国産初のOpenHome対応アプリ
最強の国産アプリ登場!? fidataが開発中のネットワークオーディオ用操作アプリに迫る
■今までの操作アプリを超える驚くべき可能性
ここまで通常のネットワーク操作アプリとしての側面を解説をしてきたが、fidataアプリには、ネットワークオーディオの未来を占う新しい取り組みも盛り込まれている。それは独自の楽曲データベースとの連携による、アーティスト情報やディスコグラフィー、プレイリストなどの提供だ。
たとえば、サーバー内の楽曲について、アーティスト情報やディスコグラフィー、関連ニュースなどをデータベースから紐付けて日本語表示することができる。いずれも独自データベースによる情報なのだが、これらは同社のスマホ用CDレコーダー「CDレコ」のために『CDジャーナル』誌と協業して構築されたものだ。
ほかにも、ナビゲーションツリーに追加されている「スマートプレイリスト」をクリックすると、CDレコのユーザーから集計した再生楽曲ランキングが表示される。しかも、NAS内に同じ楽曲があれば、表示されたリンクから再生も可能だ。
こうした機能については、一部のファンの間で話題になっている新世代の統合的再生ソリューション「Roon」を連想する方もいるだろう。Roonは確かに優れているが、膨大なデータベースは全て英語で、これが理由に導入を見送っている方も少なくないだろう。しかしfidataアプリの場合は、様々な情報を全て日本語で表示することができる。
北村氏は「CDジャーナル誌との協業で構築したデータベースなので、日本語のアルバムや日本人アーティスト情報を非常に多く持っており、邦楽に強いことが大きな特徴と言えます」と語る。これは日本のユーザーにとって非常にうれしいポイントだ。
データベースと連携できるということは、オーディオサーバー内のタグが足りていない楽曲ファイルにタグを付加したり、レコメンド機能を実装したりするということも可能なのだろうか。
「実装するかは決まっていませんが、将来的にはアプリ上に歌詞を表示させたり、アイウエオの読み仮名で検索をかけたりするなど、今までの操作アプリでは不可能だった機能を実装することも検討しています。現段階においては検討している機能のまだ25%〜30%くらいしか実装できていないので、残り70%の発展性が残されているということになります」(北村氏)。
開口氏はこのような機能追加について「最終的には、ユーザーの負担を軽減して音楽を聴くことを楽しんでもらえるように、さらに探求していきたいと考えています」と語っていた。
■ユーザーが気になりそうな質問をしてみた
さて、気になるのはfidataアプリがいつ登場するのかということだ。北村氏によれば「できれば年内にリリースしたいと考えています」とのこと。「ただ、あくまでも予定ということになりますし、リリース時点で最初から全ての機能を実装するのではなく、アップデートで少しずつ強化していく形になるでしょう」。
開口誌は「fidataシリーズもプロトタイプを2015年の「音展」で発表してから1年以上経過して発売しましたので、このアプリも同じように、徹底的に完成度を上げてからリリースしたいと思っています」と意気込みを語る。
もうひとつ気になる点は、これはfidata専用アプリとなるのかということだ。筆者は「僕はこのアプリを他メーカーに提供すれば、ネットワークオーディオ全体の底上げになると確信しています」と話を向けてみた。
「どのような形でリリースするのかは、現時点では何も決まっていません。ですが、アイ・オー・データは周辺機器の総合メーカーですので、ご希望があれば他社との連携は大いにありだと思っています」(開口氏)。
◇
これまでに数々の操作アプリをテストしてきた筆者からしても、「fidataアプリ」はすぐにでも自宅環境のメインアプリとして使いたいほどであった。開発試作とはいえ、その仕上がりは“最強の国産アプリ”という言葉がふさわしいと感じる。
このアプリが正式発表されたら、HFAS1シリーズの魅力はさらに大きなものになるだろう。シリーズのローンチから2年が経過し、開発チームは様々なノウハウやユーザーの嗜好を学び吸収して、“ネットワークオーディオ”はこうあるべきとの強いビジョンを持つに至っている。
ネットワークオーディオの歴史の新たなる1ページを開くかもしれない「fidataアプリ」。その登場を期待したい。
(土方久明)
ここまで通常のネットワーク操作アプリとしての側面を解説をしてきたが、fidataアプリには、ネットワークオーディオの未来を占う新しい取り組みも盛り込まれている。それは独自の楽曲データベースとの連携による、アーティスト情報やディスコグラフィー、プレイリストなどの提供だ。
たとえば、サーバー内の楽曲について、アーティスト情報やディスコグラフィー、関連ニュースなどをデータベースから紐付けて日本語表示することができる。いずれも独自データベースによる情報なのだが、これらは同社のスマホ用CDレコーダー「CDレコ」のために『CDジャーナル』誌と協業して構築されたものだ。
ほかにも、ナビゲーションツリーに追加されている「スマートプレイリスト」をクリックすると、CDレコのユーザーから集計した再生楽曲ランキングが表示される。しかも、NAS内に同じ楽曲があれば、表示されたリンクから再生も可能だ。
こうした機能については、一部のファンの間で話題になっている新世代の統合的再生ソリューション「Roon」を連想する方もいるだろう。Roonは確かに優れているが、膨大なデータベースは全て英語で、これが理由に導入を見送っている方も少なくないだろう。しかしfidataアプリの場合は、様々な情報を全て日本語で表示することができる。
北村氏は「CDジャーナル誌との協業で構築したデータベースなので、日本語のアルバムや日本人アーティスト情報を非常に多く持っており、邦楽に強いことが大きな特徴と言えます」と語る。これは日本のユーザーにとって非常にうれしいポイントだ。
データベースと連携できるということは、オーディオサーバー内のタグが足りていない楽曲ファイルにタグを付加したり、レコメンド機能を実装したりするということも可能なのだろうか。
「実装するかは決まっていませんが、将来的にはアプリ上に歌詞を表示させたり、アイウエオの読み仮名で検索をかけたりするなど、今までの操作アプリでは不可能だった機能を実装することも検討しています。現段階においては検討している機能のまだ25%〜30%くらいしか実装できていないので、残り70%の発展性が残されているということになります」(北村氏)。
開口氏はこのような機能追加について「最終的には、ユーザーの負担を軽減して音楽を聴くことを楽しんでもらえるように、さらに探求していきたいと考えています」と語っていた。
■ユーザーが気になりそうな質問をしてみた
さて、気になるのはfidataアプリがいつ登場するのかということだ。北村氏によれば「できれば年内にリリースしたいと考えています」とのこと。「ただ、あくまでも予定ということになりますし、リリース時点で最初から全ての機能を実装するのではなく、アップデートで少しずつ強化していく形になるでしょう」。
開口誌は「fidataシリーズもプロトタイプを2015年の「音展」で発表してから1年以上経過して発売しましたので、このアプリも同じように、徹底的に完成度を上げてからリリースしたいと思っています」と意気込みを語る。
もうひとつ気になる点は、これはfidata専用アプリとなるのかということだ。筆者は「僕はこのアプリを他メーカーに提供すれば、ネットワークオーディオ全体の底上げになると確信しています」と話を向けてみた。
「どのような形でリリースするのかは、現時点では何も決まっていません。ですが、アイ・オー・データは周辺機器の総合メーカーですので、ご希望があれば他社との連携は大いにありだと思っています」(開口氏)。
これまでに数々の操作アプリをテストしてきた筆者からしても、「fidataアプリ」はすぐにでも自宅環境のメインアプリとして使いたいほどであった。開発試作とはいえ、その仕上がりは“最強の国産アプリ”という言葉がふさわしいと感じる。
このアプリが正式発表されたら、HFAS1シリーズの魅力はさらに大きなものになるだろう。シリーズのローンチから2年が経過し、開発チームは様々なノウハウやユーザーの嗜好を学び吸収して、“ネットワークオーディオ”はこうあるべきとの強いビジョンを持つに至っている。
ネットワークオーディオの歴史の新たなる1ページを開くかもしれない「fidataアプリ」。その登場を期待したい。
(土方久明)