実売10,000円台のクオリティとは?
音質×設置性×価格で選ぶPCスピーカー6選 − 新人記者がホンネでレポート
■6機種の特徴をさらっとおさらい
スピーカーの購入基準といえばまずは「音質」だが、PCスピーカーの場合は「設置性」もかなり大きなファクターになることを、記者は今回の試聴で実感した。というのも、デスクトップという限られた空間を使用する場合は設置条件がシビアなうえ、ユーザーによって机の大きさも違えばPCのサイズ/端子の位置も違うために「設置性」の基準が千差万別。目安になる「標準型」がない。
とにかく筐体面積が小さいことを優先し、各ケーブルの配置を極力シンプルに済ませたいなら、USBバスパワー駆動可能なオラソニック「TW-S7」が打ってつけである。しっかりとした低音で、立体感のある音場を確保するパワフルな再生をかなえる。
また、同じく筐体は小型でも、USBポートをできるだけフリーにしておきたいといった場合は、ヘッドホン端子に接続するオーディオテクニカ「AT-SP151」が良いと感じた。こちらも筐体イメージからは想像できないパワフルな再生で、音質はどちらかといえば中高域の音を楽しめるモデルだ。
デスクトップPCを使用している場合などは、液晶モニター脇の縦スペースが空くことも多い。その空間を有効に使える縦長形状のソニー「SRS-Z100」は、ケーブルの長さに余裕があり、本体前面に「L」「R」が記載されるなど設置性が考慮されている。音質は、今回の試聴ではバランスが良く均整が取れた印象だった。
PC以外の再生機器とも接続することを前提にしている場合は、音声入力を2系統備えているモデルを選びたい。その中でもボーズ「Companion 2 Series II multimedia speaker system」は、中型サイズでデスクトップ上にも座りが良い。音は透明感のあるクリアな個性を楽しめたモデルだ。
やや大きめのロジクール「Z520」も選択肢に加わえたい。独特な形状により、環境によってはデスクトップへの収まりが難しい場合もあるかもしれないが、再現される音場には空間的な広がりがあり、「残る感じ」の聴感が印象的だ。
さらに、今後システムを2.1chに拡充する可能性も残したいのであれば、オンキヨー「GX-70HD」がお薦めだ。PC用としては大きいため、小さな机では本機を置くと多少窮屈かもしれないが、再生音には上質な立体感がある。今回本機の試聴で記者は、PCソースの音楽鑑賞に新しい満足感を得た。
以上、簡単ではあるが今回試聴した6機種の特徴を振り返ってみた。PCにアクティブスピーカーというシンプルな組み合わせだけで、これだけ音質の違いを楽しめる。周辺機器やアクセサリーを使用すれば、さらに組み合わせの幅が広がり、様々な音の再生を楽しめるだろう。深みにハマるのが怖い気持ちも若干あるが、こうなれば憶えたての「DAC」にも挑戦したくなってきた。