トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2024/03/27 06:45
エントリーモデルでもブレのない、信頼性の高い再生が楽しめる

初めてのレコードプレーヤーならデノンがおすすめ! お手頃3モデルの実力をチェック!

生形三郎

前のページ 1 2 次のページ

創業1910年という長大な歴史を持つ老舗オーディオブランドのデノン。日本初の円盤録音機の開発に始まり、NHKとの共同による業務用ターンテーブルやカートリッジの開発など、レコード再生やレコード文化の発展を担ってきた存在だ。

デノンは現在、手軽なフルオートプレーヤーから本格的マニュアルプレーヤーまで、全6機種のレコードプレーヤー製品をラインナップする。最近では、昨年発表された最上位機種となる「DP-3000NE」は、現代的で質感の高いデザイニングとデノン長年のノウハウを昇華させた精緻なサウンドで瞬く間にベストセラーモデルのポジションを獲得するなど、同社のプレーヤーは市場からも絶大な信頼を誇っている。

今回は、そんなデノンのレコードプレーヤー製品からエントリーモデル「DP-29F」「DP-300F」「DP-400」の3機種を見ていこう。音質は勿論、実機を触った質感や操作感も踏まえて、モデルごとのおすすめユーザーを紹介していく。ぜひともレコードデビュー、あるいはレコード再デビューのご参考にしていただければ幸いだ。

デノンのエントリーレコードプレーヤー3機種の実力をチェック!

なお、はじめに述べておきたいのは、デノンのプレーヤーは価格に関わらず、レコード再生らしい音の質感と、業務用ターンテーブルを祖とするブランドならではの規範的なサウンドバランスが実現されている、ということだ。

この特徴は、たとえエントリーモデルであってもブレがない。よって、どのモデルであっても信頼度の高いレコード再生が提供されるので、これからレコードデビューする方にこそ使って頂きたいと思うラインナップである。

音元出版の試聴室で3モデルの試聴を行った

■コンパクト&フルオート操作で初心者にもオススメ「DP-29F」



デノンのレコードプレーヤー製品のうち、もっとも手軽な存在が「DP-29F」。レコード盤よりも少し大きなスクウェア形状で場所を取らないことが最大の美点だ。

DP-29F(希望小売価格:税込18,700円)

フルオート操作が実現され、スタートボタンを押すだけのワンタッチ操作で再生が完結するので、極めてシンプルにレコードを楽しむことが出来る。再生終了後は自動的にトーンアームが元の位置に戻るため、操作に慣れない方にとっても安心だろう。

レコードを聴くときはSTARTボタンを、聴き終わったらSTOPボタンを押すだけの簡単仕様。慣れない方にも安心だろう

LP(30cm)とシングル(17cm)の切り替えもワンタッチで可能。回転数も同じくボタン操作で切り替えられる

また、今回の3機種全てに共通の仕様だが、カートリッジに加えて、レコード再生に必須となる「フォノイコライザーアンプ(MM型)」が本体に内蔵されているので、プレーヤーを買うだけでレコード再生周りの必要なものが全て揃う。

本機の音質は、音楽作品本来のバランスを楽しめるニュートラルなサウンドだ。なおかつ、レコードらしい温かみや滑らかさもしっかりと味わえる物となっている。フルオートの最も低価格帯モデルといえども、デノンクオリティが確保されているのだ。とにかく簡単に低コストで、しかしながら、確かなサウンドバランスでレコードを楽しみたい方におすすめだ。

最も低価格なモデルでも確かな音質を実現しているのはデノンならでは

■フルオートの手軽さと本格的な音質を両立する「DP-300F」



フルオートモデルの上位機種がDP-300Fだ。フルオートならではの簡単操作はそのままに、より本格的な音質や、レコード再生の醍醐味のひとつであるカートリッジ交換も楽しむことが出来る。

DP-300F(希望小売価格:税込53,900円)

ボディは樹脂製ながらも光沢ある仕上げで、トーンアームにはカウンターウエイトやアンチスケーティング調整機構が備わっているので、プレーヤーとしての存在感が高い。

DP-29Fではできなかったカートリッジ交換も、本機なら可能。アームもさまざまな調整ができたりと、フルオートながら本格仕様も兼ね備える

音質もDP-29Fに比べるとさらに音楽に踏み込んだものとなっている。楽器の姿や楽器同士の間合いが引き出され、ソース本来のスケール感が出てくる。音色にもいっそう艶が出てきて、歌声や楽器の豊かな鳴りを楽しめる。

例えば歌モノソースでは、主役のボーカルと、それを取り囲む楽器たち一つひとつがきちんと分離して描き出され、それぞれがどんな演奏をしているのかがよく分かるのだ。オーケストラソースでは、演奏空間のホールの広さや余韻の広がりまでがしっかりと出てくるし、弦楽器の音色はビロードのような滑らかな手触りが心地よい。

フルオートプレーヤーでありながらこの音質を楽しめるのは大変貴重な存在と言える。手軽さと音質を両立させたい方にオススメのモデルだ。

アーム近くのボタンから盤のサイズや回転数を切り替えることが可能

デノンのアナログ技術を投入。遊び心も楽しい「DP-400」

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!
2 人類に逃げ場なし!トム・クルーズ演じる平凡なお父さんと子供たちの逃亡劇
3 “高コスパ” で人気のPolk Audioスピーカーは、「audioquestの高音質ケーブル」でもっと輝く。グレードアップ具合を克明レポート!
4 “世界初” バイアンプ駆動完全ワイヤレスの実力や如何に。NUARL新フラグシップイヤホン「Inovator」レビュー
5 オーディオ機器の「ジャンク品」ってどこまで買い取れる?専門店「オーディオランド」に訊く
6 iOS 18.2提供開始。カメラコントロール“半押し”やボイスメモのレイヤー録音など追加。英語圏ではApple Intelligence進化
7 <ポタフェス>「有線ピヤホン2」クロミちゃんVer.お披露目/MOONDROP×『崩壊スターレイル』完全ワイヤレス、アキバに上陸
8 TAGO STUDIO、ブランド設立10周年記念ヘッドホン「T3-01 ANV」。Brise Audio製の特注ケーブルを付属
9 cheero、イヤーカフ型イヤホン新モデル。バッテリー性能や装着感が向上
10 京都散歩のひとやすみスポットに。いい音を全身で浴びる「Technics Cafe KYOTO」、オープン1周年
12/16 10:25 更新

WEB