HA-2はモバイルバッテリー機能を搭載
OPPO、薄型ボディのDAC内蔵ポタアン「HA-2」と密閉型・平面駆動ヘッドホン「PM-3」
OPPO Digital Japan株式会社は、本日13日に新製品発表会を開催。薄型デザインを採用したUSB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「HA-2」、および平面磁界駆動方式を採用した密閉型ヘッドホン「PM-3」を3月20日より発売する。
・USB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ
「HA-2」 ¥OPEN(市場想定価格39,000円前後)
・平面磁界駆動方式・密閉型ヘッドホン
「PM-3」 ¥OPEN(市場想定価格55,000円前後)
発表会にはOPPO Digital, INCのプロダクトマネージャーであるクリストファー・ヴィック氏も来場し、OPPOのブランド背景について解説。また、冒頭ではOPPO Digital Japan 代表取締役の河野賢三氏が挨拶し、「OPPOが切り開いてきた“高機能な複合機”というジャンルに昨年頃から日本メーカーも参入してきましたが、それは取りも直さず我々の方向性が間違っていなかったということであり、市場を創造したOPPOに今後も優位性があると自負しています」とコメントしていた。
■薄型デザインを採用したDAC内蔵ポタアン「HA-2」
HA-2はUSB-DACを内蔵したポータブルヘッドホンアンプ。薄型ボディを採用し、本体両面にはブックカバーのようにレザーを配置。モバイル機器への充電機能を備えたことも特徴だ。USB-micro B端子経由でパソコンおよびUSB-OTG機能付きスマートフォンと接続できることに加え、USB-A端子から同梱のLightningケーブルを使ってのiOSデバイス直接接続にも対応する。
PCMは最大384kHz/32bit、DSDは5.6/2.8MHz(DoP/ASIO)に加えて11.2MHz(ASIOのみ)の再生に対応する。また、同梱Lightningケーブルを使ったiOS端末との直接接続では、192kHz/24bitや5.6MHz DSDなどの再生も可能だという。
Android端末とのUSBデジタル接続については、前述の様に端末側がUSB-OTG機能を搭載することが前提。端末本体だけでデジタル接続が可能なモデルの例としては、Android5.0採用端末・SONY製の一部スマートフォン(Xperia Z3/Z3C、SO-01G/02G)・Samsung製スマートフォンの一部(Galaxy Note Edge等)などが挙げられていた。非対応製品についても、ONKYO製アプリ「HF Player」のUSB出力ドライバー機能を用いればデジタル接続が可能な場合がある。SONYのウォークマン「WM-ZX/F880/A10」シリーズについては、専用ケーブルと組み合わせることでデジタル接続ができる。
アナログ入力/出力は3.5mmステレオミニ端子を兼用。ヘッドホン出力は3.5mmステレオミニ端子を別途搭載する。ボリュームは本体のアナログボリュームで調整するが、同時にDACチップのデジタルボリュームも併用することもできる。推奨ヘッドホンインピーダンスは16Ω〜300Ω。
DACには、ESS Technology社のモバイル向けDACチップの最上位モデル「Sabre32 Reference ES9018K2M」を採用。クリストファー・ヴィック氏によれば、ESSとOPPOの両社はオフィスが近いこともあり非常に密接な関係にあるとのこと。「DACチップについてなにか問題があれば、OPPOのエンジニアがすぐに直接ESSに赴き、膝をつき合わせて議論できるような体制になっています」と紹介していた。
ヘッドホンアンプには「OPA1602」および「OPA1662」を用いての差動増幅回路を備え、ノイズと歪みを除去している。また、テキサスインスツルメンツ製のヘッドホンアンプIC「TPA6120」とAB級電流増幅トランジスタを採用することで、よりパワフルな駆動力も実現した。
本体側面の「Gain」スイッチから、ヘッドホンアンプのゲインをHigh/Lowの2段階で切り替えが可能。また、完全アナログ処理・ディスクリート構成によるベースブースト機能も「Bass+」スイッチでオン/オフできる。電源には独自開発のデジタル・アナログ電源設計を用いて、デジタル/アナログ信号間でのセパレーションを高めている。
内蔵バッテリーは3000mAリチウムポリマー充電池を搭載。連続動作時間はUSB入力時で約7時間。アナログオーディオ入力時で約13時間となる。HA-2本体の充電については急速充電機能である「ラピッド・チャージ」が使用可能で、1時間30分でフル充電ができる(30分では約70%を充電可能)。モバイルバッテリーとして用いる際には、スマートフォンを約1.2回分フル充電することができる。
製品の解説を行った同社テクノロジー・エバンジェリストの松浦亮氏は、HA-2のデザインについて「これまでヘッドホンアンプというと、バルキーな、男の子っぽいデザインのものが多かったが、本機は薄さと軽さを追求すると共に、一段と洗練されたデザインを狙いました」とコメント。ちなみにボディの平面サイズは、ほぼiPhone 6と同じだという。
ケーブルについては、アナログ接続用のステレオミニ to ステレオミニケーブル、iOS端末用のLightningケーブル、Android端末向けのUSB micro B to micro Bケーブルが付属する。
周波数特性は20Hz〜200kHz。ヘッドホン最大出力レベルは300mW(16Ω)/220W(32Ω)/30mW(300Ω)。外形寸法は68W×157H×12Dmm、質量は175g。
■平面駆動磁界方式を採用した密閉型ヘッドホン「PM-3」
PM-3は、PM-1・PM-2に続くOPPOのヘッドホン第三弾で、同じく平面磁界駆動方式を採用。一方で密閉型を採用してポータブル用途を想定していることが大きな特徴で、同方式ながら質量は320gを実現している。
振動板はこれまでPM-1、PM-2が楕円形だったのに対し、軽量・小型化を重視したPM-3は真円型のφ55mm振動板を採用。振動板の7層構造、スパイラル形状の両面駆動コイル、有限要素法によって最適化されたネオジウム磁気回路などはPM-1・PM-2を踏襲し、磁界設計と振動板の許容差に余裕を持たせているという。平面磁界駆動方式ながら102dBという高能率を達成していることも特徴だ。
松浦氏は、OPPOが平面磁界駆動方式のドライバーを採用する理由として「フラットな聴感」「均質な位相特性」「高速応答性能」の3点を挙げた。また、インピーダンス特性に起因する歪みを低減できることが可能な点も強みだと述べていた。
イヤーパッドはアラウンドイヤータイプを採用。イヤーパッド、ヘッドバンドともに構造や素材を厳選することで、音響特性とフィット感を両立させている。ケーブルは着脱式で、3mおよび1.2mを同梱。ヘッドホン本体側の端子は3.5mmステレオミニ端子を採用。入力側の端子は3mケーブルがステレオ標準端子、1.2mケーブルが3.5mmステレオミニ端子を採用する。
定格インピーダンスは26Ω、感度は102dB/1mW。装着圧力は5N。周波数帯域は10Hz〜50kHz、連続最大許容入力は500mW、瞬間最大許容入力は2W。
■OPPOのモットーは高機能・高性能な製品を、価格を抑えて提供していくこと
クリストファー・ヴィック氏はOPPO Digitalのブランド背景についても解説。OPPOは2004年に設立された会社で、カリフォルニアのマウンテンビューにメイン・オフィスを構えている。前述のESSとの関係のように、シリコンバレーに拠点を持つ強みを活かすと共に、会社規模が大きいからこそ可能な厳密な品質管理やサプライヤーとの連携も行っているとのこと。
ディック氏は、OPPOがオーディオおよびホームシアター製品に力を入れるきっかけになったのは、2004年発売のDVDプレーヤーがファンから高い支持を得たことだと紹介。またヘッドホン開発の起点についても言及し、「BDP-105に内蔵されたヘッドホンアンプが好評だったため、さらなる機能向上を目指して様々なヘッドホンを組み合わせ検証を行っていたところ、我々自らがヘッドホンを手がけたらもっと良い製品ができるはずという思いに至りました」と説明していた。
OPPOの価格戦略にも触れ、「高機能・高性能でありながらコストを抑えることで、より多くの方々にOPPOの製品の魅力を味わっていただけることをモットーとしています。結果として多くの方々に製品を使っていただける状況ができれば、高品質な製品もよりコストを抑えて製造することができるのです」ともコメントした。なお、クリストファー・ディック氏には別途インタビューを行う機会を得たので、本日のコメントと併せてこちらも追って掲載する。
(編集部:小澤貴信)
・USB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ
「HA-2」 ¥OPEN(市場想定価格39,000円前後)
・平面磁界駆動方式・密閉型ヘッドホン
「PM-3」 ¥OPEN(市場想定価格55,000円前後)
発表会にはOPPO Digital, INCのプロダクトマネージャーであるクリストファー・ヴィック氏も来場し、OPPOのブランド背景について解説。また、冒頭ではOPPO Digital Japan 代表取締役の河野賢三氏が挨拶し、「OPPOが切り開いてきた“高機能な複合機”というジャンルに昨年頃から日本メーカーも参入してきましたが、それは取りも直さず我々の方向性が間違っていなかったということであり、市場を創造したOPPOに今後も優位性があると自負しています」とコメントしていた。
■薄型デザインを採用したDAC内蔵ポタアン「HA-2」
HA-2はUSB-DACを内蔵したポータブルヘッドホンアンプ。薄型ボディを採用し、本体両面にはブックカバーのようにレザーを配置。モバイル機器への充電機能を備えたことも特徴だ。USB-micro B端子経由でパソコンおよびUSB-OTG機能付きスマートフォンと接続できることに加え、USB-A端子から同梱のLightningケーブルを使ってのiOSデバイス直接接続にも対応する。
PCMは最大384kHz/32bit、DSDは5.6/2.8MHz(DoP/ASIO)に加えて11.2MHz(ASIOのみ)の再生に対応する。また、同梱Lightningケーブルを使ったiOS端末との直接接続では、192kHz/24bitや5.6MHz DSDなどの再生も可能だという。
Android端末とのUSBデジタル接続については、前述の様に端末側がUSB-OTG機能を搭載することが前提。端末本体だけでデジタル接続が可能なモデルの例としては、Android5.0採用端末・SONY製の一部スマートフォン(Xperia Z3/Z3C、SO-01G/02G)・Samsung製スマートフォンの一部(Galaxy Note Edge等)などが挙げられていた。非対応製品についても、ONKYO製アプリ「HF Player」のUSB出力ドライバー機能を用いればデジタル接続が可能な場合がある。SONYのウォークマン「WM-ZX/F880/A10」シリーズについては、専用ケーブルと組み合わせることでデジタル接続ができる。
アナログ入力/出力は3.5mmステレオミニ端子を兼用。ヘッドホン出力は3.5mmステレオミニ端子を別途搭載する。ボリュームは本体のアナログボリュームで調整するが、同時にDACチップのデジタルボリュームも併用することもできる。推奨ヘッドホンインピーダンスは16Ω〜300Ω。
DACには、ESS Technology社のモバイル向けDACチップの最上位モデル「Sabre32 Reference ES9018K2M」を採用。クリストファー・ヴィック氏によれば、ESSとOPPOの両社はオフィスが近いこともあり非常に密接な関係にあるとのこと。「DACチップについてなにか問題があれば、OPPOのエンジニアがすぐに直接ESSに赴き、膝をつき合わせて議論できるような体制になっています」と紹介していた。
ヘッドホンアンプには「OPA1602」および「OPA1662」を用いての差動増幅回路を備え、ノイズと歪みを除去している。また、テキサスインスツルメンツ製のヘッドホンアンプIC「TPA6120」とAB級電流増幅トランジスタを採用することで、よりパワフルな駆動力も実現した。
本体側面の「Gain」スイッチから、ヘッドホンアンプのゲインをHigh/Lowの2段階で切り替えが可能。また、完全アナログ処理・ディスクリート構成によるベースブースト機能も「Bass+」スイッチでオン/オフできる。電源には独自開発のデジタル・アナログ電源設計を用いて、デジタル/アナログ信号間でのセパレーションを高めている。
内蔵バッテリーは3000mAリチウムポリマー充電池を搭載。連続動作時間はUSB入力時で約7時間。アナログオーディオ入力時で約13時間となる。HA-2本体の充電については急速充電機能である「ラピッド・チャージ」が使用可能で、1時間30分でフル充電ができる(30分では約70%を充電可能)。モバイルバッテリーとして用いる際には、スマートフォンを約1.2回分フル充電することができる。
製品の解説を行った同社テクノロジー・エバンジェリストの松浦亮氏は、HA-2のデザインについて「これまでヘッドホンアンプというと、バルキーな、男の子っぽいデザインのものが多かったが、本機は薄さと軽さを追求すると共に、一段と洗練されたデザインを狙いました」とコメント。ちなみにボディの平面サイズは、ほぼiPhone 6と同じだという。
ケーブルについては、アナログ接続用のステレオミニ to ステレオミニケーブル、iOS端末用のLightningケーブル、Android端末向けのUSB micro B to micro Bケーブルが付属する。
周波数特性は20Hz〜200kHz。ヘッドホン最大出力レベルは300mW(16Ω)/220W(32Ω)/30mW(300Ω)。外形寸法は68W×157H×12Dmm、質量は175g。
■平面駆動磁界方式を採用した密閉型ヘッドホン「PM-3」
PM-3は、PM-1・PM-2に続くOPPOのヘッドホン第三弾で、同じく平面磁界駆動方式を採用。一方で密閉型を採用してポータブル用途を想定していることが大きな特徴で、同方式ながら質量は320gを実現している。
振動板はこれまでPM-1、PM-2が楕円形だったのに対し、軽量・小型化を重視したPM-3は真円型のφ55mm振動板を採用。振動板の7層構造、スパイラル形状の両面駆動コイル、有限要素法によって最適化されたネオジウム磁気回路などはPM-1・PM-2を踏襲し、磁界設計と振動板の許容差に余裕を持たせているという。平面磁界駆動方式ながら102dBという高能率を達成していることも特徴だ。
松浦氏は、OPPOが平面磁界駆動方式のドライバーを採用する理由として「フラットな聴感」「均質な位相特性」「高速応答性能」の3点を挙げた。また、インピーダンス特性に起因する歪みを低減できることが可能な点も強みだと述べていた。
イヤーパッドはアラウンドイヤータイプを採用。イヤーパッド、ヘッドバンドともに構造や素材を厳選することで、音響特性とフィット感を両立させている。ケーブルは着脱式で、3mおよび1.2mを同梱。ヘッドホン本体側の端子は3.5mmステレオミニ端子を採用。入力側の端子は3mケーブルがステレオ標準端子、1.2mケーブルが3.5mmステレオミニ端子を採用する。
定格インピーダンスは26Ω、感度は102dB/1mW。装着圧力は5N。周波数帯域は10Hz〜50kHz、連続最大許容入力は500mW、瞬間最大許容入力は2W。
■OPPOのモットーは高機能・高性能な製品を、価格を抑えて提供していくこと
クリストファー・ヴィック氏はOPPO Digitalのブランド背景についても解説。OPPOは2004年に設立された会社で、カリフォルニアのマウンテンビューにメイン・オフィスを構えている。前述のESSとの関係のように、シリコンバレーに拠点を持つ強みを活かすと共に、会社規模が大きいからこそ可能な厳密な品質管理やサプライヤーとの連携も行っているとのこと。
ディック氏は、OPPOがオーディオおよびホームシアター製品に力を入れるきっかけになったのは、2004年発売のDVDプレーヤーがファンから高い支持を得たことだと紹介。またヘッドホン開発の起点についても言及し、「BDP-105に内蔵されたヘッドホンアンプが好評だったため、さらなる機能向上を目指して様々なヘッドホンを組み合わせ検証を行っていたところ、我々自らがヘッドホンを手がけたらもっと良い製品ができるはずという思いに至りました」と説明していた。
OPPOの価格戦略にも触れ、「高機能・高性能でありながらコストを抑えることで、より多くの方々にOPPOの製品の魅力を味わっていただけることをモットーとしています。結果として多くの方々に製品を使っていただける状況ができれば、高品質な製品もよりコストを抑えて製造することができるのです」ともコメントした。なお、クリストファー・ディック氏には別途インタビューを行う機会を得たので、本日のコメントと併せてこちらも追って掲載する。
(編集部:小澤貴信)
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