11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMに対応
マランツ、ネットワーク/USB-DACにCDプレーヤーを統合した「ND8006」。13万円
さらにフロントUSB-A端子に接続したUSBストレージに保存した楽曲を、HEOSアプリから操作して再生する“ミュージックサーバー”機能にも対応。NASを用いることなく、USBストレージを本体に接続するだけで、キュー再生などネットワークプレーヤーライクな再生が行える。USB-A端子から再生できるファイルはネットワーク再生と同様で、こちらもアップデートで384kHz/32bitおよび11.2MHz DSDネイティブに対応予定となる。
アプリからのCD再生操作、および本機で再生したCDを他のHEOSデバイスへ配信することにもアップデートで対応予定だ。
そのほか、HEOSスピーカーでは非対応のAirPlayに本機は対応。Bluetoothによるワイヤレス再生にも対応する。
他にも、同軸デジタル入力を1系統、光デジタル入力を2系統搭載。同軸デジタル出力も1系統搭載する。
■ESS製DACを搭載。マルチソース化しつつ音質をさらに向上
音質については、ディスクプレーヤーとネットワークプレーヤー/USB-DACを統合しつつ、従来機を超えるサウンドを実現することを狙ったという。サウンドマネージャーである尾形氏は、Marantzのサウンドフィロソフィー「純粋さの追求」の元、さらなるS/N感の向上、見通しの良さなど音場感の向上を目指したと説明していた。
従来機からの最大の変更点はDACチップだ。NA8005/SA8005ではマランツが長年使いこなしてきたシーラス・ロジック製「CS4398」を採用していたが、本機は新たにESS Technology製「ES9016K2M」を採用した。マランツのフルサイズHi-FiコンポーネントではESS Technology製DACの採用は初となる(コンパクト機ではHD-AMP1がESS製DACを採用)。
「ES9016K2M」は電流出力タイプのDACチップなので、独自のI/V(電流/電圧)変換回路を外付けで用いてさらに追い込んだ音質チューニングが可能に。本機ではI/V変換回路とポストフィルターを、マランツのお家芸である高速アンプモジュールHDAMおよびHDAM-SA2を用いたディスクリート回路で構成している。
また、デジタルフィルターはDACチップ内蔵のものではなく、マランツオリジナルのアルゴリズムによる「Marantz Musical Digital Filtering」(MMDF)を採用。フィルターの特性は旗艦モデル「SA-10」で使用されているものを踏襲している。音質傾向の異なるフィルター1/2を切り替えて使用できる。
フィルター1では、インパルス応答はプリエコー、ポストエコー共に短い特性。音の情報量が多く、奥深い音像や音源の位置関係を明確に再現する。フィルター2は非対称インパルス応答と呼ばれる特性を持ったフィルターで、プリエコーに対してポストエコーが少し長く、アナログ的な音質傾向になるという。
D/Aコンバーターのロックレンジを調整してジッターを低減する「ロックレンジ切り替え機能」を新たに搭載。ワイド、ミディアム、ナローの3段階で切り替えることが可能となる。ロックレンジの設定を狭めるほど明瞭な音質になるが、狭めすぎると入力信号によっては音途切れやノイズが発生することがあるため、その場合は、音声を聴きながら正常に聴こえるようにロックレンジの設定を広げるよう案内されている。
USBオーディオインターフェースには、XMOSを採用。デジタル回路には、こちらもマランツ伝統といえるデジタル・アイソレーションシステムを採用。データ、クロック、コントロールラインなど2種・合計12素子を用いて18系統で絶縁を実施。外部機器からのノイズ流入を徹底して排除している。
クロック回路には、超低位相雑音クリスタルを搭載。従来の44.1kHz系、48kHz系に加えて、新たにDAC動作専用のクロック発振回路を搭載。合計3基のクロックを搭載している。これにより再生するソースのサンプリング周波数に応じて最適なクロック信号を供給して、ジッターを抑制する。
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