黒字化達成は『事業存続への入場券』
ソニー、テレビほぼ全機種でAndroid搭載へ − “ヒットモデル作戦”でモデル数絞込み
「オーディオ・ビデオ、テレビはリビングルームの音と映像をつかさどるという点では販売プラットフォームを有効かつ有意義に使っていくことが、商売として、ソニーのブランド価値をもっとも高めながら、顧客価値を獲得できるポイントだろう。そのため、現在はソニー傘下でやっていくことに、中期的な目標の結果が得られると考えている」とした。
また、今村氏も「分社化は経営のスピードを上げるための手段だ。ソニー全社をみたときに、ソニーがエンターテイメントで感動を与える企業である以上、ソニーに占めるテレビは非常に大きな役割を持っていると思うし、そういうテレビを作っていくつもりだ」と述べた。
そして今村氏は「大きいディスプレイはサイネージとしていろいろある。私たちが目指すテレビはそこにエンターテイメントが入っているということ。単純に情報を見るのではなく、お客様が臨場感を持ってコンテンツを楽しむというファクターを入れる」と、テレビというデバイスに対しての姿勢に言及。「私の頭のなかには色々な新しいテレビのかたちがある。ぜひご期待いただきたい。新しいテレビを出して生きたい。社名にテレビという名前をつけなかったのはそういう意味もある」と語った。
■オーディオはハイレゾなどで商品力強化を今後も強化
オーディオ・ビデオ事業については、同社が“成長領域”として定義するヘッドホン/サウンドバー/ワイヤレススピーカー、ウォークマンやコンポーネントなどのオーディオ、BDレコーダー/プレーヤーのビデオ、車載機器などその他の合計で2013年度には4,315億円の売上があったことなどを紹介する。地域別の売上構成比も紹介しながら、製品ジャンル別、地域別ともに「バランスよく商売できている」(高木氏)とした。
また、製品別の市場シェアも紹介。日米とEU5ヶ国(英仏独伊西)でヘッドホンは2位、ワイヤレススピーカーは日本で1位、ウォークマンがDMPでiPodと日本の市場を2分し、ハイレゾ対応の新モデルを投入した11月ではトップを獲得したことなどを紹介する。
今後の市場については、2017年度にかけて家庭用ビデオ市場が縮小する一方で、ヘッドホン、サウンドバー、ワイヤレススピーカー市場が約50%まで拡大するという見通しであるとコメント。「戦略としては、とにかくまずは商品力の強化を図っていく」とした。