「明るい3D映像」の実力とは
ワイヤレス対応で驚きの“使いやすさ”を実現 ー エプソンのプロジェクター「EH-TW6000W」を徹底研究
高画質な3D映像をリビングルームでも楽しめる「明るさ」を実現
上位モデルのTW8000シリーズと同様、本機にも「3Dダイナミック」と「3Dシネマ」の2つのモードが3D再生用に用意されている。リビングで楽しむ場合には前者がお薦めだ。
「3Dダイナミック」モードで『トロン:レガシー』の“チャプター6〜7”を再生する。遠近感の表現がとてもなめらかで、いわゆる「書き割り」的な立体感とは対極の自然な描写に感心させられた。3D作品のなかには意図的に飛び出し感を強調したものもあるが、この作品はそれよりも奥行きの深さを実感させる映像で、むしろスケールの大きさが際立ってくる。
「3Dシネマ」モードに変更すると、質感や暗部の再現力が向上するので、遮光した部屋の場合は、こちらを選ぶといい。
『クリスマスキャロル』の“チャプター7”は暗い場面の多いこの作品から十分な明るさを引き出し、天上から下界を見下ろすシーンの立体感は上級機に迫るものがある。背景を含めてほとんどクロストークが目立たず、字幕の輪郭も鮮明だ。
色調は「3Dシネマ」モードはほぼニュートラルで、「3Dダイナミック」に切り替えると色の濃さと鮮やかさが増すものの、肌色の色合いが不自然に偏ることはなく、違和感のないバランスを保っている。ダイナミックモードというと誇張や強調が目立つケースもあるが、本機の場合はそうした過度な強調とは縁がなく、人工的な雰囲気に傾くことは少ない。
『アバター』は主に「3Dシネマ」モードで見たが、全体に暗い調子の密林シーンでも画面の明るさに余裕があり、背景に目を向けると暗部のディテールが自然に浮かび上がってくる。屋内シーンやナイトシーンでも十分なコントラストを確保しており、人物の表情が曖昧になる心配はない。
この作品でもクロストークはほとんど気にならなかった。十分な明るさを確保していることと併せ、3D映像を長時間見たときの視覚的なストレスはかなり軽減されていると感じた。
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