開発陣などが特徴を紹介
JVC、「EX-HR9」など新“ウッドコーンオーディオ”の高音質化ポイントを解説
トゥイーターのエッジ材にはシルク繊維、ボイスコイルワイヤーには純度99.9999%の6NOFCワイヤーを採用。また、ウッドドーム内の吸音材には、バイオリンなどにも使用され中高域をキレイに響かせるというスプルース材を採用して、高域の音場表現や伸びを犠牲にすることなく吸音を図っている。
本機もユニット磁気回路後部に八角形チェリー材ウッドブロックを採用。取り付け位置を1mm単位で調整している。また、ユニットトッププレートの外周に銅箔を施して不要な電流をショートすることで、より歪巻のない中域再生を図っていたり、EX-HR9同様にエンクロージャー内部の構造見直しも行っている。
レシーバー部もEX-HR9同様に底部へMDFボードのアークベースを採用。また、アルミパネルの底部の固定ネジ部分に組み合わせていたワッシャを変更し、本機のみ底部左側を銅ワッシャ、右側を真鍮ニッケルワッシャにした。これにより、音の立ち上がりや輪郭を最適化したという。
■最エントリー機「EX-HR5」にも多数の高音質化ポイント
「EX-HR5」のスピーカーでも、上位2モデルのように八角形でこそないものの磁気回路後部にウッドブロックを装着。これにより、不要振動の吸収と重量付加効果による定重心な低音再生を狙っている。
上位2モデルとの共通項としては、スピーカーターミナル部にダブルナット構造を採用。ダクト出口にフェルトを追加してノイズ低減を図っている点も共通だ。なお、中高域の抜け、低音の解像度向上を狙い、内部配線OFCワイヤーの被覆硬度まで指定して採用するといったこだわりも投入している。
スピーカーキャビネットには、チェリーとアルダーの無垢材を採用。天面、地板、前面バッフルにはチェリー無垢材を、両側板にはアルダー無垢材を使用している。さらに、ハイレゾ再生に対応した音場空間実現を狙い、チェリー材による響棒構造を採用して再チューニングによる最適化を行っている。
レシーバー底部のアークベースは不採用だが、プラスチック樹脂と真鍮によるハイブリッドインシューレーターを採用。3点支持でがたつきを抑え、さらに銅メッキネジによって固定することで、定重心で輪郭が都となった低音再生を実現させるとした。なお、インシュレーター底面の滑り止め勢の材質や形状にもこだわっているという。
本機のレシーバー部も振動対策に配慮しており、トップカバー両サイド固定には、銅ワッシャを組み合わせた異種金属ワッシャを採用。振動吸収部材を部品レベルで厳選するなどもしている。
なお、異種金属の組み合わせは、リアパネルにも3モデルすべてで採用。光入力端子の固定部には銅メッキネジとアルミワッシャ、スピーカー端子固定部にはアルミワッシャと銅ワッシャの2枚を組み合わせることでそれぞれ振動対策を行っている。
■ウッドコーンオーディオは「楽曲のイメージを変えずに表現できている」
「EX-HR9」と「EX-HR7」の2モデルは、ビクタースタジオのエンジニアとともにサウンドチューニングを実施。ビクタースタジオでは、すべての部屋にウッドコーンオーディオが設置されており、民生機でも変わらない音をスタジオで作れているかの確認などに使用しているという。
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