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徹底的にこだわった「ちゃんとしたハイレゾ」

「けいおん!」ハイレゾ制作者に聞く舞台裏。原曲・キャラのイメージ保ちハイレゾ化

公開日 2016/04/28 11:00 構成 編集部:風間雄介
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アニメファンだけでなく一般層まで巻き込み、一大ブームとなった「けいおん!」。第1期のテレビ放送から7年が経ったが、その人気は衰えていない。当時、主題歌や劇中歌が各種チャート上位に入り、日本ゴールドディスク大賞特別賞を受賞するなど、その音楽も高く評価されている。

そして約3万人を動員した、さいたまスーパーアリーナでのライブイベント「Come with Me !!」からも、すでに5年が経過した。ライブから5周年を記念し「けいおん!」シリーズ楽曲のハイレゾ化が企画中と発表されたのが今年2月。本日、その詳細がついに明らかにされた。

ポニーキャニオンが配信する楽曲はライブ「Come with Me !!」のセットリストを再現した全26曲。スタジオ音源を使用している。ただし校歌だけはライブ音源を使っている。また楽曲「Come with Me !!」は新たに8人バージョンに再ミックス。これは未発表音源となる。

配信スタートは6月上旬を予定し、ポニーキャニオン通販サイト「きゃにめ.jp」にて先行配信する。単品価格は500円前後、アルバム価格は4,500円前後を予定する。フォーマットはWAV/FLACから選択でき、どちらも96kHz/24bit。なお、この音源にボーナストラック「私の恋はホッチキス」を加えたWAV音源全27曲が、500台限定で販売される「AK100II けいおん!エディション」にプリインストールされる。

今回、このハイレゾ音源制作を全面監修した「けいおん!」関連音楽プロデューサーの小森茂生氏と磯山敦氏、そしてエンジニアの井野氏にインタビュー。当時の楽曲制作の裏話や今回のハイレゾ化の経緯などについて、たっぷりと話を聞くことができた。

左から深井康介氏、磯山敦氏、小森茂生氏、井野健太郎氏

なお、今回のインタビューはASCII.jp、AV Watch、そしてPhile-webの3社合同で行われた。質問のうちいくつかには、発言者を特定できるようサイト名と名前を入れさせて頂いた。

ーーまずは「けいおん!」との関わり、どのあたりを担当されていたのかを教えていただけますか?

深井:僕は作家マネージメントと音楽制作を担当しました。小森と井野はうち(F.M.F)の所属なんですけど、磯山さんと出会って「けいおん!」の話を頂いて、楽曲制作とスケジュール管理を担当しました。あとは磯山さんが「こういうのを作りたい」というのを話し合って揉んで、それを作家に振って、実際の制作に入ってという、ざっくりとはそんな感じで関わりました。

磯山僕はポニーキャニオンにいるときの仕事としてやっていたんですけど、アニメ「けいおん!」の、音楽の統括プロデューサーとして、総合的に見る立場にいました。

小森僕は楽曲の作曲やアレンジもやりつつ、全体のサウンドプロデュースもやりました。

磯山あとはプレーヤーとしても…(笑)

小森あ、そうですね(笑)。レコーディングのときはプレーヤーとしても参加しました。そうそう、ライブでもプレーヤーとしてやりましたね。いろいろやりました。

磯山ライブは僕が総合演出をして、小森さんにサウンドメイキングをしてもらいました。

井野僕はレコーディングエンジニアとして参加させてもらいました。

磯山一番寝てない人です(笑)。途中で具合が悪くなるくらい。

小森なにしろ全曲だもんね(笑)

ーーけいおん!は「音楽」ととても関わりの深いアニメとしてスタートしたと思います。たとえばキャラクターたちが実在する楽器を使って、それをアニメでもそのまま使って、というようなことがありましたよね。楽曲制作においても、そういった「けいおん!」ならではの特別なことはありましたでしょうか?

磯山1曲だけ作中のものと同じ楽器を使ってやりましたが、基本的には、同じ楽器を使うことはしていません。ただ、音は忠実に再現できるように、ドラムで言うと律と同じ数しかタムを揃えない、あとハムバッカーのギターはハムバッカーのギターを使うとか、そういう出音に関わることは忠実にやりましたよね。

次ページいま改めて語られる「けいおん!」楽曲制作の舞台裏

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