CES2009レポート
<東芝(1)>“REGZAの顔”本村氏に聞くCELL TVの秘密と国内モデルの新展開
■超解像が進化 − 1,920×1,080映像の超解像処理が可能に
ここからは、CESにあわせて発表されたREGZAの北米向け春モデル(関連ニュース)についてお伝えしよう。北米向けモデルとは言え、国内の昨秋モデルには搭載されていないフィーチャーもあり、今後発表が予定される国内モデルで採用される可能性が高い。
まず、超解像処理の進化についてお伝えしよう。ご存じの通り、これまでのREGZAの超解像処理は、1,920×1,080映像の場合には動作しない仕様だった。つまり、レコーダーやプレーヤーでフルHDにアプコンした場合、せっかくの超解像処理の恩恵に浴すことができなかったわけだ。これが、北米の春モデルでは「新・レゾリューションプラス」を搭載したことで、1,920×1,080映像の超解像処理が行えるようになった。
どのような仕組みかというと、1,920×1,080の映像が入ってきた場合、周波数解析によって、それがアップコンされた映像かそうでないかを判定。アップコンした映像の場合、その映像を一時的に精細化する。さらにその映像にフィルターをかけることでもともとの解像度レベルに落とし、2つの映像の差分を比べることで超解像処理を行うというものだ。これにより、プレーヤーやレコーダーの設定を気にせず、いつでも超解像処理した映像を楽しめるようになる。
もう1つ、「CleaScan 240」という新たな残像低減処理技術についても見てみよう。これは、映像自体は秒間120コマだが、画面の一部に黒挿入を連続的に行い、240Hzのリフレッシュレートで駆動することで、大幅な動画ボヤケ低減効果が得られるというものだ。具体的には、偶数フレームでは上下に、奇数フレームでは真ん中に黒オビを挟み、これを交互に繰り返す。本村氏は、「黒挿入をしない240コマ表示では補間フレームが多くなり、そのため補間ミスも増える。この方式ならその心配はほとんどない」という。なお、黒挿入を行うため、バックライトの明るさが同じなら画面輝度は3分の1程度になる。このため、バックライトの明るさを上げる必要があるという。
なお北米の春モデルでは、最上位の「SV」と上位の「ZV」にClearScan 240が、さらに「XV」を含む大型モデルすべてが「新・レゾリューションプラス」を搭載している。日本での新製品の発表にも期待したい。
そのほか薄型テレビでは、CEATECなどでも展示されて話題となった(関連ニュース)立て掛けタイプのREGZAを展示。画面サイズは52V型、メタブレイン・プレミアムの搭載、フルHD画質の録再機能などはCEATECと同様だが、今回新たに、ストレージに256GBのSSDを搭載。CEATECの時点では64GBだったので、大幅に記憶容量がアップした。
なお同社ブースでは、昨年12月に商品化をアナウンスした(関連ニュース)512GBのSSDも展示。SSDの大容量化が加速度的に進んでおり、いよいよHDDとの正面対決のタイミングが近づいてきた。