ついに発売、新たな最高峰の実力とは?
【レビュー】Android搭載の“ウォークマン”新フラグシップ「Z1000シリーズ」を試す
■良く練り込まれた音楽アプリ「W.ミュージック」
音楽再生時の操作を見ていこう。対応している音楽ファイル形式はATRAC Advanced LosslessとHE-AACのほか、ATRAC、MP3、AAC(DRMなし)、WMA(DRMなし)、リニアPCMの各フォーマットに対応している。対応サンプリングレート/量子化ビット数は最高48kHz/16ビット。いわゆるハイレゾ音源の再生は行えない。
PCとの楽曲の同期はWindows対応の音楽管理ソフト「x-アプリ」で行える。なおUSBマスストレージクラスで接続し、ファイルを本体にドラッグ&ドロップにし、転送することもできる。
音楽・動画関連のオリジナルアプリが充実しているのが大きな特徴。本機専用に開発された「W.ミュージック」というアプリがプリインストールされているのだが、機能面も操作のしやすさも、さすがに考え込まれ、作り込まれているという印象だ。
使い勝手の面では、楽曲再生中にカバーアートをスワイプすると、楽曲の情報や歌詞情報、アルバムの楽曲リスト表示などへすぐに遷移できるのが便利だ。
またライブラリのリスト表示は「全曲」「アルバム」「アーティスト」「ジャンル」「リリース年」「最近追加した曲」「プレイリスト」「フォルダ」の各表示に対応。これらの切り替えも「ライブラリ」を押したあと、スワイプで行うことができ、切り替えまでのタップ回数が少なく抑えられている。
また「カバーアート表示」にも対応。その名の通り、アルバムのカバーアートが表示される機能だが、単純にグリッド上に並んでいるのではなく、3D風のGUIとなっているところがポイント。さらにそれぞれのカバーアートはドラッグして、好きな場所に配置できる。この機能も、Sony Tabletですでに搭載しているものをウォークマンにも採用した格好だ。
機能では、これまでのウォークマンでもおなじみの「12音解析」が利用可能。この解析を行うことで、ムード名を選ぶだけで選曲ができる「おまかせチャンネル」や、曲調にあわせた映像が表示される「ビジュアライザー」が使用可能になる。
なお音楽や静止画については、コンテンツのアイコンをレンダラー機器にフリックして再生を開始させる「Throw」動作に対応している。これはSony Tabletなどにも搭載されているユーザーインターフェースで、直感的にコンテンツの配信を行うことができる。
■ノイズキャンセル効果はバツグン。音質劣化も抑え込んでいる
ソニー自慢のデジタルノイズキャンセリング機能はアプリとして提供され、音楽再生アプリとは別にプリインストールされている。このノイズキャンセリングの効果は従来と同様、非常に高い。
ノイズキャンセルは「電車・バス」「航空機」「室内」の3モードを用意。さらにノイズキャンセルの効果は、-15〜+15を1ステップ刻みで調整できる。なおモードやノイズキャンセル効果設定の数値による音質劣化の違いはほとんど感じられなかった。
なおノイズキャンセルをONにすると、全体的にマスキングされるような音になってしまう。ただし本機のノイズキャンセルは通常のノイズキャンセリングに比べると、解像感の低下は非常に低いレベルに抑えられている。実用上問題ないと感じる方が多いだろう。
■音楽プレーヤーならではの「W.ボタン」「W.コントロール」
音楽プレーヤーとしての使い勝手を高める新たな機能も用意された。本体右側面のウォークマンアイコンが刻印された「W.ボタン」を押すと、別のアプリを動かしていたりホーム画面にいるときでも一時停止ボタンや曲のスキップボタンが表示される。同社ではこれを「W.コントロール」と呼んでいる。
ここからさらにジェスチャーアイコンを押すと、タップで一時停止/再生開始、フリック操作で曲スキップなどが可能になる。これは「W.タップ」と呼ばれる機能で、ジェスチャーはシングルタップとダブルタップ、曲送りと曲戻しの方向などが変えられる。
ジェスチャー操作で基本的にできることは通常のボタン操作と変わらないのだが、画面を見ずに、手探りでも曲送りや一時停止/再生ができるといった使い方が行える。慣れたら非常に便利だろう。
さて、本機がウォークマンブランドを冠しているからには、その音質が気になるところ。ましてや本機は、独自のフルデジタルアンプ「S-Master MX」などの搭載により、“ウォークマン史上最高音質”を謳っているのだから期待が高まる。
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