公開日 2023/04/12 06:30
天井投写もお手の物
超スムーズな台形補正で部屋中どこでもスクリーンに!JMGO「N1 Ultra」が起こすプロジェクター革命
大橋伸太郎
近年プロジェクターは4K/HDR対応といった高画質化に留まらず、OSを内蔵するなどして単体で映像鑑賞が楽しめるスマートプロジェクターへと進展している。そしていま、次なるステップへ進んだスマートプロジェクターが登場した。新進気鋭のブランドJMGO、その最新モデル「N1 Ultra」の実力をお伝えしたい。
スマートプロジェクター第二章の開幕。それを一身に体現する製品が現れた。JMGOの「N1 Ultra」だ。
JMGOが最初のスマートプロジェクターを発売したのは2011年のこと。わずか12年たらずで中国市場第二位にまで登りつめた。JMGOの他社との違いに、全製品自社開発の光学ユニットを採用する点が挙げられる。中国国内の多くのデザイン、イノベーション賞を受賞し、製品に係る実に540以上の特許を取得している。
JMGOがプロジェクターのニューウェーブたるゆえんは、映画やライブを見るためのディスプレイとしてだけでなく、キャンプファイヤーを囲むような和みの空間を作りだすツールとして製品開発をしていることだ。日本ですでに導入済みのLED光源の超短焦点モデル「O1」「O1pro」ですでにJMGOの製品作りの思想はうかがわれるが、いっそう大胆に押し進めたのが、4K三波長レーザージンバルプロジェクターのN1 Ultraというわけだ。
N1 Ultraのコンパクトネスは、4K解像度プロジェクターの概念を変える。インビジブルをテーマに空間の黒子に徹した印象だ。しかしそのミニマルな存在に驚愕の仕掛けがある。
ジンバル(吊り枠)式の回転/あおり機構を採用。本機の場合、水平/垂直の2軸ジンバルで、レコードプレーヤーのトーンアーム軸受けにしばしば採用されるタイプだ。水平方向には360度自由に向けられるし、レンズ部は上下に135度あおることができる。この機構により補助手段を使わず投写角度を変えられ、どこにでも自由に投影することができる。プロジェクターは設置したら1cmも動かさないもの、という常識を打破したわけだ。
壁から天井へ投写面を変えると、映像の上下端の到達距離の違いで台形歪みが発生する。従来のたいていのプロジェクターが台形歪み修正機能を持つが、投写角度を変えてから三秒程度待って補正が完了する仕組みだった。しかしN1 Ultraは画期的なシームレス台形補正機能を搭載し、角度を変えながらリアルタイムでじりじりと台形補正し続ける。しかもオートフォーカス機構と一体設計であるため、壁から天井へ調整要らずでベストバランスの投写ができる。ちなみに100インチの投写画面を得る最短投写寸法は、260cmである。
N1 Ultraの光学技術上の特徴に三波長(RGB)レーザー光源の採用がある。JMGOがMALC(Microstructure Adaptive Laser Control)トリプルカラーレーザーオプティクスと命名した光学エンジンは、特許技術のカタマリである。
レーザー光源には、半導体光源で世界をリードする日亜化学工業の最新RGBレーザーモジュールを採用。光効率と小型化にすぐれたモジュール化に成功した。これまでのレーザー/LED光源は、青色波長の素子に蛍光体を塗布してG(緑)の光を作ることでRGBを得てきたが、蛍光体から出る光はどうしても純度が低く色域が狭くなる欠点があった。今回の日亜化学工業のRGBレーザーモジュールを搭載したN1 UltraはGの色域が広く、BT.2020のほとんどをカバーする。
レーザー光源の欠点にスペックルノイズがある。レーザーで描く映像は一本一本のビームが強いため干渉で光が散乱し、ノイズを発生させ、映像がざらつくのである。だが、JMGOと日亜化学工業がここでも技術を出し合った。レーザー光がXY軸方向に高速振動するディフューザーを通過することで正しい振幅と周波数に回帰し、スペックルノイズを抑制したなめらかな映像が出る。こうしたJMGOの独創的技術を統べるのが、自社開発MALCエンジンであり、中国で9つの技術特許を獲得した。
どれだけ使い勝手に優れていても、4K解像度らしい画質の説得力がなければ、使用機会は減っていく。N1 Ultraはどうか、その映像を実際に体験してみよう。
■特許技術を豊富に詰め込んだスマートプロジェクターのニューウェーブ
スマートプロジェクター第二章の開幕。それを一身に体現する製品が現れた。JMGOの「N1 Ultra」だ。
JMGOが最初のスマートプロジェクターを発売したのは2011年のこと。わずか12年たらずで中国市場第二位にまで登りつめた。JMGOの他社との違いに、全製品自社開発の光学ユニットを採用する点が挙げられる。中国国内の多くのデザイン、イノベーション賞を受賞し、製品に係る実に540以上の特許を取得している。
JMGOがプロジェクターのニューウェーブたるゆえんは、映画やライブを見るためのディスプレイとしてだけでなく、キャンプファイヤーを囲むような和みの空間を作りだすツールとして製品開発をしていることだ。日本ですでに導入済みのLED光源の超短焦点モデル「O1」「O1pro」ですでにJMGOの製品作りの思想はうかがわれるが、いっそう大胆に押し進めたのが、4K三波長レーザージンバルプロジェクターのN1 Ultraというわけだ。
N1 Ultraのコンパクトネスは、4K解像度プロジェクターの概念を変える。インビジブルをテーマに空間の黒子に徹した印象だ。しかしそのミニマルな存在に驚愕の仕掛けがある。
ジンバル(吊り枠)式の回転/あおり機構を採用。本機の場合、水平/垂直の2軸ジンバルで、レコードプレーヤーのトーンアーム軸受けにしばしば採用されるタイプだ。水平方向には360度自由に向けられるし、レンズ部は上下に135度あおることができる。この機構により補助手段を使わず投写角度を変えられ、どこにでも自由に投影することができる。プロジェクターは設置したら1cmも動かさないもの、という常識を打破したわけだ。
壁から天井へ投写面を変えると、映像の上下端の到達距離の違いで台形歪みが発生する。従来のたいていのプロジェクターが台形歪み修正機能を持つが、投写角度を変えてから三秒程度待って補正が完了する仕組みだった。しかしN1 Ultraは画期的なシームレス台形補正機能を搭載し、角度を変えながらリアルタイムでじりじりと台形補正し続ける。しかもオートフォーカス機構と一体設計であるため、壁から天井へ調整要らずでベストバランスの投写ができる。ちなみに100インチの投写画面を得る最短投写寸法は、260cmである。
N1 Ultraの光学技術上の特徴に三波長(RGB)レーザー光源の採用がある。JMGOがMALC(Microstructure Adaptive Laser Control)トリプルカラーレーザーオプティクスと命名した光学エンジンは、特許技術のカタマリである。
レーザー光源には、半導体光源で世界をリードする日亜化学工業の最新RGBレーザーモジュールを採用。光効率と小型化にすぐれたモジュール化に成功した。これまでのレーザー/LED光源は、青色波長の素子に蛍光体を塗布してG(緑)の光を作ることでRGBを得てきたが、蛍光体から出る光はどうしても純度が低く色域が狭くなる欠点があった。今回の日亜化学工業のRGBレーザーモジュールを搭載したN1 UltraはGの色域が広く、BT.2020のほとんどをカバーする。
レーザー光源の欠点にスペックルノイズがある。レーザーで描く映像は一本一本のビームが強いため干渉で光が散乱し、ノイズを発生させ、映像がざらつくのである。だが、JMGOと日亜化学工業がここでも技術を出し合った。レーザー光がXY軸方向に高速振動するディフューザーを通過することで正しい振幅と周波数に回帰し、スペックルノイズを抑制したなめらかな映像が出る。こうしたJMGOの独創的技術を統べるのが、自社開発MALCエンジンであり、中国で9つの技術特許を獲得した。
■正確な色彩表現、調整を追い込めば追い込むほど応えてくれる
どれだけ使い勝手に優れていても、4K解像度らしい画質の説得力がなければ、使用機会は減っていく。N1 Ultraはどうか、その映像を実際に体験してみよう。
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