やはり大きかった音質差
最新スマートフォン/iPod 7機種の音質を徹底比較! − 編集部員がガチンコ・クロスレビュー
さて、主要スマートフォンとiPod 2機種の音質比較をしてきましたが、いかがだったでしょうか。
スマートフォンはわりと点数がバラけましたが、よく読んで頂くと、音の傾向についてまとめた文章は、ほとんど同じようなことが書かれていることがお分かり頂けるかと思います。つまり、点数にはレビュアーの好みが、かなりの部分含まれているということです。いずれにせよスマートフォンの音のキャラクターが、機種によって大きく異なることがわかったのは今回の収穫でした。
また試聴を通して、Androidでは、プレーヤーアプリによる音質の差がかなり大きいことも改めて実感できました。当初、条件を揃えるために「PowerAMP」のイコライザーをオフにした状態をAndroidの基準にしようと考えていましたが、音質があまり良くないので断念。各機種のデフォルト音楽プレーヤーを使う方針に改めました。
編集部の杉浦によると、バックグラウンドで動作するアプリのON/OFFによっても結構聴感が変わるとのこと。理屈からすると、ほかのタスクはなるべく切っておいた方が音質には良さそうですが、このあたりも今後、別途検証していきたいと思います。
■大きかった音楽専用プレーヤーとスマートフォンの差
スマートフォンとiPod 2機種を比べると、その合計点数には大きな開きがあり、実際に音質の差も歴然としていました。
スマートフォンは多くの機能をコンパクトな筐体に収める必要があるので、どうしてもノイズ対策などは甘くなりがちです。またコストの引き下げ圧力も高いので、それほど良いデバイスを使いづらいという事情もあります。デバイスの選択や回路設計などで音質対策をしっかりと施している音楽専用プレーヤーは、クオリティの面で、いまだに大きなアドバンテージを持っていると言えそうです。
悔やまれるのは、音質の良さで定評のあるウォークマンを、今回の試聴モデルに加えなかったこと。ウォークマンとiPod、さらにスマートフォンの音質を一斉に比べたら、より立体的でわかりやすい記事になったと思います。
スマートフォンの音質が今後、音楽専用プレーヤーに迫ることはあるのか、それともその差はこれからも埋まらないのか。今後も定点観測していきたいテーマです。