<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
HDR10とは? ゾーンとは? Blu-ray Copyはどうなる?「Ultra HD Blu-ray」の詳細を聞く(後編)
●Blu-ray Copy」は正式採用へ
今年1月の取材の時点では検討中で「デジタルブリッジ」「BDリッピング」などと呼ばれていた「Blu-ray Copy」は、Ultra HD Blu-rayにも組み込まれることになった。
正規の許諾を得てSeeQVault対応HDDにコンテンツをコピーできる「Blu-ray Copy」については、まず2015年秋以降に、日本市場でSeeQVault対応HDDでの導入を検討中。また、Ultra HD Blu-ray映画ディスクもBlu-ray Copy対応になる予定だ。
Ultra HD Blu-rayディスクのBlu-rayコピーはオプションであり、販売元や作品によって可否が異なる。許諾はネット認証という形になるが、3ドル程度のコピー料金、または発売時のパッケージに封入されるクーポンで認証という形が想定されている。ただし、実際に運用が行われるかどうかはスタジオや発売元次第なので、個別に対応が分かれることになるだろう。
既存のBDについては、現行BDに既に「マネージドコピー」仕様として規格化されている。また著作権保護のAACSの規約に含まれるため、原則として全作品のコピーが許可される。
ただし、このAACSの規約において、実は日本のコンテンツは権利処理が複雑なことを理由に例外とされているため、日本のコンテンツに限り対応は必須ではない(ハリウッド映画など米国発の作品については、理屈上は対応が必須になる)。もっとも、実際に運用されるかは「技術の問題というより、商売の問題になってくる」(小塚氏)とのことなので、今後はサーバー運営などのバックグラウンドも含めて議論されていくことになる。
以上が、現在掴んでいる「Ultra HD Blu-ray」の全貌だ。前編冒頭でも述べた通り、かなりの仕様が高画質に費やされているが、同時に「Blu-ray Copy」という気になる新仕様も盛り込まれた。
インタビューに応じてくれたパナソニックの小塚氏、森氏らによると、年内のUltra HD Blu-rayソフト、そしてハードの発売に向け、着々と準備が進行中とのこと。年末にUltra HD Blu-ray関連製品が店頭に並んでいることを期待して待つことにしよう。
(折原一也)