるのが時代の流れとなった。そのインターフェースとしてあるのがDAなのだ。この流れは日本のみならずグローバルで進んでいくことは確実。そんな中で登場したCDレコ6は、まさにそんな時代を読み取った手軽なガジェットとして貴重な存在だ。DA搭載車だけでなく、CDドライブレス車にもぜひ活用して欲しい製品と言えるだろう。
■クルマの中でもCDを楽しむための新たな提案
近年、新型車に相次いで採用され始めているのが「ディスプレイオーディオ(以下:DA)」だ。ひと口で言えば、これはディスプレイを備えたカーオーディオのこと。ディスプレイを備えているから当然カーナビもあるのかと思いきや、それもなくCD/DVDプレーヤーも搭載されていない(※過去にはCDが再生できるDAが存在した)。備わっているのはFM/AMチューナーとそれを再生するためのアンプぐらいだ。
そんなディスプレイオーディオをどうやって楽しめばいいのか。ポイントとなるのがスマートフォンとの接続だ。iPhoneなら「Apple CarPlay」で、Androidなら「Android Auto」によって、スマホ内の音楽だけでなく、カーナビ機能などのコンテンツがディスプレイオーディオで使用できる。つまり、DAはスマホとの接続があって初めて従来のカーAV一体型ナビと同等の機能が楽しめるようになるわけだ。
ここで困るのが、CDをクルマで楽しんでいた人たちだ。何しろDAは、CDドライブを備えていないのだから再生のしようがない。最近はストリーミングによるサブスクリプションサービスも増えているが、これを楽しむには新たに課金があるし、その上、データ利用によるパケット通信料も相応に負担しなければならない。これらの負担をしたくない人も一定数はいるだろう。そんな悩みから解放してくれるのがCDレコ6なのだ。
そもそも“CDレコ”は、パソコンを使わずにCD音源をスマホに取り込むことを基本機能とする。専用アプリ「CDレコミュージック」を介してCDを一旦スマホに取り込むという手間はかかるものの、スマホに取り込んでしまえばDAとBluetooth接続するだけ。これで新たな課金もなく手持ちのCD資産やレンタル店で借りたCDが楽しめるようになる。これこそがCDレコ6ならではの最大の魅力と言えるだろう。
ただ、Bluetooth接続となれば、環境の影響を受けて途切れることもあるし、伝送時の圧縮による音質へ影響も知っておく必要がある。そこでCDレコ6ではUSBメモリやSDカードへの保存を可能にすることで、音質への影響を最小限にとどめている。しかもUSBメモリやSDカードなら持ち運びも気軽に行え、DAでの再生にも対応しやすい。コピーを終えたUSBメモリは、DAのUSBスロットに挿すだけでDAのメニューに「USB」のアイコンが現れ、それをタッチすればすぐに再生できるというわけだ。
参考までにCDレコ6のUSBスロットには、ソニーのウォークマンを接続することもできる。ウォークマンは現行のAndroid機だけでなく、Andoroid 非搭載の従来型モデルでも対応できるとのこと。Android対応ウォークマンならCDレコミュージックを介して、CDレコ6からダイレクトに音源の取り込みが可能。従来型モデルならマイクロSDカードを経由して音源データを取り込めばいい。普段、音楽プレーヤーとしてウォークマンを使っている人にとっては重宝する対応と言っていいだろう。
そして、注目なのが専用アプリ「CDレコミュージック」のアップデートによって、iOSなら「Apple CarPlay」で、Audroid OSなら「Android Auto」に対応することだ。4月以降のアップデートということだったが、4月4日には早くもVer1.7.0によってCarPlayに対応を果たした。そこで今回はDAを搭載するトヨタの新型「アクア」Z・4WDを借り、実際にCDレコミュージックをDAのCarPlay上で体験してみることにした。
■CD音源をスマホに取り込む
スマホにはあらかじめiTunesで取り込んであった楽曲に加え、CDレコミュージックを使ってCDから直接聴きたい楽曲を追加した。CDレコミュージックを使った楽曲の取り込みについては何度か紹介されているので、ここではその方法について簡単に触れておこう。
まずCDレコ6にCDをセットし、次にCDレコ6とスマホをWi-Fi接続する。あとはCDレコミュージックのメニューから「コピー」を選び、ダビングしたいアルバムや楽曲を指定すればいい。これでスマホへの取り込みがスタートする。取り込みに要する時間は60分のCDでおよそ4分。音質は5段階(FLAC/AAC320kbps/AAC256kbps/AAC128kbps/AAC96kbps)から選択でき、今回は標準的な256kbpsを選んでいる。Gracenoteのデータベースからタイトル、アーティスト名、曲名を自動で取得できるのは今までと同様だ。
この一連の操作は決して難しくはない。取り込み速度も速く、その使い勝手は基本的に良好と言えるだろう。しかし、動作状況を示す表示はあまりに小さく、年代の高い層にはその文字を読み取るにはかなりツライ。文字のサイズに制限があろうはずもなく、もっと見やすい表示へアップデートで早急に改善して欲しいと思う。
■ジャケット写真やアーティスト名なども見やすく表示
さて、楽曲を取り込んだスマホをアクアのDAにUSBケーブルを介して接続してみる。最初に画面上でCarplayを利用するかどうか聞かれるので、「利用する」「一度だけ利用」を選択。すると画面上にはCarPlayのホーム画面が表示される。ここで画面を左右にフリックして「CDレコミュージック」のアイコンをタップ。これで取り込んだ楽曲の再生がCarPlay上で可能になる。また、iPhoneをつないだ状態で他のモードから切り替えるときはエアコンの吹き出し口下にある「MENU」ボタンを押し、そこで「Apple CarPlay」を選べばOKだ。
CDレコミュージックを起動するとプレイリストとして、「最近聴いた曲」「最近取り込んだ曲」「良く再生される曲」の3つが表示され、他にもアーティストやアルバム、ジャンルからプレイリストが選択できるようになっている。各リストはGracenoteによるジャケット写真も表示されているので、聴きたい曲もリストからすぐに探し出すことが可能。再生時はリピートやシャッフルでのモードもスマホの操作は一切なしに画面上で選べる。
再生中の画面は、ジャケット写真に加えて、楽曲名やアーティスト名、アルバム名がバランス良く配置されており、とても見やすい。プレイリストも含め、操作性は良好。これらは安全面でも大きなプラスとなることは間違いない。
CDレコミュージックで楽曲を再生して気付いたのが、数曲しか取り込んでいなかったのに、リストにはそれ以上の楽曲が表示されていたことだ。これはiTunesで取り込んだ楽曲も反映されているからで、聞けばCDレコミュージックではサブスクリプションサービスのApple Musicへの対応も果たしており、これと合わせiTunesで取り込んだ楽曲の再生も可能となっているとのことだ。なので、iTunesで取り込んだ楽曲はCDレコミュージックで新たに取り込まなくても再生は可能となる。
ただし、iPhoneやiPodなどiOS端末に限っては、CDレコミュージックで取り込んだ楽曲を他のミュージックアプリで再生することはできない。一方でAndroid端末はすべてのアプリでの再生を保証はしないものの、再生は可能だという。
アクアに搭載されていたDAは、ディスプレイサイズを10.5インチとし、アプリ上の操作はすべてタッチ操作で行える仕様が標準装備されていた。カーナビとしてはCarPlayやAndroid Autoのナビアプリに対応できるが、試乗車にはディーラーオプションのナビキットが装備されており、操作ボタンで「MAP」を押すことでいつでもこのナビモードに切り替わるようになっていた。
オーディオ的には前後左右のドアにフルレンジスピーカーが一つずつ備わる標準的なもの。それだけに音質面での期待値はそれほど高くはなかったが、再生してみると予想に反してしっかりとした音。帯域の広さはそれほど感じなかったものの、低域が適度にボリューム感があり、切れ味もそこそこある。音像もスピーカー位置がフロアに近いにもかかわらず不自然さは感じなかった。
今やカーオーディオは単に音楽を再生するシステムとしてではなく、クルマの様々な情報をチェックするインフォテイメントシステムの一部に組み込まれるのが時代の流れとなった。そのインターフェースとしてあるのがDAなのだ。この流れは日本のみならずグローバルで進んでいくことは確実。そんな中で登場したCDレコ6は、まさにそんな時代を読み取った手軽なガジェットとして貴重な存在だ。DA搭載車だけでなく、CDドライブレス車にもぜひ活用して欲しい製品と言えるだろう。