7,000nitの試作機も開発、HDRも「とことんやる」
REGZA新最上位機は「史上最高画質」へ。1,000nit HDR/新LED駆動/新エンジンなど搭載【動画追加】
その「レグザ史上最強のコントラストを目指したディスプレイシステム」を目指すため、前述の「7000nit HDRパワーディスプレイシステム」を開発したと紹介。同機をリファレンスモデルとし、ここで得られたノウハウを次期レグザに投入するという。
このディスプレイシステムは、本格的なHDR実現に向けて、バックライト技術とパネル技術を構築するためのリファレンスモデル。サイズは58型で、4K(3,840×2,160)パネルを搭載。輝度は7,000nit以上、色域はBT.2020 u'v'カバー率約85%を実現。18,000個以上のLEDを使い、商品電力は約2,000Wというモンスターマシンだ。10,000nitまで収録されるHDR信号をほぼ忠実に再現できるという。
近江氏は、このモデルを開発した背景について「次のモデルを作るとなったときに、今より少し上のレベルを目指すだけではそこで止まってしまう。やるならとことん高輝度、とことん高画質のものを作ろうとした」と説明。「そうしたもの(とことん突き抜けたレベル)を見据えた上で次のモデルを考えることが重要だと思っている」と続けた。
当日は輝度500nitのモデルとの比較デモを実施。デモルームに入った瞬間に驚くほどの明るさをアピールした。ただ、その明るさでも眩しすぎるという感は受けず、夏の浜辺の強烈な日差しをよりリアルに感じられたことなどは非常に印象的だった。
■エリア駆動がより緻密に/さらなる広色域化も
バックライト技術としては、ピーク輝度1,000nitオーバーの高輝度LEDを搭載。エリアコントロールも新開発して従来よりもさらに緻密な制御を行えるようにした。これらにより、現在開発中の次期ハイエンドモデルではCELL REGZAの約11倍、現行モデル(Z10X)比では約15倍もの高コントラストを実現するという。なお、エリア制御の分割数については「非公表だが現行のZ10Xより細かく、業界トップクラスの細かさであるのは間違いない」とのことだった。
エリア駆動においては、これまでの点灯時間による輝度制御だけでなく、新たに駆動電流による輝度制御も実施。点灯時間と駆動電流という2つの輝度制御を組み合わせることによって、従来よりさらに締りのある黒を再現できるようになるとした。下記はそのエリア駆動イメージデモの様子を収めた動画だ。
また、次期モデルの色域はBT.2020を約80%カバーできる見込みであることも紹介。Z10Xでは約72%であったところから性能が向上するようだ。
パネル技術では加えて「ハイコントラストブラックパネル」を採用。同パネルではパネル透過率の向上と外光拡散の半減を実現したとのことで、バックライトの光と外光がパネル表面で拡散してフォーカス感が低下するという従来パネルの問題をクリア。これにより、さらにくっきりとした色とコントラストを再現するという。
■構想から3年を費やした「新高画質エンジン」
前述の緻密なバックライト制御などを実現するため、開発中の次期モデルでは画像エンジンもリファイン。構想から3年の年月を費やしたという新たな高画質エンジンを搭載する。