MM/MC対応のCR型フォノイコライザーを搭載
デノン、新フラグシッププリメインアンプ「PMA-SX1」
ディーアンドエムホールディングスは、DENONブランドのフラグシップとなるプリメインアンプ「PMA-SX1」を10月中旬より発売する。価格は580,000円(税抜)。
本機は昨年発売のフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(関連ニュース)と対になるプリメインアンプ。全段バランスアンプ構成、UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路の採用、MM/MC対応のCR型フォノイコライザーの搭載など、デノンのHi-Fi技術を結集した最上位モデルとなる。出力は50W+50W(8Ω)。入力端子はバランス1系統、アンバランス4系統、フォノ2系統(MC/MM)を搭載する。
本製品の発表会には、PMA-SX1の音作りに携わったDENONサウンドマネージャーの米田晋氏、そしてPMA-SX1の主任技師である新井孝氏が登場。PMA-SX1の詳細や開発秘話を紹介してくれた。以下、発表会の模様と併せて、詳細を紹介していく。
■デノンのフラグシップの系譜「Sシリーズ」の最新モデル
PMA-SX1は、従来のデノンの旗艦プリメインアンプ「PMA-SX」(関連ニュース)の登場から6年を経て登場する。米田氏は発表会冒頭で、PMA-SX1を語るためにはデノンのフラグシップの系譜である「Sシリーズ」の歴史を振り返る必要があるとして、最初のモデルとなった1993年登場の「S1シリーズ」はHi-Fiの歴史における革命的な製品だったと紹介。今回のPMA-SX1に至るSシリーズの基幹となる技術が、このS1シリーズのプリメインアンプ「PMA-S1」、プリアンプ「PRM-S1」、パワーアンプ「POA-S1」で開発されたのだという。
■全段バランス構成、BTL接続を採用したアンプ部
新フラグシップとなるPMA-SX1は、デノンのこれまでのSシリーズと同様に全段バランス構成を採用、BTL接続により出力を得ている。この方式ではスピーカーのプラス、マイナス両端子をパワーアンプの出力段に直接つないで駆動するため、増幅の基準となるグラウンド電位が安定し、ノイズや回路間の干渉が低減され、正確な増幅が行える。
新井氏はこの全段バランス構成の利点について、“長縄跳び”に例えてわかりやすく説明してくれた。「シングルエンド構成は、グランドに対してアンプの片側の端子をドライブします。例えれば、地面に打ち込んだ杭に片側を結んだ縄で、“長縄跳び”をしているようなものです。強固な地面に杭がしっかりと打ち込まれているなら縄も自由に回せますが、アンプの場合、実際にそれほどの好条件をそろえるのがとても難しいのです。対してバランス出力は、縄の両側をそれぞれ別の人が持って、縄を回していると例えられます」(新井氏)。
またシングルエンド構成では、スピーカー端子に入った電流が、反対の端子から出てアンプに再び帰ってきてグランドに流れ込む。一方で、バランス構成は端子の両側がドライブ段になるので、増幅の基準となるグランドに電流が流れない。よってグランドが揺らがないので、正確な増幅ができる。アンプはグランドに入った電圧を増幅するので、グランドに揺らぎができると基準となる電圧も揺らぎ、音楽信号の再現性が低下してしまうのだという。
バランス構成の利点はさらにある。バランス構成では前述のようにスピーカー端子の両側をドライブするため、一方の端子側の電圧が半分になる。従って、シングルエンド構成の半分の電圧でドライブすることができ、アンプの内部電圧を低く抑えることができる。よってアンプに低電圧用の優れたデバイスを使用することが可能となり、部品選択の幅も広がるので、音質向上に繋がるとのこと。
本機は昨年発売のフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(関連ニュース)と対になるプリメインアンプ。全段バランスアンプ構成、UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路の採用、MM/MC対応のCR型フォノイコライザーの搭載など、デノンのHi-Fi技術を結集した最上位モデルとなる。出力は50W+50W(8Ω)。入力端子はバランス1系統、アンバランス4系統、フォノ2系統(MC/MM)を搭載する。
本製品の発表会には、PMA-SX1の音作りに携わったDENONサウンドマネージャーの米田晋氏、そしてPMA-SX1の主任技師である新井孝氏が登場。PMA-SX1の詳細や開発秘話を紹介してくれた。以下、発表会の模様と併せて、詳細を紹介していく。
■デノンのフラグシップの系譜「Sシリーズ」の最新モデル
PMA-SX1は、従来のデノンの旗艦プリメインアンプ「PMA-SX」(関連ニュース)の登場から6年を経て登場する。米田氏は発表会冒頭で、PMA-SX1を語るためにはデノンのフラグシップの系譜である「Sシリーズ」の歴史を振り返る必要があるとして、最初のモデルとなった1993年登場の「S1シリーズ」はHi-Fiの歴史における革命的な製品だったと紹介。今回のPMA-SX1に至るSシリーズの基幹となる技術が、このS1シリーズのプリメインアンプ「PMA-S1」、プリアンプ「PRM-S1」、パワーアンプ「POA-S1」で開発されたのだという。
■全段バランス構成、BTL接続を採用したアンプ部
新フラグシップとなるPMA-SX1は、デノンのこれまでのSシリーズと同様に全段バランス構成を採用、BTL接続により出力を得ている。この方式ではスピーカーのプラス、マイナス両端子をパワーアンプの出力段に直接つないで駆動するため、増幅の基準となるグラウンド電位が安定し、ノイズや回路間の干渉が低減され、正確な増幅が行える。
新井氏はこの全段バランス構成の利点について、“長縄跳び”に例えてわかりやすく説明してくれた。「シングルエンド構成は、グランドに対してアンプの片側の端子をドライブします。例えれば、地面に打ち込んだ杭に片側を結んだ縄で、“長縄跳び”をしているようなものです。強固な地面に杭がしっかりと打ち込まれているなら縄も自由に回せますが、アンプの場合、実際にそれほどの好条件をそろえるのがとても難しいのです。対してバランス出力は、縄の両側をそれぞれ別の人が持って、縄を回していると例えられます」(新井氏)。
またシングルエンド構成では、スピーカー端子に入った電流が、反対の端子から出てアンプに再び帰ってきてグランドに流れ込む。一方で、バランス構成は端子の両側がドライブ段になるので、増幅の基準となるグランドに電流が流れない。よってグランドが揺らがないので、正確な増幅ができる。アンプはグランドに入った電圧を増幅するので、グランドに揺らぎができると基準となる電圧も揺らぎ、音楽信号の再現性が低下してしまうのだという。
バランス構成の利点はさらにある。バランス構成では前述のようにスピーカー端子の両側をドライブするため、一方の端子側の電圧が半分になる。従って、シングルエンド構成の半分の電圧でドライブすることができ、アンプの内部電圧を低く抑えることができる。よってアンプに低電圧用の優れたデバイスを使用することが可能となり、部品選択の幅も広がるので、音質向上に繋がるとのこと。
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