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公開日 2023/08/10 06:30
ビクター「HA-FX150T」を例に解説

【集中連載】イヤホン イコライザー基礎知識:第1回「イコライザーって何?」

高橋 敦
スマートフォンアプリから音質を細かくイコライジングできることも特徴であるビクターの完全ワイヤレスイヤホン「HA-FX150T」。ただ、イコライザーとは何者なのか? 理解しているようで実は少しあやふやな人もいるのでは? HA-FX150Tを例にとりながら、イコライザーの基礎知識や使いこなすコツを短期集中連載で解説します。


イコライザーの基本:「グライコ」と「パライコ」



ワイヤレスイヤホンの定番機能、イコライザー。アプリでオンにして「ベースブースト」「クリア」などのプリセットを選ぶだけで、同じイヤホンなのに音の聴こえ方が変わります。

そのイコライザーは多くの場合、プリセット選択だけではなく、ユーザー自身によるマニュアル設定も可能です。それを使いこなして自分専用イコライザーを設定できるようになろう!というのがこの集中連載。今回はまずイコライザーの基本から確認しておきましょう。

改めて「イコライザー」とはどんな機能でしょうか? 簡単に言えば「特定の周波数付近の音だけを強める、または弱める機能」です。「低音だけ少し弱める」「超高音だけ少し強める」などの調整を行えるわけですね。

そしてそのイコライザーにはふたつの種類があります。「グラフィックイコライザー」と「パラメトリックイコライザー」です。

グラフィックイコライザーのイメージ図。あらかじめ用意されたいくつかの周波数のスライダーを上下させてイコライジングを行います


一方パラメトリックイコライザーの使い方は……それをこの連載で説明していきます

グラフィックイコライザー、通称グライコは、その名の通り視覚的なわかりやすさが特長。低域から高域までを何分割かにした周波数帯域のスライダーを上下させて調整。そのスライダーの上下の凹凸でセッティングを視覚的に把握でき、直感的に操作できます。

対してパラメトリックイコライザー、通称パライコは、より細かく調整できることが特長。イコライザーは音を、

●どの周波数を中心に
●どれほどの増減量と
●どれほどの周波数幅で

強く/弱くするかで操作するものですが、グライコは周波数と幅が固定されていて、ユーザーが動かせるのは増減量のみです。

対してパライコはすべてをユーザーが操作できます。自由度の高さゆえに始めは少し慣れが必要ですが、使いこなせればユーザーの思うままのイコライジングを行えるのが強みです。

なおそれらの項目を様々なユーザーや音楽ジャンルを想定してメーカーがあらかじめセッティングしておいてくれたものが「プリセット」となります。

さて、イヤホンの音質をパライコで調整できるケースはまだあまり多くありません。もしかすると、今回のビクター「HA-FX150T」で初めてパライコを目にする方もいるかもしれません。

ということでこの連載では以降、ビクター「HA-FX150T」のイコライザー機能を例に、「パライコ」の使い方を紹介していきましょう。今回はまず、その設定項目を確認しておきます。

HA-FX150のパライコは何が設定できる?



ではHA-FX150Tをスマートフォンに接続し、同社アプリ「Victor Headphones」を起動。サウンドモード設定の[CUSTOM 1〜3]がパライコの設定です。

先ほど紹介したパライコの例がHA-FX150Tで利用できるアプリ「Victor Headphones」の画面でした(※見た目の違いをわかりやすくするため極端な調整値にしています)

調整ポイント1・2・3のそれぞれに「周波数」「ゲイン」「Q」という設定項目があります。周波数はいいとして、ゲイン?Q?何それ?

ですがこれ実は、さきほど説明した話を専門用語に言い換えただけだったりします。

●周波数=どの周波数を中心に
●ゲイン=どれほどの増減量と
●Q=どれほどの周波数幅で

です。

次回からはこの「周波数」「ゲイン」「Q」をひとつずつ解説していきます。

(提供:JVCケンウッド)

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