<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
HDR10とは? ゾーンとは? Blu-ray Copyはどうなる?「Ultra HD Blu-ray」の詳細を聞く(後編)
●新たに「Dual Stream Disc」も制定
Ultra HD Blu-rayのディスク規格については、前回の記事で「HD」と「4K/UHD」、「SDR」と「HDR」のかけ合わせで4種類のディスクが用意されることをお伝えしてきたが、新たに「Dual Stream Disc」も規格化され、全6種類となった。
「Dual Stream Disc」とは、HDRとは別にSDR映像を独立して収録するディスクのこと。Ultra HD Blu-rayでは、プレーヤー側にHDRからSDRへの変換機能が必須なので、普段は必要ないものだが、「監督の大切な作品が再生機器で勝手にSDRに変換されることになる。機器にまかせられないと考える映画会社のリクエストに応えるために規格に入れた」という。Dual Stream DiscでSDR対応機器に出力する際には、HDR→SDR変換を使わず、必ずディスク内のSDRストリームを優先して再生する。
●「ゾーン」の採用により読み取り速度は最大127.9Mbpsに向上
ディスクの物理仕様については、前編で、25GB/層のディスクでピーク転送レートが81.7 Mbps、33GB/層で同127.9Mbpsに向上したことを紹介したが、これを実現するために「ゾーン」という概念が導入されることになった。
その理屈は簡単で、Ultra HD Blu-rayも含めた光ディスクは外周部の方が高速に回るため、読み取り速度を向上させることができる。そこで中央の8%のみを低速領域、それ以外の92%を高速領域に設定し、TSビデオストリームとして最高128Mbit/sの読み出しを可能とする。実際の利用の際にはディスクのオーサリングの際にリードイン、リードアウトを設定し、外周部にデータを配置することで行われる。