MM/MC対応のCR型フォノイコライザーを搭載
デノン、新フラグシッププリメインアンプ「PMA-SX1」
■デノンとしては24年ぶりとなるCR型フォノイコライザー搭載
従来モデルPMA-SXではフォノ入力はMMのみの対応だったが、PMA-SX1ではMC/MMの両入力に対応。MC/MMそれぞれに専用入力端子を備えたフォノイコライザーには、3個並列接続されたデュアルFET差動入力回路によるヘッドアンプを備えたCR型イコライザー回路を搭載した。これにより、従来のNF型の課題である低域と高域での音色の違いが出ないフラットな再生が可能になったという。また、CR素子には厳選された高音質部品を採用。イコライザー回路にはフォノ入力を選択したときのみ電源が入る仕様となっており、CDなどを再生する場合には、電源がオフに鳴り他の回路への影響を最小限に抑えるよう工夫を施している。
米田氏によると、このCR型フォノイコライザーは今回の大きなテーマのひとつだった。これまでのSシリーズではフォノ入力はMM入力に特化し、フォノイコライザーもより使い勝手の良いNF型を採用していた。今回のモデルでCR型を搭載するに至った理由を、新井氏は以下のように語っている。
「フォノイコライザーにはNF型とCF型があります。通常のNF型は、NFB(負帰還)ループの中にRIAA素子を入れて、低音は大きく、高音は小さくなるように周波数特性をイコライジングをして音を出す回路です。この方式の問題は、半導体アンプでは帰還をある程度かけて特性を出すので、低域では過剰に帰還し、高域では帰還量が足らないという状態になりやすいということです」(新井氏)。
一方でCR型は、NF型と比較して規模が大きくなり、S/Nを確保するのが難しいものの、エネルギーバランスが均一になり音質的なメリットが大きいという。
「CR型フォノイコライザーは、周波数特性を持った素子をどこに配置するかがポイントになります。例えば、入力端子にCR素子をぶら下げてその後段で増幅するというタイプや、入力と出力のそれぞれにCR素子を配置するタイプがあります。今回のPMA-SX1では、2つあるアンプの中間にCR素子を入れています。CR素子はインピーダンスが高いので、必ずその後はアンプで受ける必要があり、アンプが2つ必要になります」(新井氏)。
デノンの製品でCR型フォノイコライザーが採用されたのは、実に24年ぶりとのこと。かつてはプリアンプ「PRA-2000」に搭載されたCR型フォノイコライザーが一部の評論家から絶賛されたものの、「PRA-2000ZR」に搭載されたのを最後に、以降はNF型を採用してきた。
■CR型は聴感上のクリアネス、全帯域にわたるエネルギー感に優れている
新井氏は、CR型フォノイコライザー採用に至ったエピソードも語ってくれた。新井氏はアナログレコードを再生する際に、PRA-2000ZRのフォノイコライザーを未だに使っていた。理由はその音の良さだったのだが、今回のアンプ開発にあたってPRA-2000ZRのフォノイコの音の良さを分析するために、様々なフォノイコとの聴き比べを行った。結果、CR型という方式に、NF型にはない素直で自然なニュアンスがあることを改めて見出し、PMA-SX1に搭載すること提案したのだという。また、CR型ではアンプが2段になるためにS/Nの確保が難しくなるものの、高変調歪みなど、測定値に現れにくい聴感上のもやもや感がなくなること、各帯域にわたるエネルギー感も採用を決めた理由とのことだ。
また、CR型は回路の構成の関係で、NF型に比べて素子の特徴が良く現れるため、各パーツの選定にも配慮。コンデンサーについては、一般的には形状を小さくできるメダライズド・フィルムコンデンサーを使うところを、本機ではオーディオ用の大型ポリプロピレン・フィルムコンデンサーを採用。抵抗もオーディオグレードのものを用いてCR素子を組んだ。
従来モデルPMA-SXではフォノ入力はMMのみの対応だったが、PMA-SX1ではMC/MMの両入力に対応。MC/MMそれぞれに専用入力端子を備えたフォノイコライザーには、3個並列接続されたデュアルFET差動入力回路によるヘッドアンプを備えたCR型イコライザー回路を搭載した。これにより、従来のNF型の課題である低域と高域での音色の違いが出ないフラットな再生が可能になったという。また、CR素子には厳選された高音質部品を採用。イコライザー回路にはフォノ入力を選択したときのみ電源が入る仕様となっており、CDなどを再生する場合には、電源がオフに鳴り他の回路への影響を最小限に抑えるよう工夫を施している。
米田氏によると、このCR型フォノイコライザーは今回の大きなテーマのひとつだった。これまでのSシリーズではフォノ入力はMM入力に特化し、フォノイコライザーもより使い勝手の良いNF型を採用していた。今回のモデルでCR型を搭載するに至った理由を、新井氏は以下のように語っている。
「フォノイコライザーにはNF型とCF型があります。通常のNF型は、NFB(負帰還)ループの中にRIAA素子を入れて、低音は大きく、高音は小さくなるように周波数特性をイコライジングをして音を出す回路です。この方式の問題は、半導体アンプでは帰還をある程度かけて特性を出すので、低域では過剰に帰還し、高域では帰還量が足らないという状態になりやすいということです」(新井氏)。
一方でCR型は、NF型と比較して規模が大きくなり、S/Nを確保するのが難しいものの、エネルギーバランスが均一になり音質的なメリットが大きいという。
「CR型フォノイコライザーは、周波数特性を持った素子をどこに配置するかがポイントになります。例えば、入力端子にCR素子をぶら下げてその後段で増幅するというタイプや、入力と出力のそれぞれにCR素子を配置するタイプがあります。今回のPMA-SX1では、2つあるアンプの中間にCR素子を入れています。CR素子はインピーダンスが高いので、必ずその後はアンプで受ける必要があり、アンプが2つ必要になります」(新井氏)。
デノンの製品でCR型フォノイコライザーが採用されたのは、実に24年ぶりとのこと。かつてはプリアンプ「PRA-2000」に搭載されたCR型フォノイコライザーが一部の評論家から絶賛されたものの、「PRA-2000ZR」に搭載されたのを最後に、以降はNF型を採用してきた。
■CR型は聴感上のクリアネス、全帯域にわたるエネルギー感に優れている
新井氏は、CR型フォノイコライザー採用に至ったエピソードも語ってくれた。新井氏はアナログレコードを再生する際に、PRA-2000ZRのフォノイコライザーを未だに使っていた。理由はその音の良さだったのだが、今回のアンプ開発にあたってPRA-2000ZRのフォノイコの音の良さを分析するために、様々なフォノイコとの聴き比べを行った。結果、CR型という方式に、NF型にはない素直で自然なニュアンスがあることを改めて見出し、PMA-SX1に搭載すること提案したのだという。また、CR型ではアンプが2段になるためにS/Nの確保が難しくなるものの、高変調歪みなど、測定値に現れにくい聴感上のもやもや感がなくなること、各帯域にわたるエネルギー感も採用を決めた理由とのことだ。
また、CR型は回路の構成の関係で、NF型に比べて素子の特徴が良く現れるため、各パーツの選定にも配慮。コンデンサーについては、一般的には形状を小さくできるメダライズド・フィルムコンデンサーを使うところを、本機ではオーディオ用の大型ポリプロピレン・フィルムコンデンサーを採用。抵抗もオーディオグレードのものを用いてCR素子を組んだ。
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