PR注目の音質、「サウンドフィールド」モードもレポート
“ヤマハらしさ” の全てが結実、ハイエンドヘッドホンアンプ「HA-L7A」のこだわりを開発者に聞く
ヤマハが11月30日に発売した「HA-L7A」は、同社がはじめて手掛ける税込44万円のハイエンドヘッドホンアンプ。長年手掛けてきたコンポーネント(据え置き)オーディオの技術やノウハウを活用し、さらにAVレシーバーを中心に30年以上手掛けてきたDSP技術も投入。映画館や野外ライブなど、6種類の音場をリアルに再現する「サウンドフィールド」モードにより、映像コンテンツもヘッドホンで臨場感たっぷりに楽しめるという充実した仕様だ。
このハイエンドヘッドホンアンプのこだわりぶりを深掘りするため、評論家の土方久明氏が企画・開発担当の佐藤亮太氏、およびマーケティング担当の大澤一瑛氏にオンラインインタビューを実施。興味深い開発エピソードや、今後試聴するユーザーへのメッセージを聞いていく。さらに、HA-L7Aを2種類のヘッドホンとさまざまなコンテンツで試聴し、魅力をたっぷりとレポートする。
土方氏:早速ですが、そもそもどのようなきっかけで「HA-L7A」の開発がはじまったのでしょうか。背景やコンセプトについてまずお聞かせください。
佐藤氏:「HA-L7A」企画の背景として、動画配信や音楽ストリーミングサービスなど、高画質/高音質なコンテンツがますます簡単に手に入るようになってきたこと、そういったあらゆるコンテンツの“音の出口”として、ヘッドホン/イヤホンにこだわる方が非常に増えていることがありました。そのようなこだわりのあるユーザーの方々に、音楽に限らずあらゆるコンテンツに深く、長く没入していただくということが、HA-L7Aのコンセプトのひとつです。
また、「ヤマハらしさを感じてもらえる」「ヤマハでなければ追求できない楽しさ、面白さを届ける」ということも大事なコンセプトです。これまでヤマハがHi-FiオーディオやAVレシーバーの開発で蓄積してきた、音質や筐体設計、「シネマDSP」に代表される音場創生技術といった独自のノウハウを、ヘッドホン/イヤホンのリスニングに最適化し、ヤマハ初のコンシューマー向けヘッドホンアンプに落とし込む。私をはじめ開発メンバー皆がこのコンセプトを共有できたことで、良い開発のスタートが切れたと思います。
実はHA-L7Aの構想自体は、ずいぶん以前から存在していまして、およそ6、7年前の国内オーディオイベントで「聴くVR」という名前で技術展示の場を持たせていただいたことがあります。そこから具体的に製品化するまで長い期間かかってしまいましたが、製品としてどこを突き詰めていきたいのか、しっかりと開発チームで議論と試作を重ねた結果、HA-L7Aというかたちに仕上がりました。
土方氏:その“ヤマハらしさ”のひとつが、今回搭載された「サウンドフィールド」モードかと思います。AVレシーバーで長年培われた音場創生技術「シネマDSP」に基づく、ヤマハならではの機能ですが、初めてのコンシューマー向けヘッドホンアンプ、それも44万円のハイエンドモデルに搭載することになったのは何故でしょうか?
佐藤氏:やはり、近年のコンテンツの広まり方、楽しみ方を検討した結果だと思います。製品企画にあたり、まず自分自身が生活の中でいつヘッドホンを使っているのか、どんなコンテンツを楽しんでいるか思い返してみたのですが、音楽は当然のことながら、ドラマやアニメ、映画だったり、コロナ禍で増えたスポーツのリアルタイム配信だったり、映像ありきで音もしっかり楽しみたいコンテンツで意外と長時間使っているなと気づきました。
同時に、ヘッドホンリスニングではどうしても耳の近くで音が鳴ってしまいますので、1本あたり長いコンテンツを楽しもうとすると聴き疲れを覚えてしまう瞬間がありました。
そこで、ヤマハがこれまでAVレシーバーなどで培ってきた信号処理技術を活用すれば、コンテンツをより長く、深く没入できる状況を作り出せるのではないか、と思いつきました。試作してみたところ、これが「面白い」の一言では収まりきらない、使い込みたくなるほどの効果があったんです。
あくまで1つの機能ながら、製品の存在意義にまで昇華できるかもしれない。それくらいのポテンシャルを感じたことで、改めてヘッドホン用音場創生技術「サウンドフィールド」モードを搭載しようと決定しました。
このハイエンドヘッドホンアンプのこだわりぶりを深掘りするため、評論家の土方久明氏が企画・開発担当の佐藤亮太氏、およびマーケティング担当の大澤一瑛氏にオンラインインタビューを実施。興味深い開発エピソードや、今後試聴するユーザーへのメッセージを聞いていく。さらに、HA-L7Aを2種類のヘッドホンとさまざまなコンテンツで試聴し、魅力をたっぷりとレポートする。
■あらゆるコンテンツをヘッドホンで聴かせる“ヤマハらしい”アンプ
土方氏:早速ですが、そもそもどのようなきっかけで「HA-L7A」の開発がはじまったのでしょうか。背景やコンセプトについてまずお聞かせください。
佐藤氏:「HA-L7A」企画の背景として、動画配信や音楽ストリーミングサービスなど、高画質/高音質なコンテンツがますます簡単に手に入るようになってきたこと、そういったあらゆるコンテンツの“音の出口”として、ヘッドホン/イヤホンにこだわる方が非常に増えていることがありました。そのようなこだわりのあるユーザーの方々に、音楽に限らずあらゆるコンテンツに深く、長く没入していただくということが、HA-L7Aのコンセプトのひとつです。
また、「ヤマハらしさを感じてもらえる」「ヤマハでなければ追求できない楽しさ、面白さを届ける」ということも大事なコンセプトです。これまでヤマハがHi-FiオーディオやAVレシーバーの開発で蓄積してきた、音質や筐体設計、「シネマDSP」に代表される音場創生技術といった独自のノウハウを、ヘッドホン/イヤホンのリスニングに最適化し、ヤマハ初のコンシューマー向けヘッドホンアンプに落とし込む。私をはじめ開発メンバー皆がこのコンセプトを共有できたことで、良い開発のスタートが切れたと思います。
実はHA-L7Aの構想自体は、ずいぶん以前から存在していまして、およそ6、7年前の国内オーディオイベントで「聴くVR」という名前で技術展示の場を持たせていただいたことがあります。そこから具体的に製品化するまで長い期間かかってしまいましたが、製品としてどこを突き詰めていきたいのか、しっかりと開発チームで議論と試作を重ねた結果、HA-L7Aというかたちに仕上がりました。
■「サウンドフィールド」モードは製品の存在意義になりうる本気の機能
土方氏:その“ヤマハらしさ”のひとつが、今回搭載された「サウンドフィールド」モードかと思います。AVレシーバーで長年培われた音場創生技術「シネマDSP」に基づく、ヤマハならではの機能ですが、初めてのコンシューマー向けヘッドホンアンプ、それも44万円のハイエンドモデルに搭載することになったのは何故でしょうか?
佐藤氏:やはり、近年のコンテンツの広まり方、楽しみ方を検討した結果だと思います。製品企画にあたり、まず自分自身が生活の中でいつヘッドホンを使っているのか、どんなコンテンツを楽しんでいるか思い返してみたのですが、音楽は当然のことながら、ドラマやアニメ、映画だったり、コロナ禍で増えたスポーツのリアルタイム配信だったり、映像ありきで音もしっかり楽しみたいコンテンツで意外と長時間使っているなと気づきました。
同時に、ヘッドホンリスニングではどうしても耳の近くで音が鳴ってしまいますので、1本あたり長いコンテンツを楽しもうとすると聴き疲れを覚えてしまう瞬間がありました。
そこで、ヤマハがこれまでAVレシーバーなどで培ってきた信号処理技術を活用すれば、コンテンツをより長く、深く没入できる状況を作り出せるのではないか、と思いつきました。試作してみたところ、これが「面白い」の一言では収まりきらない、使い込みたくなるほどの効果があったんです。
あくまで1つの機能ながら、製品の存在意義にまで昇華できるかもしれない。それくらいのポテンシャルを感じたことで、改めてヘッドホン用音場創生技術「サウンドフィールド」モードを搭載しようと決定しました。
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