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独自技術で「サクサク」「追従性」追求

国内メーカー初のAndroid 4.0スマホ、“AQUOS PHONE”「104SH」開発者インタビュー

公開日 2012/02/23 18:40 編集部:風間雄介
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■独自チューニングで最高のパフォーマンスを

開発陣が目指した二番目の目標は「最高のパフォーマンス」だ。

林氏:グローバルで先行するメーカーと競える、ナンバーワンレベルのパフォーマンスを目指し、実現できたと考えています。ここで言うパフォーマンスとは単純な処理スピードだけでなく、操作した際の追従性や、いわゆる「サクサク感」も含んでいます。

104SHのチップセットには、TIのデュアルコアプロセッサー「OMAP 4460」を採用した。クロックスピードは1.5GHzだ。

チップセットにはOMAP4460を搭載

林氏:このOMAP 4460を搭載したのも、国内では最速となりました。弊社のソフトバンクさん向けモデルでは、TIさんのチップセットを使うのは今回が2機種目でしたので、作りやすかったですね。

「ダイレクトトラッキング技術」という、追従性を高める技術も搭載した。

林氏:これはドライバーレベルのチューニングなどにより、操作した際の追従性を高める技術です。指と画面の動きを数値化し、理想的な曲線になるよう、チューニングを重ねました。図のうち青い曲線が指の動き、ピンクの曲線がそれに対して反応した画面の動きになります。水平方向は時間、上下は移動量を指しています。

ダイレクトトラッキング技術を搭載することで操作への追従性を高めた

この2つの曲線の水平方向を近づければ良いかというと、それほど単純なものではないんです。指と画面の動きが一致しすぎると、シビアすぎて操作しづらいですよね。このあたりのチューニングには非常に気を使って、自然な操作感を実現できたと自負しています。

画面のフレームレートを下げると追従性が高めるケースもあるのです。ですが、それをすると、今度はいわゆる「カクカク感」が出てきてしまいます。104SHでは常時60フレームを維持し、自然な動きと滑らかな動きを両立させています。


実際にウェブ画面をスクロールして操作してみると、これまでのAndroidスマートフォンのハイエンド機で体験したことがないほど、指の動きに吸い付くように画面が自然に追従する。ピンチインやピンチアウトの追従性も非常に高く、タイムラグはほとんど感じられない。

記者がふだん利用しているiPhone 4Sと比べても、その追従性はほぼ同等のレベルに達している。iOSに比べて慣性スクロールが効きづらく、指を離した際の画面の止まり方は不自然な場合もあるが、これはAndroidそのものの問題である可能性が高い。とにかく、そのようなアラ探しをしてしまいたくなるほど、本機の追従性、サクサク感のレベルは高い。

林氏:104SHは4.5インチ、1,280×720ドットの「HD NewモバイルASV液晶」を搭載しており、画素数が多いので、これを60フレームで常時動かすのは結構大変です。もちろん、OMAP 4460ではGPU「POWER VR SGX540」のクロックが上がっていることもあるのですが、これを実現できたのは、やはりドライバーレベルでの改善やチューニングが大きいですね。

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