驚愕のコンデンサーイヤホンシステム
SHURE「KSE1500」開発者インタビュー。8年かけたのは「最高のイヤホン」を作るため
■「36万円前後」という価格、そして型番の意味
ーーー 発表後の反応として、様々な意見が出ているのは36万円前後という販売価格です。これについてメッセージはありますか?
SHURE 本当にシンプルに、生産コストと8年もの開発期間などからの価格設定です。当然ですが「画期的な新モデルだからこの価格でも売れるだろう」といったようなプレミアム価格などではありません。また本国での価格は2,990ドルなのですが、現在の為替レートだと、日本の皆様にはこの価格でのご提供になってしまうという面もあります。
ーーー このシステムはモデルナンバーもいままでにないものになっていますよね。この意味合いを教えていただけますか?
SHURE まず従来の「SE」シリーズとは全く別のラインであることを示そうと考えました。そこで「KSE」という新しい名前にしたのです。数字もSEシリーズが3桁だったので4桁にして違いを出しています。「1500」というのは開発チームの誰かが何となく呼び始めてそのまま定着したものです。
ーーー 「K」は何を意味するのですか?
SHURE シュアのコンデンサーマイクのラインナップに「KSM」というシリーズがあります。「KSM」と「KSE」で関連性を感じさせることで印象付けてみました。
ーーー なるほど!言われてみれば納得です!
ということでシュアから登場した驚愕のコンデンサーイヤホンシステム「KSE1500」について、その企画・開発を担当した主要スタッフの皆様へのインタビューを実施、その内容を記させていただいた。
この記事ではあえて実際に聴いた音の印象等には触れず、シュアの考え方や意図、それを実現した技術的な手法の部分に焦点を絞っている。いわば製品のバックグラウンドだ。音については筆者も別途ファーストインプレッション記事も聞いているが、可能であれば、明日から開催の「ヘッドフォン祭り」や以降の機会など、ぜひとも実際に聴いて判断してみてほしい。その音を体験してこそ、ここで彼らが語ってくれた内容、その意味がより深く届くことだろう。