【特別企画】山之内正・土方久明 両氏が対談&レビュー
ハイレゾストリーミング時代の有力な選択肢。マランツ「PM7000N」の魅力を評論家が徹底討論!
山之内 もちろん、予算を増やしていけばよりクオリティの高いアンプに手が届きます。でも、例えばしっかりした小型ブックシェルフを買って、そのスピーカーの良さを十分に引き出してあげたいと思ったときに、このアンプを選んでおけば、その後何年も満足して音楽を聴き続けることができるだろうなと感じます。そういう、ある意味スタンダードに位置づけられる仕上がりになっています。
また、別の角度から「PM7000N」の魅力を挙げることもできます。HEOSアプリなら、ネットワーク再生をするときに、あれこれ考えなくていいんです。アプリをスマートフォンやタブレットに入れて、Amazon Music HDと連携させれば曲を選ぶだけ。HEOSアプリのなかで完結するので、別途Amazon Music HD側で設定変更などをする必要がないんです。
土方 そうですよね。HEOSアプリについては、特にメニュー画面のユーザーインターフェースがとてもいいと感じます。
山之内 不満がないわけでもないですけどね。一番はAmazon Music HDで作成したプレイリストを、HEOSアプリから読めない点でしょうか。個人的には有料の追加オプションでもいいので、なんとか対応して欲しいですね。
土方 たしかにそこは僕も改善してくれると非常にうれしいです。Amazonとの交渉などもあると思うのですぐにどうこうという話にはならないでしょうが、ソフトウェアの話ですから、ハードウェアを変えることに比べればなんとかなるんじゃないかと、勝手に期待しています(笑)。
山之内 ハイレゾにはなりませんが、AirPlay2にも対応していますよね。AirPlayは使い勝手の面で相当練られていますから、(ハイレゾではない)Apple Musicの音源を主に聴いているという方も、「PM7000N」をふだん使いして不満なく楽しめるのではないかという印象です。
土方 ちなみに、海外ではHEOSアプリはTIDALにも対応してますよね。もしTIDALが日本でも始まれば、ファームウェアアップデートで比較的簡単にTIDAL対応になるんじゃないかとも期待しています。
■「10万円ちょっとのアンプとしてはびっくりするレベルの音」
編集部 デジタル配信になって、音楽の聴き方が大きく変わりましたよね。
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