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<開発者&評論家対談>話題騒然の注目機! ソニー「SA-Z1」「DMP-Z1」の音質・思想・技術を徹底解明!
加来氏 基本的にはSignature Seriesどうしの接続がベストだと思っていますが、もちろんほかの機器との接続においても充分な設計を行っています。
昨今、ハイレゾストリーミング配信も徐々に浸透してきていますので、PCを接続することもあるでしょう。768kHz/32bit PCMやDSD 22.4MHzファイルの再生でもPC接続を利用することになります。そうした際の音作りについても、かなり頑張って開発したつもりです。組み合わせる機器で音は違ってきますので、ご自身でお好みのものを選んでいただければと思いますね。
編集部 一方、ウォークマンの開発者でもある佐藤さんにもうかがってみたいのですが、SA-Z1にウォークマンをつないだときとDMP-Z1をつないだときの違いはどのような感じでしょうか。
佐藤氏 SA-Z1とウォークマン各モデルを接続して試してみたりもしたですが、やはりDMP-Z1のほうが音はよかったですね。なお、基本的に、DMP-Z1を外部機器と接続する際にはUSBでのデジタル接続を推奨しています。SA-Z1との接続もUSBを利用することになります。
SA-Z1とのデジタル接続では、DMP-Z1でこだわったアナログ部を一切使わないわけですが、シャーシと電源、そしてデジタル系がしっかりしているおかげで音が良くなっているのかなと思います。DMP-Z1のアナログ部を使わないという贅沢な使い方ですが、これもある意味でオーディオの楽しみ方のひとつとして、個人的には気に入っていますね。
編集部 ありがとうございます。さて、SA-Z1はその他にも多様な端子を用意していますので「XLRやRCAのアナログ入力での音質が気になっていますがどうですか」といった質問もあります。いわゆるピュアオーディオ的な機器との接続になるかと思いますが、加来さん、いかがでしょうか?
加来氏 デスクトップを想定した機器なのにXLRやRCA端子が設けてあること自体に期待感をもっていただければと思います。そうした機器との接続を強く意識してこれらの端子を用意していますので、アナログ入力のADコンバーターの質も非常にこだわっていますし、アナログ入力も充分にお楽しみいただけるのではないでしょうか。いろいろな入力をお試しいただければと思います。
■SA-Z1 低域再生での工夫とその音質
編集部 ありがとうございます。SA-Z1の低域の再生能力についても多くの質問が集まっています。加来さん、低域再生のために取り入れた工夫などはありますか?
加来氏 SA-Z1は机に置いて使うことを想定していますので、そうなるとおそらく机の前には壁もあることでしょう。そうした環境を想定した上で低域再生についての取り組みも行っています。
そのひとつが、アシストウーファーからの低域を側面のスリットから左右に放出する構造です。開発段階ではウーファーを筐体の後部に直接取り付けるような構造も検討したこともあったのですが、その構造にすると、スピーカーを置く位置と壁との距離の変化によって低域も大きく影響を受けてしまうためとりやめました。そこで、SA-Z1のスピーカー筐体自体でいったん壁を持って低域を放出することで、低域が一定になるようにしています。
また、SA-Z1は密閉型を採用しています。一般的にスピーカーはバスレフ型が多いと思いますが、ニアフィールドリスニングを考えるとポートノイズに対する拒絶が結構あったんです。実はポートが付いている時期もあったのですが、ポートをとって対向配置のダブルウーファーにし音道で低域を増強するという形に落ち着きました。これが低域に対する取り組みでの大きな特徴ですね。
編集部 岩井さん、SA-Z1の低域再生能力はどう感じていますか?