【レビュー】3Dアダルトソフトの実力をマジメに検証する

さて、エスワンというAVメーカーの2作品は「AV史上初の3D作品」と謳っており、佳山三花、麻美ゆまという女優がそれぞれ主演している。どちらもトップ女優とのことだ。2作品ともジャケットからして肌色部分ばかりなので、残念だが当サイトには載せられない。18歳以上の方はメーカー名で検索して確認してみてほしい。

それにしても、AV史上初の3D作品という謳い文句は本当なのか。アナグリフくらいならVHSで過去にあっても不思議ではないが、確かめる術がない。

エスワンの2作品もDVDで、こちらは1枚のディスクに2D版と、アナグリフ版、サイドバイサイド版の2種類の3D映像をまとめて収録している。赤青メガネも同梱されており、アナグリフ版なら通常のテレビで3D視聴することもできる。

まずはアナグリフ版を見てみると、予想以上にしっかりと立体感が感じられることに驚かされる。アナグリフは昔からある技術だが、それなりに実用性は高い。

だが、やはり限界もある。色情報が減ってしまうのでかなり寂しい映像になってしまうし、二重像が発生して輪郭が盛大にブレてしまうのだ。

記者はメガネをかけているので、この上からペラペラの赤青メガネを装着する必要があり、赤青メガネと目の間から照明など、別の光が入り込みやすい。これも関係しているかもしれないと部屋を暗くしたら、かなり良好な画質となった。

とは言え、視聴できないことはないが、子供だましの感は拭えない。これなら2D映像の方が安心して見ていられる、というレベルだ。

続いて、いよいよ本命のサイドバイサイドを選択し、再生してみる。少し見ただけで「これは凄い、さっきのイメージビデオとは全く違う」と実感させられた。

前ページのイメージビデオと同様、DVDでサイドバイサイドということは、解像度は高くても360×480×2ch程度となっているはずで、絶対的な解像感は低い。

だがエスワンの作品は、性能の良いカメラを使っていることが一目でわかる。直前にヒドいクオリティの映像を見たこともあり、やけにキレイに感じられるのだ。

演出やカメラワークからも、3Dであることを最大限に活かそうという意欲が感じられる。

たとえば、麻美ゆまの冒頭。バランスボールがいくつも置いてある部屋で、彼女が跳んだりはねたり、Vサインをしながら近づいたり遠ざかったりするのだが、これがそのまま3D映像のインパクトを伝えるショーケースとして機能している。

その後も様々なシーンを見てみたが、ステレオベースの設定も概ね的確で、どの部位の立体感を強調したいのか意図がしっかりと感じられるので、安心して見ていられる。

3D映像は球体の表現が苦手と言われるが、胸部の丸みもしっかりと表現できており、しかもそれが上下左右に動きまくるのだ。これが男の神経系を刺激しないわけがない。

3D映像制作では3Dディレクターの技量が問われるとよく言われるが、エスワンの2作品と先ほどのイメージビデオを見比べると、その意味がよく理解できた。