多彩なカテゴリーにまたがる新製品を紹介
<IFA>サムスンから最新QLED TVや完全ワイヤレスイヤホン。ハーマンがスマートスピーカーを開発中
特徴はイヤホン本体に内蔵する4GBのストレージにWAV/MP3の楽曲ファイルを転送してスタンドアロンで音楽再生が楽しめるDAP機能を内蔵したこと。ハウジングの側面がタッチセンサーリモコンになっている。
ストレージには音楽ファイルだけでなく、サムスンの自社製アプリで作成したトレーニング用のコーチングプログラムを転送して、音楽と同時に再生しながらジョギングやワークアウトが楽しめる。バッテリーはイヤホン本体だけで最大5時間の連続再生(スマホとBluetooth接続時)に対応している。
左右のイヤホン間の接続方式はBluetoothを採用。本体は防水・防塵設計になる。
■スポーツ用スマートウォッチとスマートバンドも発表
今から約3年前のIFAではスマートウォッチが大ブレイクしたものだが、いまはそのブームが一段落した模様。市場は「Apple Watchの一人勝ち」とも言われる中で、サムスンは独自OSのTizenを搭載する「Gear」シリーズのウェアラブル製品をコツコツと続けてきたブランドだ。
今回のIFAではスポーツタイプのスマートウォッチ「Gear Sport」を発表。LTE接続による単独の通信機能は持たず、スマホとBluetoothで接続して使うことを前提としているが、単体で使えるGPSに、ストレージと音楽プレーヤー機能などスポーツシーンを中心に活躍するスマートウォッチとして一通り必要な機能をまとめ上げた印象だ。
本体は50m防水で、心拍センサーも乗せたことによってヘルスケア系のスマホアプリにも連動できる。さらにサムスン製の薄型テレビやVRヘッドセット「GearVR」にBluetoothでペアリングして、リストバンドリモコンとしても使える機能が搭載されている。
「GearFit 2 PRO」は本体にOLEDディスプレイとGPS、DAP機能などを乗せた便利なフィットネスバンドだ。本体に内蔵するSpotifyアプリで音楽をダウンロードして聴いたり、アンダーアーマーやスイムウェアブランドのSPEEDOと共同開発したフィットネスコーチング用のアプリも搭載している。
■スマートスピーカーはJBLとharman/kardonが開発中
今年のIFAでは多くのメーカーがGoogle AssistantやAmazon Alexaなどのプラットフォームを搭載するスマートスピーカーを発表するものと思われる。PHILE WEBでも紹介した通り、パナソニックもGoogle Assistant対応の新製品「SC-GA10」を今冬の発売に向けて開発を進めていることを発表したばかりだ(関連ニュース)。
サムスンからも今回のカンファレンスで、スマートスピーカーに関連する何らかのアナウンスがあるだろうと期待していたが、昨年末に買収したハーマンインターナショナルの傘下にあるブランド、JBLとharman/kardonがスマートスピーカーの開発を進めているというアナウンスを行うまでに止まった。残念ながら実機による展示も無かったので、9月1日から始まる本会期でサムスンの、またはハーマンインターナショナルのブースをチェックしてみたいと思う。
この日のカンファレンスの壇上にはハーマンからSenior Vice President of TechnologyのArmin Prommersberger氏が登壇して、今後は「コネクテッドカー」の分野でも、傘下のブランドによる音づくりのノウハウを活かした高品位な車載エンターテインメントの開発を進めていくと宣言。「サムスンの通信/ITのノウハウと、ハーマンが研究してきた車中での高精度な音声コントロール技術の融合を加速していきたい」と意気込みを語った。
なお、サムスンは昨年のIFAでタッチパネル液晶にTizen OSを搭載したコネクテッド冷蔵庫「Family Hub」シリーズを展示して注目を浴びた。同社は以前から、家庭の中核にキッチンやダイニングを位置づけて、インターネットにつながる冷蔵庫を核としたスマートホームを提唱している。カンファレンスでは家庭内のスマートテレビやIoTデバイスを、音声認識による操作にも対応する新しいFamily Hubシリーズで実現する計画についても触れられた。残念ながらこの製品についても実機の展示がなかったので、詳細はサムスンのブースで確認してきたいと思う。
(山本 敦)