テレビ事業の営業赤字は696億円
ソニー、'12年度は純利益430億円 − 5期ぶり黒字、昨年度から大幅改善
■モバイル・プロダクツ&コミュニケーション分野
携帯電話やPCなどが含まれるモバイル・プロダクツ&コミュニケーション分野は、売上高1兆2,576億円(前年度比102%増)。PCの販売台数減少による減収があったものの、ソニーモバイルが100%子会社として連結された影響などによるもの。
しかし営業損益は972億円の損失となった。前年度は72億円の利益を出していた。この大幅な損益悪化には、前述のPC減収や、為替の悪影響、そしてソニーモバイルの支配権取得に伴う評価差益1,023億円が含まれていたことが理由として挙げられる。
なお、スマートフォンの売上台数は3,300万台。2月時点の見通しである3,400万台にわずかながら届かなかった点については、「Xperia Zが全世界的に好評だったが導入が2月であり年間台数に寄与する部分が限定的だった。Xperia Zが出るまでの買い控えもあったかもしれないが、それ以外の機種が少し下回ったということだ」と説明した。
■イメージング・プロダクツ&ソリューション分野
カメラ/ビデオカメラ/放送用・業務用機器などが含まれるイメージング・プロダクツ&ソリューション分野では、売上高は前年度比4.1%減少し、7,304億円に。レンズ交換式一眼カメラの大幅な売上増加や為替の好影響などがあったものの、主に低価格帯モデル市場が縮小したコンパクトデジタルカメラの大幅な販売台数減、市場縮小によるビデオカメラの大幅販売台数減などが響いた。
営業利益は14億円で、前年度比172億円減となった。前述の減収の影響、および構造改革費用の増加が理由だ。
■ゲーム分野
ゲーム分野の売上高は、前年度比12.2%減少し7,071億円に。PS3(ハード)やPSP(ハードおよびソフト)、PS Vita(ハード)の販売台数減少が主因。
営業利益は前年度比276億円減少し17億円に。前述のハード/ソフトの減収に加え、2013年2月に日本で実施したPS Vitaの戦略的価格改定の影響によるものだという。
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