事業方針説明会で発表
ひかりTV、HLG方式での4K HDR IP放送を10月24日から開始
そのほか4Kでは、4K放送チャンネルを「Kawaiian for ひかりTV 4K」としてリニューアルすることや、俳優の斎藤工を監督に起用したオリジナル4K映画「blank13」制作にも改めて言及。blank13については「これまでは外部からの調達などが中心だったが、本作品は我々が主幹となってやっていく。国内外の様々な映画祭にも出品していきたい」と、4Kコンテンツ拡充に引き続き取り組んでいく姿勢を見せた。
なお今後の4K/HDRコンテンツ拡充について、すでにSDRでは4K提供中の作品などもHDR化していくかなどは現在検討中。「ユーザーの反応や対応テレビの普及状況なども見ながら、コンテンツ全体にかける投資額のなかで、どこまでHDR化を推進していくかを決めていく」とした。
一方で、「『4Kをやって収益が大きく上がるわけでもないのになぜやるんだ?』とよく言われる」ともコメント。「ひかりTV全体の商売で考えた際には、売れ筋の商品だけでなく、技術力やサービス開発力を示す“見せ筋”の商品も必要だ。ホンダやトヨタがF1をやるようなものに近いかなと思う」とし、様々な4Kサービスを次々と他社に先駆けて投入することで「4Kのマーケットを我々の手で作っていきたい」と言葉を続けた。
そして「ひかりTV全体で黒字をキープできていればいいと思っている」とする一方で「ただ、ビジネスとしてはスタートしていると考えている」とコメント。「我々は元々は電話の接続事業からスタートしており映像分野では後発だが、4Kはネット、ブロードバンドのインフラを使ったほうが有利な面もある。パートナーの協力も得ながら、我々の手で4Kの市場を作っていきたい」と述べた。
なお、前述のリオ五輪4K配信は、NHKが8Kで撮影したものを4Kにダウンコンバートして再送信したというもの。現在行われている8K試験放送などでも同様のことを行うかについては、「これからの話し合い」だとしながらも、2018年からの4K 8K実用放送開始に向けて、技術的な検討を進めていると説明した。
■オリジナルのスマホゲーム等でサービスの多様化も図る
そのほか、同社初のスマホ向けオリジナルゲーム「ルナたん 〜巨人ルナと地底探検〜」の提供開始日が10月27日に決定したことも発表。同作は基本プレイ無料のゲームアプリで、テレビ向けひかりTVゲーム版と連携することでさらに楽しみ方が広がるという。
同作ではアニメ化やコミカライズ、グッズ販売やゲーム音楽の販売など、マルチ展開を実施。ひかりTVの各種サービスで配信や販売を行う。
板東氏は、「ここにきて、ひかりTVの映像配信ユーザーも増えてきて、従来のようには増えないレベルになってきた。そこで、ゲームを始めとした新サービスに投資してサービスの多様化を図っていく時期にきたのかなと思っている」と、オリジナルゲームの開発に乗り出した背景を説明。「今後ますます多様化に力を入れていきたい」と、4K化によるサービスの高度化やマルチネットワーク、マルチデバイス化に加えて、サービスの多様化も一層図っていく戦略を語った。