MM/MC対応のCR型フォノイコライザーを搭載
デノン、新フラグシッププリメインアンプ「PMA-SX1」
■最終出力段はUHC-MOSを用いたシングルプッシュプル構成
PMA-SX1の出力最終段は、UHC-MOS(Ultra High Current MOS)FETを用いたシングルプッシュプル構成によるバランス出力を採用している。1ペアの素子で増幅を行うシングルプッシュプル構成をとるのには理由がある。多数の素子を並列駆動して大電流を流す手法では、素子の性能のばらつきが問題となるのだ。またUHC-MOSは微細領域から大電流領域までリニアリティが優れているという特徴を持っているので、1ペアの素子で増幅をまかなうことが可能となる。この手法は、デノンが「POA-S1」の開発以来、Sシリーズで一貫して採用してきたものだ。
PMA-SX1に新たに採用されたUHC-MOSは、PMA-SXに搭載されたものに比べて、定格電流が30Aから60Aへ、瞬時電流は120Aから240Wへと倍増。従来以上に余裕を持った再生が可能となった。さらにUHC-MOSの特徴を十分に引き出すために、カスコードブーストラップ接続を採用。UHC-MOSのドレイン、ソース間電圧を一定に保つことで、電圧に依存する増幅率(伝達アドミタンス特性)を安定化して、アンプ回路全体の動作を安定させている。
米田氏は「デノンのSシリーズは“S1シリーズ”からスタートしましたが、その時点からアンプの心臓部となるのはUHC-MOSでした。PMA-SX1でもUHC-MOSをキーとして、さらにパワーを充実させると共に、空間再現の向上を狙いました。従来のPMA-SXより価格を下げながら、とにかくその性能を抜いてやろうと、開発陣は努力したのです」とコメントしていた。
なお、本機で採用されたUHC-MOSは、昨年発売されたPMA-2000RE(関連ニュース)に搭載されたUHC-MOSよりも電流容量が高いものだが、世代はひとつ前のもので(PMA-2000REのUHC-MOSは最新世代)、メーカーも異なる。全段バランスアンプ構成を採用することで電圧を低く抑えているPMA-SX1とのマッチングの良さも、このUHC-MOSを選択した理由だったという。また、米田氏は「必ずしも新しいものがいいとは限らないという面もあります。それだけで判断できない時代になってしまいました。現代のオーディオ製品においては部品の入手が大きな問題で、PMA-SX1のために最良の部品を選択、入手するのにも非常に大きな苦労がありました」とも語っていた。
■シンプルな回路構成を追求。バランスコントロールなども省略
PMA-SXの回路構成は、従来モデルを継承しながら、さらにシンプルにすることでピュアネスを追求している。結果、PMA-SXに搭載されていたバランスコントロール、RECアウトセレクター、フォノイコライザーのON/OFFスイッチ、バランス入力のON/OFFスイッチを省略。トーンコントロールやヘッドホン出力も非搭載とした。
内部配線は最短化され、線材にはOFC(無酸素銅)を使用。信号伝送時のロスを排除している。ボタンやツマミなどの操作部や筐体デザインについてもシンプルに徹し、PMA-SX1の開発コンセプトである「シンプルかつ高性能」をデザイン面でも徹底した。
PMA-SX1の出力最終段は、UHC-MOS(Ultra High Current MOS)FETを用いたシングルプッシュプル構成によるバランス出力を採用している。1ペアの素子で増幅を行うシングルプッシュプル構成をとるのには理由がある。多数の素子を並列駆動して大電流を流す手法では、素子の性能のばらつきが問題となるのだ。またUHC-MOSは微細領域から大電流領域までリニアリティが優れているという特徴を持っているので、1ペアの素子で増幅をまかなうことが可能となる。この手法は、デノンが「POA-S1」の開発以来、Sシリーズで一貫して採用してきたものだ。
PMA-SX1に新たに採用されたUHC-MOSは、PMA-SXに搭載されたものに比べて、定格電流が30Aから60Aへ、瞬時電流は120Aから240Wへと倍増。従来以上に余裕を持った再生が可能となった。さらにUHC-MOSの特徴を十分に引き出すために、カスコードブーストラップ接続を採用。UHC-MOSのドレイン、ソース間電圧を一定に保つことで、電圧に依存する増幅率(伝達アドミタンス特性)を安定化して、アンプ回路全体の動作を安定させている。
米田氏は「デノンのSシリーズは“S1シリーズ”からスタートしましたが、その時点からアンプの心臓部となるのはUHC-MOSでした。PMA-SX1でもUHC-MOSをキーとして、さらにパワーを充実させると共に、空間再現の向上を狙いました。従来のPMA-SXより価格を下げながら、とにかくその性能を抜いてやろうと、開発陣は努力したのです」とコメントしていた。
なお、本機で採用されたUHC-MOSは、昨年発売されたPMA-2000RE(関連ニュース)に搭載されたUHC-MOSよりも電流容量が高いものだが、世代はひとつ前のもので(PMA-2000REのUHC-MOSは最新世代)、メーカーも異なる。全段バランスアンプ構成を採用することで電圧を低く抑えているPMA-SX1とのマッチングの良さも、このUHC-MOSを選択した理由だったという。また、米田氏は「必ずしも新しいものがいいとは限らないという面もあります。それだけで判断できない時代になってしまいました。現代のオーディオ製品においては部品の入手が大きな問題で、PMA-SX1のために最良の部品を選択、入手するのにも非常に大きな苦労がありました」とも語っていた。
■シンプルな回路構成を追求。バランスコントロールなども省略
PMA-SXの回路構成は、従来モデルを継承しながら、さらにシンプルにすることでピュアネスを追求している。結果、PMA-SXに搭載されていたバランスコントロール、RECアウトセレクター、フォノイコライザーのON/OFFスイッチ、バランス入力のON/OFFスイッチを省略。トーンコントロールやヘッドホン出力も非搭載とした。
内部配線は最短化され、線材にはOFC(無酸素銅)を使用。信号伝送時のロスを排除している。ボタンやツマミなどの操作部や筐体デザインについてもシンプルに徹し、PMA-SX1の開発コンセプトである「シンプルかつ高性能」をデザイン面でも徹底した。
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