【PR】最新デジタル技術が実現する“ピュアオーディオの魂”
テクニクス新世代アンプ「SU-R1000」は“デジタル/アナログ論争“を超える存在。開発者が語る高音質技術の裏側
■デジタル技術で切り拓く、アナログ再生の新境地
テクニクス(Technics)の歴史は、その名の通り「Technic」、すなわち技術的アプローチによる改善が肝と言える。古くは周波数特性の改善など、科学的な解明と改善への好奇心がDNAとして刻み込まれているわけだ。
今回、アナログ再生に投入されたアイデアも、高度なデジタル技術抜きでは考えられないものばかりだ。「Accurate EQ Curve」は、アナログ回路で音声信号を増幅したあとデジタルフィルターで周波数特性を理想特性に補正し、高精度なEQ処理を実現するというもの。アナログ方式に比べると部品のバラつきに起因する誤差が生じない精度の高さに加え、RIAAをはじめ、7種と豊富なカーブが扱えることも特長だろう。
そして、目玉機能の「Crosstalk Canceller」である。レコードは1本の針でLとRの信号をピックアップする構造上、クロストークが生じることは避けられない。これをアナログの趣として良しとするのが従来の「常識」だったが、テクニクスはここに着目したのだ。
要素技術開発を担当する奥田 忠義氏によると、これはパナソニックが車載などBtoB向けに研究開発してきた音声分離技術に着想を得たものだという。
例えば、車内での通話の際には、周囲の騒音や対話者の音声など様々な音があり、そこから通話に必要な音声のみを分離する技術が重要になってくる。それをレコードのクロストークの分離に応用したというわけで、様々な分野で技術開発をするパナソニックならではと言えるエピソードだ。
技術の肝は、4096タップでそれぞれ32bitという膨大なフィルタのパラメータを生成する作法にある。エラーといえるクロストークを最小化するには、正攻法では膨大な時間を要するが、機械学習によってフィルタのパラメータを生成することで、高効率な処理を実現。処理能力が限られる民生用オーディオ機器でも、短時間で効果的なクロストーク低減を実現しているのがポイントだ。
とはいえ奥田氏によると、単にBtoB向けの技術を転用するだけでは上手く行かず、レコード用途に研究開発を行ったとのこと。例えば原理上、低域になるほどモノラルに近づくなどといったレコード特有の特性への対応に加え、聴感テストを繰り返し、音楽表現を重視するオーディオとしての最適化を施したという。
実際の効果は“発明”と呼べるほど劇的で、ハイファイとしても好ましく、完成度の高さに舌を巻く。机上の論理検討だけで済ませないのはもちろん、オーディオに通じるエンジニアのセンスが活かされている点で、テクニクスならではと思える仕上がりなのだ。
また、使いこなしについてもヒントをもらった。学習パラメーターは3台まで本機内に記憶しておけるものの、クロストークはカートリッジのアジマスが大きく左右するため、交換したら再度キャリブレーションするのがおすすめとのことだ。
キャリブレーションに際してはテスト音を収録した付属レコードの精度が重要だが、こちらは東洋化成で製造され、配送時の温度・湿度も配慮されているなど、こだわりが詰まっていることも分かった。こうしたこだわりこそが、“ピュアオーディオの魂”と言えるのではないだろうか。
デジタルアンプは効率重視で採用が始まり、音質は二の次だった期間が長かった。これが、今の「デジタル食わず嫌い」を生み出した根源なのだろう。
しかし、技術が進んだ現代において「デジタルかアナログか」という議論はもう古いと言える。さらにデジタル技術は、アナログ技術の組み合わせでは非常に困難、あるいは思いもつかないような離れ業も可能にする。これからのピュアオーディオは、頭を柔らかくし、デジタル食わず嫌いを克服することから始めてはどうだろうか。
インタビューを通じ、今後も、デジタル技術やAI技術がオーディオ体験を飛躍的に向上する可能性を感じた。その始まりは、一般ユーザーもSU-R1000に触れると理解できるだろう。今後の展開もますます楽しみになってきた。
(協力:パナソニック)