【PR】アントニオ・メゼ氏にインタビュー
Meze Audioが新スタンダードイヤホン「RAI SOLO」に込めた想いとは? その真価を聞く
欧州でいま最も勢いに乗るプレミアムオーディオブランドのひとつ「Meze Audio」から、スタンダードクラスに位置づけられるイヤホン「RAI SOLO」が発売された。来日したブランドのファウンダーであり、すべての製品を企画・設計するアントニオ・メゼ氏にRAI SOLOの魅力を聞いた。
■機能美溢れるステンレスハウジング
ルーマニア生まれのブランドMeze Audioから、新しいダイナミック型イヤホン「RAI SOLO」が誕生した。2019年春にフラグシップとなる、5つのドライバーを搭載したハイブリッド型イヤホン「RAI PENTA」を発売している。立て続けに登場したRAIシリーズだが、後発となるRAI SOLOのプロジェクトは、実は同時期にスタートしていたものだという。
「新しいイヤホンのプロダクトデザインのスケッチを始めたのは今から約3年前のこと。実は先にリリースした上位機RAI PENTAよりも、このRAI SOLOの開発のほうが、早い時期から開発に取り掛かっていました。その背景にはシェルの量産体制を整えるために、非常に長い時間を費やす必要があったのです」と、メゼ氏は振り返る。
RAI PENTAのシェルはCNC切削加工により成形されている。対するRAI SOLOのシェルは剛性に優れるステンレス素材をベースに、メタルインジェクションモールディング(MIM)の加工技術により作られている。その手法をメゼ氏は次のように解説してくれた。
「金属とプラスチックの粉を混ぜた素材を1,200度を超える高温の炉で焼結して形を固めます。その後にプラスチックの分子が蒸発するとシェルのサイズが15%ほどシュリンクします。最後に研磨をかけて形を整えて艶を出します。このすべての工程を管理して、安定した量産体制を整えるために少し時間がかかりました」
メゼ氏の話から、RAI SOLOは上位機RAI PENTAに匹敵する高い精度を確保しながら、製造コストを抑えるためシェルにMIMの加工技術を採用したということがわかった。しかし量産とはいいながら、シェルの外装には上質なヘアライン処理を施して高級感を持たせており、妥協は一切ない。さらに左右筐体のペアマッチも丁寧に合わせながらサウンドに一貫性を持たせているというから驚きだ。
■歪みの少ない正確なストロークを実現する「UPMドライバー」
そして音質面で大きなトピックとして、RAI SOLOが搭載する9.2mm口径のダイナミック型ドライバーには「Unified Pistonic Motion(UPM)」と呼ばれる技術が搭載されている。メゼ氏によると、これまでにオーディオ用スピーカーには用いられることもあった技術だが、イヤホンに採用された例は他にあまり聞いたことがないという。
イヤホンのドライバーの音を決める要素はいくつかある。ただ、どの道筋を辿れば完璧というレシピは存在しないのだとメゼ氏は強く語る。
「既に成熟を極めたと思われているダイナミック型ドライバーの技術にもまだ伸びしろがあると信じています。今回RAI SOLOにUPMテクノロジーを採用して、良い結果を得ることができました」
通常の振動板は背面にボイスコイルの引き出し線を接着しているため、均一なピストンモーションが得にくい。一方でUPMテクノロジーを搭載するRAI SOLOのダイナミック型ドライバーは振動板の表面に導電性の高い銀合金を塗布して、代わりにボイスコイルの引き出し線を廃している。
これによりすべての音域における歪みの改善、クリアなサウンドが期待できるとメゼ氏が語っている。情報量に豊かさが増すことにより、音数の多いモダンミュージックの再現性を高めることも狙いの内にあったそうだ。
振動板がダイナミックに動かせるようになったことで、音楽の分離感が向上し、奥行き方向の見晴らしが期待以上に良くなり、音楽リスニングのエモーションを生み出すハーモニクスやディテール成分の充実度を高めることにも、UPMテクノロジーが大きく貢献しているという。
「音楽を楽しむうえで重要な成分は主に中高域に含まれており、あまり低域を持ち上げすぎるとそのエッセンスが聞こえづらくなってきます。RAI SOLOでは中高域の“うまみ”を存分に届けたいと考えて、ディテールを積極的に引き出すチューニングとしました。低域はあまり膨らみすぎないように追い込んでいます」と、メゼ氏は音質面の狙いについて解説してくれた。
■フィット感のよい形状、ケーブル着脱可能でカスタマイズもできる
また、メゼ氏が会心の出来映えと自負するシェルのフィット感は確かに素晴らしい。耳に収まりがよく、しっかりと安定する。パッケージに同梱されるイヤーチップの種類も充実している。通常のソフトシリコンタイプから、ダブルフランジ、細軸型ダブルフランジの3種類から最もフィットする形状とサイズを選べる楽しさが魅力だ。
着脱可能なケーブルはイヤホン側がMMCX端子の3.5mmステレオミニ仕様、1.3mの銀メッキ銅線ケーブルが付属する。ワイヤレスイヤホンが全盛のいま、有線ケーブル仕様のイヤホンにこだわる理由について、メゼ氏は次のように述べている。
「私はRAI SOLOは音楽リスニング専用のイヤホンであると考えています。だからケーブルには通話用マイクも搭載していません。有線接続は音楽信号のシグナルロスがないため、無線接続よりも音質の面で格段に有利です。元もとはオーディオファイルではない方にRAI SOLOを使っていただいて、やがてプレーヤーもスマホからオーディオプレーヤーに持ち替えて、よりディープな音楽リスニングの世界にのめり込んでほしいと思っています」
こうして「若い音楽ファンのための教本となるイヤホン」と位置づけられた、ダイナミック型イヤホンRAI SOLO。果たして、その真価はどうだろうか?
■機能美溢れるステンレスハウジング
ルーマニア生まれのブランドMeze Audioから、新しいダイナミック型イヤホン「RAI SOLO」が誕生した。2019年春にフラグシップとなる、5つのドライバーを搭載したハイブリッド型イヤホン「RAI PENTA」を発売している。立て続けに登場したRAIシリーズだが、後発となるRAI SOLOのプロジェクトは、実は同時期にスタートしていたものだという。
「新しいイヤホンのプロダクトデザインのスケッチを始めたのは今から約3年前のこと。実は先にリリースした上位機RAI PENTAよりも、このRAI SOLOの開発のほうが、早い時期から開発に取り掛かっていました。その背景にはシェルの量産体制を整えるために、非常に長い時間を費やす必要があったのです」と、メゼ氏は振り返る。
RAI PENTAのシェルはCNC切削加工により成形されている。対するRAI SOLOのシェルは剛性に優れるステンレス素材をベースに、メタルインジェクションモールディング(MIM)の加工技術により作られている。その手法をメゼ氏は次のように解説してくれた。
「金属とプラスチックの粉を混ぜた素材を1,200度を超える高温の炉で焼結して形を固めます。その後にプラスチックの分子が蒸発するとシェルのサイズが15%ほどシュリンクします。最後に研磨をかけて形を整えて艶を出します。このすべての工程を管理して、安定した量産体制を整えるために少し時間がかかりました」
メゼ氏の話から、RAI SOLOは上位機RAI PENTAに匹敵する高い精度を確保しながら、製造コストを抑えるためシェルにMIMの加工技術を採用したということがわかった。しかし量産とはいいながら、シェルの外装には上質なヘアライン処理を施して高級感を持たせており、妥協は一切ない。さらに左右筐体のペアマッチも丁寧に合わせながらサウンドに一貫性を持たせているというから驚きだ。
■歪みの少ない正確なストロークを実現する「UPMドライバー」
そして音質面で大きなトピックとして、RAI SOLOが搭載する9.2mm口径のダイナミック型ドライバーには「Unified Pistonic Motion(UPM)」と呼ばれる技術が搭載されている。メゼ氏によると、これまでにオーディオ用スピーカーには用いられることもあった技術だが、イヤホンに採用された例は他にあまり聞いたことがないという。
イヤホンのドライバーの音を決める要素はいくつかある。ただ、どの道筋を辿れば完璧というレシピは存在しないのだとメゼ氏は強く語る。
「既に成熟を極めたと思われているダイナミック型ドライバーの技術にもまだ伸びしろがあると信じています。今回RAI SOLOにUPMテクノロジーを採用して、良い結果を得ることができました」
通常の振動板は背面にボイスコイルの引き出し線を接着しているため、均一なピストンモーションが得にくい。一方でUPMテクノロジーを搭載するRAI SOLOのダイナミック型ドライバーは振動板の表面に導電性の高い銀合金を塗布して、代わりにボイスコイルの引き出し線を廃している。
これによりすべての音域における歪みの改善、クリアなサウンドが期待できるとメゼ氏が語っている。情報量に豊かさが増すことにより、音数の多いモダンミュージックの再現性を高めることも狙いの内にあったそうだ。
振動板がダイナミックに動かせるようになったことで、音楽の分離感が向上し、奥行き方向の見晴らしが期待以上に良くなり、音楽リスニングのエモーションを生み出すハーモニクスやディテール成分の充実度を高めることにも、UPMテクノロジーが大きく貢献しているという。
「音楽を楽しむうえで重要な成分は主に中高域に含まれており、あまり低域を持ち上げすぎるとそのエッセンスが聞こえづらくなってきます。RAI SOLOでは中高域の“うまみ”を存分に届けたいと考えて、ディテールを積極的に引き出すチューニングとしました。低域はあまり膨らみすぎないように追い込んでいます」と、メゼ氏は音質面の狙いについて解説してくれた。
■フィット感のよい形状、ケーブル着脱可能でカスタマイズもできる
また、メゼ氏が会心の出来映えと自負するシェルのフィット感は確かに素晴らしい。耳に収まりがよく、しっかりと安定する。パッケージに同梱されるイヤーチップの種類も充実している。通常のソフトシリコンタイプから、ダブルフランジ、細軸型ダブルフランジの3種類から最もフィットする形状とサイズを選べる楽しさが魅力だ。
着脱可能なケーブルはイヤホン側がMMCX端子の3.5mmステレオミニ仕様、1.3mの銀メッキ銅線ケーブルが付属する。ワイヤレスイヤホンが全盛のいま、有線ケーブル仕様のイヤホンにこだわる理由について、メゼ氏は次のように述べている。
「私はRAI SOLOは音楽リスニング専用のイヤホンであると考えています。だからケーブルには通話用マイクも搭載していません。有線接続は音楽信号のシグナルロスがないため、無線接続よりも音質の面で格段に有利です。元もとはオーディオファイルではない方にRAI SOLOを使っていただいて、やがてプレーヤーもスマホからオーディオプレーヤーに持ち替えて、よりディープな音楽リスニングの世界にのめり込んでほしいと思っています」
こうして「若い音楽ファンのための教本となるイヤホン」と位置づけられた、ダイナミック型イヤホンRAI SOLO。果たして、その真価はどうだろうか?