哲学者と宗教学者の対談が炸裂!
黒崎政男×島田裕巳のオーディオ哲学宗教談義 Season 2「存在とはメンテナンスである」<第2回>
オーケストラの音をURIKAとURIKA IIで聴き比べ
黒崎 これからかけるのは、ペーター・マーク指揮のメンデルスゾーンの交響曲3番「スコットランド」。名演です。昔聴いていたクレンペラーの「スコットランド」も良いのですが、これは飛び抜けて良い演奏です。オリジナル盤はデッカから出ているんですが、輸出盤はロンドンからです。今回持って来たのは、輸入盤のファーストプレスになります。まずはURIKAで聴いて、それからURIKA IIで聴きましょう。
〜URIKAでペーター・マーク(指揮)、メンデルスゾーン:「スコットランド」を聴く〜
システム: LINN KLIMAX EXAKT350
黒崎 すごい楽しくなりますよね、彼の演奏って。ウキウキするというか。正直これで十分というか、このクオリティになると、どちらがいいとか明確にいえるのかわからないですけど。
〜URIKA IIで同じ盤を聴く〜
黒崎 どうでしょうか。URIKA IIでは透明感も増すのに、さらに生き生き感が増す。すごいです。
男性A 賛成。デジタルという先入観があったんですけど、いざ聴いてみるとURIKA IIの方がコンサートホールで聴いているようなリアリティを感じました。
島田 同じ曲と思えないところがあります。URIKAの方だと受け身で聴いている感じがする。URIKA IIだと聴く方が音楽に参加しているというか、乗らされるような感じがある。
黒崎 それでは、もう一曲、別のレコード盤をかけてみましょう。ハイドンの交響曲第88番。オイゲン・ヨッフムがベルリン・フィルを振ったものになります。62年の8月に出ています。独グラモフォンの最初期版を表す「赤ステレオ」盤も入手しました。最初期盤。弦がすっと消えた時のホールに吸い込まれていく感じを聴いていただきたい。
〜URIKAでヨッフム(指揮)、ハイドン:交響曲第88番を聴く〜
〜URIKA IIで同じ盤を試聴〜
黒崎 弦の音がホールに減衰していく感じが、IIの方がものすごくいいんですよ。すーっと。ホールで聴いているような音がすると思います。
島田 URIKAの方では感じられなかったタメがあります。URIKA IIでは演奏者の音を出す前の一呼吸が感じられる。だから違う演奏に聴こえます。
男性B IIの方が録音現場を再現できている。多分ベルリン・イエス・キリスト教会の感じが出ている。微妙なタイムアラインメントのズレが、ちゃんとそのままに聴こえる。
黒崎 なるほど、そうかもしれないですね。いずれにせよずいぶんと、ハイレベルな次元での比較ですね。