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徹底的にこだわった「ちゃんとしたハイレゾ」

「けいおん!」ハイレゾ制作者に聞く舞台裏。原曲・キャラのイメージ保ちハイレゾ化

公開日 2016/04/28 11:00 構成 編集部:風間雄介
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いま改めて語られる「けいおん!」楽曲制作の舞台裏

小森劇中に使われるものでは、かなり楽器もそのまま限定して忠実に作っていますね。たとえばキーボードだと、コルグのトライトン以外は使っていないとか。キャラソンなどは別として、劇中で使われるものについてはきっちりと同じものを使ってやりましたね。極力同じものを使おうとしていました。

小森茂夫氏

磯山実際にあのとき、トライトンのエクストリームって廃番になっていたよね。

小森それを探し出してきて。

井野律のドラムの黄色いのも探しましたよね。

磯山そうそう、実際に一回それで録った。

小森あの黄色いの、ヤマハので実際にあるんだよね。それを組んで録ったね。

ーーそこまでこだわろうというのは、最初からそういうコンセプトだったのでしょうか?

小森最初からそうです。まず楽器を買いに行きましたからね。

磯山同時に声優さんたちに練習してもらったので。もう設定通りの、同じものを、神保町まで行って買ってきて。

ーー映像中の撮影シーンがすごくリアルなんですが、収録しているところを撮影したりとかは…?

磯山撮影は全曲しました。アニメに出てくるものに関しては、3台のカメラを使いました。引き画と寄り画と、あと自由に動くカメラを使って。僕は映像のディレクターでもあるので、自分でカメラを回しました。

井野しかも各パートそれぞれで、それをやるんです。

ーーそれは大変ですね…。

磯山各楽器それぞれプレイバックして、演奏してもらって。たいてい、深夜の1時か2時にそれをやってもらうんですね。ミュージシャンさんたちはみんなヘロヘロになってて。

小森そうそう。1時か2時にすべて演奏がオーケーになったら、そのテイクをプレイバックしながらもう一回演奏してもらって、それを撮影するんです。

磯山で、それをDVDに焼いて、京都アニメーションさんに送ります。すると京都アニメーションさんがそれを見て、きちんと作画してくれるんです。運指も含めて。

ーーじゃあ映像と音がぴったり合ってるのは当たり前なんですね(笑)

磯山そういうことです。

ーー今回は「ハイレゾ」がテーマですが、なぜこのタイミングだったのか、もともとハイレゾに対してどうお考えだったのかということについて教えて頂けますか?

深井:最初にこのハイレゾのお話しを頂いたとき、いわゆる「なんちゃってハイレゾ」ってあるじゃないですか、それが頭をよぎって。「けいおん!」はこだわって作ったので、ちゃんとしたハイレゾにしたいという話をしました。やるんだったら磯山さんを呼んでくれ、と。それもあって、かなりちゃんとしたものになっているはずです。

磯山実は僕、拠点は北海道なんですね。東京にはこれをやるために来ているという感じです。

磯山敦氏

ーーところで「ちゃんとしたハイレゾ化」をするために、マルチからアップコンバートしたことは大きかったのでしょうか?

磯山それはエンジニアの井野さんが、「やるならそこからやると必ず変わるから」と言ってくれたので。

次ページはじめは懐疑的だった「けいおん!」楽曲のハイレゾ化

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