CMシリーズの後継
B&W、“過激な進化”の中級スピーカー「700シリーズ」。800 D3の技術継承/全ユニット刷新、15万円から
■3ウェイ機は新たにエアロフォイル・プロファイル・ウーファーを搭載
3ウェイ・モデルのウーファーについては、800 D3に採用されたエアロフォイル・コーンの原理を手ごろな価格で実現したというエアロフォイル・プロファイル・コーンが採用された。
800 D3のエアロフォイル・コーンは、コーンを鳥の羽のように中央が厚く周辺部が薄いという連続的に変化する立体的な形状としたことが特徴。コーンのコア材には潜水艦の内壁などに使われるシンタクティクフォーム、その表と裏にはカーボンファイバークロスというサンドイッチ構造を用いている。このコーンは非常に高価なため、700シリーズでは原理を応用しつつコストを抑えた新たなコーンが用いられた。
具体的には、コーンの厚みが連続的に変化する形状は継承しつつ、コア材には泡の粒が非常に細かい発泡ポリスチレンを採用。表裏面にはパルプを配置したサンドイッチ構造とした。これにより800 D3のエアロフォイルコーンと同様の形状を実現して強度と軽さも確保しつつ、コストを抑えることが可能になったという。
■ネットワークの部品を大幅にグレードアップ
700シリーズではクロスオーバーネットワークにも改良が加えられた。構成自体はCMシリーズから変更はないが、部品のグレードが800 D3により近いものになった。トゥイーターのレベルを合わせるために用いる抵抗は、従来はセメント抵抗だったが、本機では価格がその10倍ほどするというメタルフィルム抵抗を採用。コンデンサーには、新たにvishayの小容量ポリプロピレンフィルムコンデンサーが用いられた。
澤田氏は「これだけパーツをグレードアップさせたら、ユニットの変更と合わせて、価格は従来の1.5倍くらいになるのではと予想していました。これが約10%の価格亜アップで収まっているのだから、むしろお買い得なのでは」とコメントしていた。ちなみに、こうした価格を実現するために、B&Wでは700シリーズの製造にあたって従来の2倍の規模に工場を拡大したのだという。
また本機の音決めについては、800 D3と同様にB&Wのスティーブ・ピアス氏が担当したとのこと。同氏が音決めを最初に行ったのが初代「CM1」だ。
今回、ブックシェルフモデル用のスピーカースタンドも刷新。高さが従来より約55mm高くなった。澤田氏は「従来より空間表現が豊かになったので、高さを上げたことは適切なポジションだと思いました」と説明していた。
■従来モデルと比較して圧倒的にクリアなサウンドを実現
発表会では、700シリーズの実機をマランツ試聴室でごく短時間ながら試聴することができた。試聴したのは、旧モデルの「CM1 S2」、これに相当する700シリーズの「707 S2」、トゥイーター・オン・トップでミッドレンジの口径が大きいブックシェルフ「705 S2」、そしてシリーズ最上位の「702 S2」だ。
「CM1 S2」と「707 S2」を比較試聴すると、一聴して後者の方が音がクリアで澄んでいることがわかる。音場の奥行きもぐっと懐深くなる。また、両者を比較するとCM1 S2はちょっと音が硬い、カサつくようなニュアンスも感じるが、これが707 S2だと音がしなやかでよりナチュラルな質感となる。
705 S2と707 S2の差は明確で、705 S2はより音場が広く立体的に展開して、低域まで自然に音が伸びる。フロア型の702 S2になると、方向性は705 S2と方向を同じくしつつ、低域は格段に深く沈み込みなおかつ高い解像感を備えている。
いずれにしても700シリーズでは、800 D3が実現した無色かつ透明なサウンド、緻密な空間再現を素性として引き継いでいると感じた。800 D3は大きな進化に対して価格も大幅に上昇したが、700シリーズでは価格上昇が抑えられており(702 S2のピアノブラックについては従来モデルより安い)、この点からもB&Wが普及モデルとしての700シリーズにかける意気込みを感じさせられた。
3ウェイ・モデルのウーファーについては、800 D3に採用されたエアロフォイル・コーンの原理を手ごろな価格で実現したというエアロフォイル・プロファイル・コーンが採用された。
800 D3のエアロフォイル・コーンは、コーンを鳥の羽のように中央が厚く周辺部が薄いという連続的に変化する立体的な形状としたことが特徴。コーンのコア材には潜水艦の内壁などに使われるシンタクティクフォーム、その表と裏にはカーボンファイバークロスというサンドイッチ構造を用いている。このコーンは非常に高価なため、700シリーズでは原理を応用しつつコストを抑えた新たなコーンが用いられた。
具体的には、コーンの厚みが連続的に変化する形状は継承しつつ、コア材には泡の粒が非常に細かい発泡ポリスチレンを採用。表裏面にはパルプを配置したサンドイッチ構造とした。これにより800 D3のエアロフォイルコーンと同様の形状を実現して強度と軽さも確保しつつ、コストを抑えることが可能になったという。
■ネットワークの部品を大幅にグレードアップ
700シリーズではクロスオーバーネットワークにも改良が加えられた。構成自体はCMシリーズから変更はないが、部品のグレードが800 D3により近いものになった。トゥイーターのレベルを合わせるために用いる抵抗は、従来はセメント抵抗だったが、本機では価格がその10倍ほどするというメタルフィルム抵抗を採用。コンデンサーには、新たにvishayの小容量ポリプロピレンフィルムコンデンサーが用いられた。
澤田氏は「これだけパーツをグレードアップさせたら、ユニットの変更と合わせて、価格は従来の1.5倍くらいになるのではと予想していました。これが約10%の価格亜アップで収まっているのだから、むしろお買い得なのでは」とコメントしていた。ちなみに、こうした価格を実現するために、B&Wでは700シリーズの製造にあたって従来の2倍の規模に工場を拡大したのだという。
また本機の音決めについては、800 D3と同様にB&Wのスティーブ・ピアス氏が担当したとのこと。同氏が音決めを最初に行ったのが初代「CM1」だ。
今回、ブックシェルフモデル用のスピーカースタンドも刷新。高さが従来より約55mm高くなった。澤田氏は「従来より空間表現が豊かになったので、高さを上げたことは適切なポジションだと思いました」と説明していた。
■従来モデルと比較して圧倒的にクリアなサウンドを実現
発表会では、700シリーズの実機をマランツ試聴室でごく短時間ながら試聴することができた。試聴したのは、旧モデルの「CM1 S2」、これに相当する700シリーズの「707 S2」、トゥイーター・オン・トップでミッドレンジの口径が大きいブックシェルフ「705 S2」、そしてシリーズ最上位の「702 S2」だ。
「CM1 S2」と「707 S2」を比較試聴すると、一聴して後者の方が音がクリアで澄んでいることがわかる。音場の奥行きもぐっと懐深くなる。また、両者を比較するとCM1 S2はちょっと音が硬い、カサつくようなニュアンスも感じるが、これが707 S2だと音がしなやかでよりナチュラルな質感となる。
705 S2と707 S2の差は明確で、705 S2はより音場が広く立体的に展開して、低域まで自然に音が伸びる。フロア型の702 S2になると、方向性は705 S2と方向を同じくしつつ、低域は格段に深く沈み込みなおかつ高い解像感を備えている。
いずれにしても700シリーズでは、800 D3が実現した無色かつ透明なサウンド、緻密な空間再現を素性として引き継いでいると感じた。800 D3は大きな進化に対して価格も大幅に上昇したが、700シリーズでは価格上昇が抑えられており(702 S2のピアノブラックについては従来モデルより安い)、この点からもB&Wが普及モデルとしての700シリーズにかける意気込みを感じさせられた。