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デノンのHi-Fi技術と最新トレンド技術を融合

デノン、音質を追求したAVアンプ「AVR-X2300W/X1300W」。アトモス/DTS:Xに対応

公開日 2016/05/17 10:00 編集部:小澤貴信
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デノン伝統の「全ch同一構成ディスクリート・パワーアンプ」を採用

次にポイントとして挙げられたのはディスクリート構成のパワーアンプだ。デノンはエントリーAVアンプであっても、Hi-Fiオーディオアンプの設計思想をベースとした全チャンネル同一構成・ディスクリート・パワーアンプを信念として貫いてきた。それは7chアンプを備えた本機でも同様。厳選されたパーツで構成したパワーアンプを搭載することで、ICやパワーパックでは得ることのできないサウンドを実現したという。

AVR-X2300Wのパワーアンプ部

AVR-X1300Wのパワーアンプ部

AVR-X1300Wのパワーアンプ部については、カスタムコンデンサーを出力段のパワートランジスターと同一基板上に配置し、最短距離での電源供給を可能にした。

全ch同一構成の7chディスクリート・パワーアンプを搭載

電源部も強化。高速整流ダイオードや10,000μFの大容量ブロックコンデンサー(2基)を採用することで、マルチチャンネルによる大音量再生時にも余裕ある電源供給を行うことが可能となった。これら電源対策はアンプと合わせて余裕のあるスピーカードライブに寄与し、結果として4Ωスピーカーの駆動もサポートしている。

高橋氏はパワーアンプ部について「スピーカーをいかに駆動するかを重視して設計を行いました。4Ωスピーカーの駆動にも対応する点は特筆できると思います」とコメントしていた。

2014年登場のAVR-X2100W/X1100Wから実現した、出力段における保護回路構成を見直しも、本機のサラウンド再生能力を語る上で重要な要素だ。パワーアンプ出力段のパワートランジスターの温度変化をリアルタイムでモニターすることにより、従来はアンプの破壊を防ぐために必要だった電流リミッター回路を排除できた。これにより瞬時電流供給能力が従来機(AVR-X2000/X1000)から約3倍に強化。微小信号から大きな信号まで音色を変えることなく、余裕あるダイナミックレンジを確保して再生することが可能になったという。

従来機に引き続き、出力段における保護回路構成に見直しを図った

また、DCサーボ回路には大容量コンデンサーを用いることで、超低域再生の強化も図っている。

AVR-X2300Wには上位モデルのパーツも投入。パワーアンプ初段の差動増幅段には、旗艦モデル「AVR-X7200W」にも用いられたデュアル・トランジスターを採用。特性のそろった2つのトランジスターによって微小信号の表現力を高め、低域の安定感を向上させた。「これは昔ながらのオーセンティックな手法と言えます」(高橋氏)。

定格出力はAVR-X2300Wが95W/ch、AVR-X1300Wが80W/ch(いずれも8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.08%)。実用最大出力は、AVR-X2300Wが185W/ch、AVR-X1300Wが175W/ch(いずれもJEITA:6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動)。

デジタル回路基板も刷新。DACのポストフィルターも見直し

DAC、DSP、HDMIレシーバーを含むデジタル基板も、AVR-X2300W/X1300Wでは新設計により刷新。高橋氏は「ハイレゾやオブジェクトオーディオの登場によって、必要とされている演算処理は年々増えています。これらをスマートに処理できるかどうかはサウンドにも大きな影響を与えます」と語る。

本機ではデジタルセクションも刷新。新たに設計が行われた

今回の刷新においては、高容量デジタル演算処理の向上に加えて、DACのポストフィルターの常数を見直した。低域をよりフラットに伸ばす方向で再設計を行うことで、オブジェクトオーディオを見据えた低周波数特性への改善が実現したという。

D/Aコンバーターには、試聴により厳選した192kHz/24bit対応のバー・ブラウン製DACを採用。周辺回路とのマッチングも見直され、表現力をさらに追い込んだとのこと。


32bit クアッドコアDSPを搭載
また、両モデルともに高音質オペアンプを搭載。チップ内部の構成やワイヤリングのリファインに加えて、高品質のシリコンウェファーを採用することで音質をさらに向上させた高音質オペアンプをD/Aコンバーターのポストフィルターに採用。音の密度や解像感、空間表現を向上させた。

DSPは、従来モデルから引き続き32bitクアッドコアDSPを搭載。2014年モデル「AVR-X2100W」に採用されたDSPの約4倍の処理能力を備え、これによりドルビーアトモスやDTS:Xなどのサラウンド処理や音場補正など、負荷の大きい処理でも余裕を持って高速・高精度処理することが可能となる。

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  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドDENON
  • 型番AVR-X2300W
  • 発売日2016年6月中旬
  • 価格85,000円(税抜)
【SPEC】●定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD0.08%):フロント/サラウンド/サラウンドバック…各95W×2、センター…95W ●実用最大出力(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動):185W ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1,-3dB、ダイレクトモード時) ●Bluetoothバージョン:Ver.2.1+EDR ●対応プロファイル:A2DP/AVRCP ●対応コーデック:SBC/AAC ●接続端子:HDMI×入力8/出力2、コンポジット×入力2/出力1、コンポーネント×入力2/出力1、アナログ音声入力×4、光デジタル入力×2、サブウーファープリ出力×2、ゾーンプリ出力×1、ヘッドホン出力×1、USB×1、LAN×1、他 ●消費電力:500W ●外形寸法:434W×235H×339Dmm(アンテナを立てた場合。アンテナを寝かせた場合は167Hmm) ●質量:9.4kg
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドDENON
  • 型番AVR-X1300W
  • 発売日2016年6月中旬
  • 価格57,500円(税抜)
【SPEC】●定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD0.08%):フロント/サラウンド/サラウンドバック…各80W×2、センター…80W ●実用最大出力(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動):175W ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1,-3dB、ダイレクトモード時) ●Bluetoothバージョン:Ver.2.1+EDR ●対応プロファイル:A2DP/AVRCP ●対応コーデック:SBC/AAC ●接続端子:HDMI×入力6/出力1、コンポジット×入力2/出力1、アナログ音声入力×2、光デジタル入力×2、サブウーファープリ出力×2、ヘッドホン出力×1、USB×1、LAN×1、他 ●消費電力:430W ●外形寸法:434W×215H×339Dmm(アンテナを立てた場合。アンテナを寝かせた場合は151Hmm) ●質量:8.5kg