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<山本敦のAV進化論 第48回>MWCで発表された新モデルの背景

“画と音が良いタブレット”「Xperia Z4 Tablet」開発者インタビュー

公開日 2015/03/25 11:49 山本 敦
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システム設計の全体を取りまとめながらプラットフォームの最適化を担当した人物が泉氏だ。Z4 Tabletではクアルコムの64bitオクタコアプロセッサー「Snapdragon 810」が採用されているが、「アーキテクチャが大きく変わっているので、新しいCPU構成に最適化するため、設計段階から実装まで時間をかけてこだわりながらつくりあげてきました」と泉氏は語る。

専用キーボードとの組み合わせにより、ノートPCのような操作性とポータビリティを実現している

バッテリーライフの長寿命化については、ディスプレイまわりで改良された技術と深く関わってくる。その点については担当するファン氏が説明を加えてくれた。

■2KのXperiaタブレット史上・最高画質のディスプレイ

Z4 Tabletのディスプレイまわりで注目すべきポイントは3つある。一つは先のトピックスに続く、「バッテリーライフの長寿命化」に貢献する進化だ。

一般的なタブレットの場合、ディスプレイのシステム制御、パネル駆動、バックライトに消費する電力を合算すると、全体を動かすための電力のうち「約65%」がディスプレイのために費やされている計算になるそうだ。スマートフォンの場合はこれが「約40%」に上る。

Z4 TabletではLTPS(低温ポリシリコン液晶)の採用に加え、オン・ガラスのパネルドライバーICチップを搭載する新しいディスプレイモジュールを搭載。Z2 Tabletと比べてICチップの数自体も減らしたことで、ICチップ同士のコミュニケーションプロセスに要する電力を抑え、ローエナジーでパネルを駆動できるようになったとファン氏は説明する。

Xperiaシリーズのタブレットとして、本機から初めてパネルドライバーICにメモリーが内蔵されたことも電力消費の抑制につながっている。パネル上に静止画像など、同じ画像をホールド表示し続ける際には、メモリーにデータをバッファしておくことでパネルのリフレッシュを行わないという選択が採れる。これが例えばWebブラウザや写真再生、E-Bookの表示時など、細かく消費電力を抑えることにもつながり、結果として低消費電力駆動に結び付く。

ディスプレイ技術に関連する2番目のポイントは画質の進化だ。10.1型のディスプレイは、画素数がZ2 Tabletの1,920×1,200ピクセル(ワイドUXGA)から、新機種では2,560×1,600ピクセル(WQXGA)に高画素化した。ソニーモバイルではこれを「2KのXperiaタブレット史上、最高画質のスペック」としてうたっている。

画面の明るさはZ2 Tabletとの比較で40%アップした。画素密度は10.1インチクラスのタブレットの中で最高クラスとなる300ppiを実現しているにも関わらずだ。ソニーの超解像技術「X-Reality for mobile」や「トリルミナスディスプレイ for mobile」、さらにはバックライトは青色のLEDチップに赤と緑の蛍光体を組み合わせて色の3原色を全て揃え、色彩をより正確かつ自然に再現できるようする「LiveColour LED」も前機種同様に盛り込まれている。

MWCの展示デモンストレーション。画面をスプリット表示しながらX-Reality for mobileの効果を紹介した


外光環境下でも映像の視認性を高めるため、照度センサーが強い光を感知すると、ディスプレイ全体の明るさを上げるだけでなく、ピクセル単位で画質を最適化する機能をXperiaタブレットとして初めて搭載した。ファン氏は技術の特徴についてこう語る。

ピクセル単位で画質を最適化する機能を、先行して搭載するXperia Z3でデモンストレーションを行っていた

「明るい映像を表示しながら、暗部だけコントラストを上げることで暗い場所でも画面を見やすくしています。ピクセル単位でコントラストを変化させることができるので、同じ電力を消費している状態でも、画面は断然見やすくなっています」。

■水に濡れた状態でも機敏なレスポンスを実現したタッチパネル

3つめのポイントは「タッチパネルの精度向上」だ。特に画面が濡れたときにも、レスポンスのスピードと正確さが上がっている。

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