<山本敦のAV進化論 第104回>
VRに映像配信国内最大手のdTVが進出。関係者が語る詳細と将来展望
今年は年初からVR(仮想現実)やAR(拡張現実)に関連の話題が世の中を賑わせている。オーディオビジュアルに関連するところでは、夏に発売された「HTC Vive」に続き、予約販売の始まった「Playstation VR」の出荷が今秋に控えている。
これに伴ってゲーム系のVRコンテンツが着々と増えているが、先日国内最大規模の映像配信プラットフォームである「dTV」が、実写によるVRコンテンツの配信を始めた。スマホで360度映像のミュージックビデオなどが楽しめる「dTV VR」とはどんなアプリなのか。関係者に新たな試みの内容をインタビューした。
■360度映像を手軽に体験できるアプリ「dTV VR」
dTVはNTTドコモとエイベックス通信放送(以下:エイベックス)による定額制映像配信サービスだ。スマホやタブレットだけでなくPCやスマートテレビにも対応すること、月額500円(税抜)という手頃な価格で利用できることから、今春には約500万人の会員数を獲得した。国内モデルのスマートテレビの多くにdTVがプリインされている。また、6月にはアップルの最新世代の「Apple TV」にもネイティブアプリとして採用され、リビングなどでdTVのコンテンツが視聴できる機会が広がっている。
360度映像が体験できるアプリ「dTV VR」は、7月29日に公開された。詳細は既報の通りだが、視聴に必要なものはアプリをインストールしたiPhoneやAndroidスマホと、ハコスコなどVRヘッドセット。毎週1〜2作品のオリジナルVRコンテンツが追加され、dTV会員以外も無料で見られる。
筆者もdTV VRアプリの配信が始まってすぐに、手元にあったハコスコで作品を視聴してみた。TRFのDJとしても知られる、DJ KOOの出演するミュージックビデオではダンサーが間近に迫り、アイドルと一緒にプリクラを撮影している雰囲気が味わえたり、CGのVRゲームとはまたひと味違った実写ならではの臨場感が楽しい。
8月中旬には人気アーティスト、AAAやDa-iCEのVRミュージックビデオも加わった。好きなアーティストが出演している作品であれば、きっと気持ちももっと引きこまれるに違いない。
専用のヘッドセットではないので、映像の品質はスマホのディスプレイなど性能に依存してしまうが、まずは手軽に、安価にVRの映像を体験してみる機会としては最適だと思う。コンテンツはいったんアプリ内(スマホ)にダウンロードしてから視聴するスタイルなので、パケットデータ通信量は気にせず視聴できる。再生期限は2日間。
今回dTV VRアプリを開発したエイベックスが、これからのVRの可能性をどう見ているのか、dTVのビジネスを統括する同社取締役の村本理恵子氏にビジョンをうかがった。
■音楽ライブを中心に良質なVR映像コンテンツを揃えた
村本氏によれば、dTVがVRコンテンツ制作をはじめたのは2014年。ホラータッチの“リアル脱出ゲームドラマ”「サイコルームからの挑戦状」を制作し、今年の3月に提供を開始。360度映像のコンテンツ配信に実績をつくった。
これに伴ってゲーム系のVRコンテンツが着々と増えているが、先日国内最大規模の映像配信プラットフォームである「dTV」が、実写によるVRコンテンツの配信を始めた。スマホで360度映像のミュージックビデオなどが楽しめる「dTV VR」とはどんなアプリなのか。関係者に新たな試みの内容をインタビューした。
■360度映像を手軽に体験できるアプリ「dTV VR」
dTVはNTTドコモとエイベックス通信放送(以下:エイベックス)による定額制映像配信サービスだ。スマホやタブレットだけでなくPCやスマートテレビにも対応すること、月額500円(税抜)という手頃な価格で利用できることから、今春には約500万人の会員数を獲得した。国内モデルのスマートテレビの多くにdTVがプリインされている。また、6月にはアップルの最新世代の「Apple TV」にもネイティブアプリとして採用され、リビングなどでdTVのコンテンツが視聴できる機会が広がっている。
360度映像が体験できるアプリ「dTV VR」は、7月29日に公開された。詳細は既報の通りだが、視聴に必要なものはアプリをインストールしたiPhoneやAndroidスマホと、ハコスコなどVRヘッドセット。毎週1〜2作品のオリジナルVRコンテンツが追加され、dTV会員以外も無料で見られる。
筆者もdTV VRアプリの配信が始まってすぐに、手元にあったハコスコで作品を視聴してみた。TRFのDJとしても知られる、DJ KOOの出演するミュージックビデオではダンサーが間近に迫り、アイドルと一緒にプリクラを撮影している雰囲気が味わえたり、CGのVRゲームとはまたひと味違った実写ならではの臨場感が楽しい。
8月中旬には人気アーティスト、AAAやDa-iCEのVRミュージックビデオも加わった。好きなアーティストが出演している作品であれば、きっと気持ちももっと引きこまれるに違いない。
専用のヘッドセットではないので、映像の品質はスマホのディスプレイなど性能に依存してしまうが、まずは手軽に、安価にVRの映像を体験してみる機会としては最適だと思う。コンテンツはいったんアプリ内(スマホ)にダウンロードしてから視聴するスタイルなので、パケットデータ通信量は気にせず視聴できる。再生期限は2日間。
今回dTV VRアプリを開発したエイベックスが、これからのVRの可能性をどう見ているのか、dTVのビジネスを統括する同社取締役の村本理恵子氏にビジョンをうかがった。
■音楽ライブを中心に良質なVR映像コンテンツを揃えた
村本氏によれば、dTVがVRコンテンツ制作をはじめたのは2014年。ホラータッチの“リアル脱出ゲームドラマ”「サイコルームからの挑戦状」を制作し、今年の3月に提供を開始。360度映像のコンテンツ配信に実績をつくった。