最新スマートフォン/iPod 7機種の音質を徹底比較！ − 編集部員がガチンコ・クロスレビュー

出だしのギターの疾走感もさながら、そのあとに現れるベースの音に陰影があって歌メロ直前のアクセントになっており、「はい、リアム・ギャラガーのマイクのスイッチ入りました」とお知らせしてくれているようだ。手拍子は、微妙な強弱や変化する位置の軌跡が描かれるかのように立体感があり、スマホと聴き比べると「やはり音楽再生のために作られたプレーヤーだな」と実感する。

ドンシャリ過ぎず、低音域も適度に感じさせる。流石に音楽専用プレーヤーだけあるなといった印象。サビで各楽器が一斉に激しく鳴るなかでも音のバランスが良好だ。「パシン」というスネアドラムの音やタム回しも心地よいし、ベースのうねりもしっかり聴こえて印象的。あえて注文をつけるならもう少しギターの歪み感を強調して、楽曲の持つ激しさを前面に押し出すよう演出しても良いのではないか。

iPod nanoと同じくiPod touchも、その音質は「音楽的」だ。これに比べるとほかのスマホはすべて平板で、ディテールの描き分けも劣り、味気なくパサパサに感じられてしまう。最初のピアノの音からして大変リアルで、畳みかける強弱や音色の描き分けは見事。高域もトライアングルが上まで伸びきり、しかも強弱の繊細な描き分けも高水準。低域もきちんと制動し、音がしっかりと細部まで見通せる。全体的にバランスが取れている上に、細部の描写力にも優れ、さらにエネルギー感もしっかりと感じられる。さすがに音楽専用プレーヤーの実力は高い。