7,000nitの試作機も開発、HDRも「とことんやる」
REGZA新最上位機は「史上最高画質」へ。1,000nit HDR/新LED駆動/新エンジンなど搭載【動画追加】
同エンジンは緻密なバックライトのエリア制御だけでなく、新世代の広色域復元技術も実現。64軸の高精度色空間処理によって、最明色(物体色の限界)を考慮した自然でリアルな色域を実現するという。
この点について、東芝 研究開発センター ライフスタイルソリューション開発センター オーディオ&ビジュアル技術開発部AV3 第三担当 グループ長の山内日美夫氏は、「輝度が上がった時に、単純にそのまま色域も広げてしまうと、自然界には存在しない色をディスプレイ上で作ってしまうことになり、不自然な画になってしまう」と説明。高輝度化・高コントラスト化のメリットを最大限に活かしながら高画質化につなげるための色域復元技術も新しいエンジンの重要なポイントだとした。
さらに、この高画質化エンジンによって超解像技術も進化。超解像処理を2段階で行う再構成型超解像技術によって、素材の柔らかさなどの質感をよりリアルに再現するという。なお、この2段階の超解像処理は、1段めで低〜高域までバランスよく高精細化し、2段めでさらに微細なテクスチャー復元するとのことだった。
加えて自己合同製超解像技術も新開発。さまざまな角度の斜めエッジに対応できるため、文字や建物などの斜めエッジがさらになめらかになるという。さらに、複数の素材を見る超解像もリファインし、「プログレッシブ映像でもかなり効くようになった。チラつきの抑制にかなり効果が出る」という。
なお、この新高画質エンジンではFRC(フレームレートコントロール)のアルゴリズムも一新。「具体的には明かせないがかなり広範囲に追従できるようになった」という。
また、超解像の2段階処理化においては前段エンジンと後段エンジンを1チップ化。これによって処理を行いやすくしたという。処理行程が増えたことで遅延を気にするユーザーもいるかもしれないが、「トータルで5フレーム程度」とのことで、これとは別に、ゲーム用で低遅延モードを用意するとした。
■「コペルニクス的発想の転換」で高音質化
東芝では、こうした高画質を楽しむ上でのテレビの音質にも着目。テレビが目指すべき高音質技術とは何かを追求した際に、「映像体験の感動を最大化すること、そして大画面化ニーズを満たすと同時に、その存在を意識させないこと」が重要であると考えたという。そして編み出したのが、テレビの背後に設置する“レグザサウンドシステム”「RSS-AZ77」(関連ニュース)との連携技術だ。