<山本敦のAV進化論 第86回>
Xperiaに新シリーズ「X」登場。企画者・開発者に聞く「Xperia 第3章」のすべて
背面にはアルミ素材を使い、サイドはアンテナ強度を確保するために樹脂素材を採用。さらに今回のXシリーズでは、フロントフェイスの色をバックパネル、サイドフレームに共通化したユニファイドデザインとしている。デザインへのこだわりについては石井氏がこうコメントしている。
「ソニーはカッティングエッジを追求してきたが、Xシリーズではどちらかと言えばライフスタイルに沿った商品を目指しました。例えばUIについても、ウォールペーパーをこれまでのデジタルっぽいイメージから、オーストラリア在住のペイントアーティストとコラボレーションして、ブラシのストロークによるヒューマンタッチな躍動感があふれる画像を新しく採用しています。ウォールペーパーは何種類かの画像を仕込んでいますが、個々のモデルカラーに合わせたウォールペーパーが自動的に立ち上がるようになっています」(石井氏)
Xシリーズのヒーローカラーである新色“ライムゴールド”も、あまりこれまでのスマホには無い色だ。鮮やかだけど主張しすぎない上品な色合いは、女性はもちろん、大人の男性が持っていても違和感なくマッチすると思う。そのユニークな色が決定されるまでに、スウェーデンのルンドにあるソニーモバイルのデザインセンターでは今の流行色を繰り返し調査してきたという。
最上モデルのX Performanceはブラックとホワイトのモデルが背面パネルをヘアライン処理にしている。その理由はやはり男性やビジネスマンのユーザーの嗜好に沿ってメカニカルなテイストを持たせるためだと石井氏は説明している。
アルミと樹脂、異種素材を丁寧に調色しながら一つのユニファイド・デザインを持った製品として完成させるというアプローチは、ソニーの商品ではほかにもポータブルオーディオの「h.ear」シリーズがこれに先駆けて取り組んできた。
石井氏に訊ねたところ、確かにそのステップを積んできて今回のXperia Xシリーズに至っているそうだ。そのノウハウが今回はより洗練されたかたちでXperiaにも活かされている。
■カメラ機能にもインテリジェンスを追求。「Predictive Hibrid Auto Focus」を搭載
最上位モデル「X Performance」にはクアルコム「Snapdragon 820」のチップセットが採用され、LTE最新の高速通信規格である「カテゴリー9」への対応など、その名の通り「パフォーマンス」を高めてシリーズ内の他機種と差別化を図っている。
バッテリーの容量はX Performanceが2,700mAh。なお、Xperia Xのバッテリーは2,620mAhと微妙な差だが、その理由はそれぞれのモデルに入れられる最大サイズのバッテリーパックを追求したからだという。