新会場・新提案で来場者も大幅増

初披露モデルも多数! オーディオショウの先陣を切った「北海道オーディオショウ2018」レポート

公開日 2018/10/03 19:59 オーディオ編集部・伊佐山
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9月26日から28日までの3日間にわたり、「北海道オーディオショウ2018」が開催された。イベントの模様をレポートする。


同イベントは札幌市のオーディオ専門店、CAVIN大阪屋が主催するオーディオイベントで、その前身は同店が30年間行っていた “高級オーディオ試聴会” 。その流れを受けて、北海道全体を視野に入れた「北海道オーディオフェア」としてリニューアルを遂げてから、今年で4回目となる。

会場となったのは「札幌コンベンションセンター」。昨年までの会場であった「さっぽろ芸術文化の館」よりもさらに広大なスペースで、参加メーカーも大幅に増加。国内外の48社が集結し、各ブースではハイエンドモデルを中心に連続試聴イベントが行われた。

「北海道オーディオショウ2018」の会場となった札幌コンベンションセンター

さらに会場が広くなったことにより、ホームシアターや「ヘッドフォンフェスタ」と題した新たな会場も用意。より幅広い音楽ファンをターゲットとして、さらなる進化を遂げたイベントとして新たな船出となった。

当初は地震の影響等が心配された。キャビン大阪屋の森田洋之専務は、「スピーカーが倒れたり、レコードプレーヤーは吹っ飛ぶなど、被害に遭われたお客様も非常に多かったです。そういった方々にできる限りのことをしたいと思っていますし、暗いニュースが続いているなか、少しずつですが平穏な時間が戻ってきていますので、こういったオーディオショウを機会に、音楽を聴いたり、映像を楽しんでいただき、気持ち的にもリラックスして楽しんでいただくのも大事だと思います。その意味でもぜひショウに来ていただいて、楽しんでいただければと思いました」と語った。

「北海道オーディオショウ2018」を主宰するキャビン大阪屋の森田洋之専務

来場者の数は昨年から比べ大幅に増加した。会場が広くなったことと、その開催時期のタイミングが今回の成功の大きな要因だったのは間違いない。

まず会場について。実際にたずねてみると、昨年の会場よりもひと部屋ごとの面積が圧倒的に広くなり、防音環境も非常に良い。来場者も、静かな環境でじっくりと試聴している姿が多く見られた。各部屋内ではメーカーが順番に試聴デモを行っていくが、会場が広くなったことによって、試聴イベントの回数も大幅に増加。聴きたい製品同士で時間帯が重なってしまっても、聴き逃したメーカーの試聴の機会を再度得られるメリットがある。

さらに今回の「北海道オーディオショウ2018」の開催時期も非常にタイムリーであった。9月下旬というスケジュールはまさに、全国の秋のオーディオショウの皮切りとなる時期。このため各メーカーが全国に先がけて新製品を登場させる機会となったことも集客増の大きな要因となったはずである。

ショウの当日は地元のテレビ局や新聞社からの取材も受ける

アナログレコードをはじめとしたソフト販売のコーナーも個別の専用ルームを用意。オリジナル盤を中心に販売するニイノニーノも出店していた

このように会場と開催時期の変更によって生まれ変わった「北海道オーディオショウ2018」の会場の様子を、以下に紹介していくことにしよう。

アキュフェーズは一体型SACDプレーヤーの最高峰「DP-750」とAクラス60Wのステレオパワーアンプ「A-75」を初披露。「A-75」はステレオアンプとしての1台使いのほか、2台を使用してのバイアンプでのデモンストレーションも実施していた。

アキュフェーズは「DP-750」や「A-75」をデモ。スピーカーはJBL「DD67000」を使用した

フェーズメーションは、新製品の左右独立2筐体構成のMCトランス「T-2000」のデモンストレーションを実施。試聴では同社の最高峰プリアンプ「EA-1000G」の内蔵トランスで試聴した後、トランス部のみを「T-2000」に付け替えて比較試聴。「T-2000」を追加した際の実体感の高い再現性を体験することができた。

スピーカーはSonas faberの「Serafino Tradition」を使用していた

ラックスマンは真空管プリアンプ「CL-38uC」と「MQ-88uC」をテーマに、タンノイのプレステージシリーズ「カンタベリー」をドライブ。ラックスマンのアナログプレーヤー「PD-171A」を使用して、アナログ再生を堪能することができた。

ラックスマンは真空管プリアンプを用いたアナログシステムをデモ

クリプトンは同社スピーカーのオリジンであるKX-3シリーズの5代目モデル「KX-3 Spirit」を初公開。密閉型スピーカーのメリットを提唱しつつ、ハイレゾ音源でその魅力をじっくりと味わうことができた。

「KX-3 Spirit」をイベント初公開

TAOC、KOJO TECHNOLOGY、SAEC、ZONOTONEの4社が共同で開催するアクセサリーブースでは連続試聴イベントを実施。メーカーごとの単独デモではなく、4社のコラボイベントを中心に展開。魅力的な録音のレコードやCDも紹介しつつ、ケーブルや電源ボックス等の比較試聴を実施。TAOCは新製品のスピーカースタンド「BSTシリーズ」も初公開。木製スタンドとの比較試聴を行い、その違いは大きな反響を呼んでいた。

4社のアクセサリーの効果を比較できた

アイレックスはイタリア発のスピーカーブランド、アルベドの取り扱いを開始。その中核となる3ウェイモデル「ACCLARA」を初公開した。トランスミッションライン方式を採用することで、極めて追従性の高いサウンドを再現していた。アナログプレーヤーはReedの「Muse3T」でトーンアームも同社の「Reed5T」。カートリッジはドイツの新ブランドTEDESKAの「DST201ub」を組み合わせていた。

フォノイコライザー、プリアンプ、パワーアンプはAudia Flightのトップモデル

次ページ引きつづき各社のブースをレポート!

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