ブランド背景と歴史についても聞いた
「ポータブル最高峰の音を目指した」− OPPOプロダクトマネージャーに聞く「PM-3」「HA-2」
■OPPOが平面磁界駆動型をあえて選んだ理由
ーー PM-3に限ったことではありませんが、OPPOがヘッドホン市場に参入するにあたって、平面磁界駆動型をあえて選んだ理由はなんだったのでしょうか。
ヴィック氏 それを説明するには、まずヘッドホンの開発をスタートした理由を述べなければいけません。OPPOには、BDプレーヤー「BDP-105」という製品がありました。この製品はホームシアターとパーソナルオーディオを繋ぐかけ橋のような製品であると我々は位置づけていましたが、それは本機がUSB-DACやヘッドホンアンプを内蔵していたからです。
ーー BDP-105によって、OPPOは“多機能BDプレーヤー”というジャンルそのものを築いたとも言えますね。
ヴィック氏 はい。そして、BDP-105のヘッドホンアンプのサウンドは非常に好評でした。そして、ヘッドホンアンプを改良する上で様々なヘッドホンと組み合わせて検証を行っているうちに、OPPO自身で理想のヘッドホンを手がけてみたらどうだろうかという話になったのです。
そして平面磁界駆動型を採用した理由ですが、ヘッドホンアンプの開発時も含めて様々なヘッドホンの比較検討を行ったところ、ダイナミック型に比べて平面磁界駆動型の方がサウンドクオリティにおいてより高いポテンシャルを持っていることは明らかでした。一方で本体重量や能率、デザイン性、装着感などの面においては様々な課題もありました。こうした問題をひとつひとつクリアしながら完成させた理想のヘッドホンが、PM-1だったのです。
■世界各地の「ベータテスター」が音質をチェック
ーー PM-1については、日本市場向けに別バージョンのイヤーパッドも開発しました。日本のマーケットが求める音作り、というのは意識されているのでしょうか。
ヴィック氏 OPPO Digitalという会社は「ベータテスター」という仕組みを持っています。これはアジアやヨーロッパ、アメリカなど世界各国において、ベータ版の製品の音を評価するメンバーを現地で用意するというものです。彼らの意見は全てOPPO Digital本社に集約されます。これらの意見を参考にしながら、OPPO Digitalのアコースティックエンジニアであるイゴール・レヴィツキーがサウンドをチューニングしていきます。
イゴールによれば、各国のベータテスターの意見を集めたところ、オーディオファイルの音の好み、ヘッドホンの音の好みというのはかなり似た傾向が出たとのことでした。ですから、ハイクオリティなサウンドとは普遍的なものだと考えています。PM-1のイヤーパッドは日本市場向けの音作りのためというよりは、むしろ多様な好みを持つ日本のヘッドホンファンに向けてより多くの選択肢を提供するものです。
■HA-2はモバイル機器との相性を考慮した実用的な仕様と音質を両立
ーー 次は、HA-2についてお聞かせ頂ければと思います。HA-2はそのコンパクトさや個性的なデザインでも注目を集めています。HA-2の開発コンセプトはどのようなものだったのでしょうか。
ヴィック氏 HA-2の主な特徴はなんといっても、非常に小型・薄型のモデルでありながらオーディオクオリティの高い製品となっている点です。様々なオーディオプレーヤーと接続が可能な、コネクティビティにも注力しました。中でも特筆したいのは、どこにでも持ち運べることを何より大事なポイントとして開発した点です。AndroidやiPhoneなどのモバイル端末との相性も考慮しつつ、ハイレゾ再生についても力を入れています。iPhoneについてはカメラコネクションキットを用いずに、直接接続してのハイレゾが再生可能になっています。
それからもうひとつHA-2の大きな特徴として挙げられるのは、モバイルバッテリーとして使える点です。「VOOC」と呼ばれるラピッドチャージ(高速充電)機能を積んでおり、モバイルバッテリーとしても非常に性能の高いものに仕上がっています。
ーー PM-3に限ったことではありませんが、OPPOがヘッドホン市場に参入するにあたって、平面磁界駆動型をあえて選んだ理由はなんだったのでしょうか。
ヴィック氏 それを説明するには、まずヘッドホンの開発をスタートした理由を述べなければいけません。OPPOには、BDプレーヤー「BDP-105」という製品がありました。この製品はホームシアターとパーソナルオーディオを繋ぐかけ橋のような製品であると我々は位置づけていましたが、それは本機がUSB-DACやヘッドホンアンプを内蔵していたからです。
ーー BDP-105によって、OPPOは“多機能BDプレーヤー”というジャンルそのものを築いたとも言えますね。
ヴィック氏 はい。そして、BDP-105のヘッドホンアンプのサウンドは非常に好評でした。そして、ヘッドホンアンプを改良する上で様々なヘッドホンと組み合わせて検証を行っているうちに、OPPO自身で理想のヘッドホンを手がけてみたらどうだろうかという話になったのです。
そして平面磁界駆動型を採用した理由ですが、ヘッドホンアンプの開発時も含めて様々なヘッドホンの比較検討を行ったところ、ダイナミック型に比べて平面磁界駆動型の方がサウンドクオリティにおいてより高いポテンシャルを持っていることは明らかでした。一方で本体重量や能率、デザイン性、装着感などの面においては様々な課題もありました。こうした問題をひとつひとつクリアしながら完成させた理想のヘッドホンが、PM-1だったのです。
■世界各地の「ベータテスター」が音質をチェック
ーー PM-1については、日本市場向けに別バージョンのイヤーパッドも開発しました。日本のマーケットが求める音作り、というのは意識されているのでしょうか。
ヴィック氏 OPPO Digitalという会社は「ベータテスター」という仕組みを持っています。これはアジアやヨーロッパ、アメリカなど世界各国において、ベータ版の製品の音を評価するメンバーを現地で用意するというものです。彼らの意見は全てOPPO Digital本社に集約されます。これらの意見を参考にしながら、OPPO Digitalのアコースティックエンジニアであるイゴール・レヴィツキーがサウンドをチューニングしていきます。
イゴールによれば、各国のベータテスターの意見を集めたところ、オーディオファイルの音の好み、ヘッドホンの音の好みというのはかなり似た傾向が出たとのことでした。ですから、ハイクオリティなサウンドとは普遍的なものだと考えています。PM-1のイヤーパッドは日本市場向けの音作りのためというよりは、むしろ多様な好みを持つ日本のヘッドホンファンに向けてより多くの選択肢を提供するものです。
■HA-2はモバイル機器との相性を考慮した実用的な仕様と音質を両立
ーー 次は、HA-2についてお聞かせ頂ければと思います。HA-2はそのコンパクトさや個性的なデザインでも注目を集めています。HA-2の開発コンセプトはどのようなものだったのでしょうか。
ヴィック氏 HA-2の主な特徴はなんといっても、非常に小型・薄型のモデルでありながらオーディオクオリティの高い製品となっている点です。様々なオーディオプレーヤーと接続が可能な、コネクティビティにも注力しました。中でも特筆したいのは、どこにでも持ち運べることを何より大事なポイントとして開発した点です。AndroidやiPhoneなどのモバイル端末との相性も考慮しつつ、ハイレゾ再生についても力を入れています。iPhoneについてはカメラコネクションキットを用いずに、直接接続してのハイレゾが再生可能になっています。
それからもうひとつHA-2の大きな特徴として挙げられるのは、モバイルバッテリーとして使える点です。「VOOC」と呼ばれるラピッドチャージ(高速充電)機能を積んでおり、モバイルバッテリーとしても非常に性能の高いものに仕上がっています。
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