ついに発売、新たな最高峰の実力とは?
【レビュー】Android搭載の“ウォークマン”新フラグシップ「Z1000シリーズ」を試す
■動画もDLNAで「Throw」が可能
本機は大画面ディスプレイを備えているので、音楽だけでなく動画プレーヤーとして活用する方も多いだろう。
前述の通り画面サイズは4.3インチ、解像度は800×480ドットなので、画面の解像感は率直に言うと「それなり」という印象。控えめに言って、同程度の画面サイズのスマートフォンに比べ、一目でクオリティが高いと感じられるレベルではない。
動画再生用にプリインストールされている独自の「ビデオプレーヤー」アプリも、Sony Tabletでのアプリ開発が活かされている。
まずビデオプレーヤーで再生している動画も、DLNAでレンダラー機器に配信する「Throw」動作が可能だ。BRAVIAはDLNAのレンダラーに対応している機器が多いので、対応している機器を持っているユーザーは重宝するはずだ。
また15秒/30秒/1分/2分/5分ごと、またあらかじめ付与したチャプターでサムネイル表示を行い、任意の箇所にジャンプすることが可能だ。このチャプターは、BDレコーダーのおまかせチャプターも、もちろん引き継いで表示してくれる。
■DLNA/おでかけ・おかえり転送など他機器連携も充実
前述の通り、本機はDLNA機能も備えている。ただしレコーダーとの連携では、DTCP-IPに対応していないので、レコーダーで録画したデジタル放送番組を本機で視聴する、といった使い方は行えない。念のため自宅の「BDZ-AT700」と接続してみたが、やはり再生不可を示すマークが表示された。
また、デジカメを使ってフルHDで撮影したAVCHD動画も再生禁止マークが表示され、再生は行えなかった。本機は拡張子がmp4、m4v、wmvの動画再生にのみ対応しているので、再生できないのはあらかじめ予期していたのだが、やはりこれも残念なポイントだ。AVCHD動画を視聴する場合は、あらかじめ本機が再生できる形式に変換する必要がある。
本機はまた、BDレコーダーとの「おでかけ・おかえり転送」にも対応している。実際にBDZ-AT700を使って試してみた。自宅ではおでかけ用の動画を同時に作成する設定にしていないため、再エンコードが必要となりかなり時間を取ってしまったが、録画番組を持ち出せるというのはいざというときに大変心強い。
余談だが、そろそろお出かけ・お帰り転送も、USBケーブルやメモリーカード経由だけでなく、登録した番組をWi-Fiで自動転送するような機能を備えて欲しいものだ。
ワイヤレスで自動転送できたら、ウォークマンやPSP/PS Vitaとの連携が格段に便利になると思う。もっとも、そのためにはまず、ソニーのレコーダー側がWi-Fiを標準で内蔵する必要があるわけだが…。
■Androidを手軽に楽しみたい音楽ファンに
毎月の通信コストを負担するのは億劫だけど、Androidを体験してみたい、使ってみたいというユーザーは多いだろう。そのようなニーズに応えるかたちで、Androidを採用したポータブルAVプレーヤーが増えてきている。
だがそれらの多くは、たとえば感圧式のタッチパネルでマルチタッチが利用できなかったり、Androidマーケットが利用できない、GPSなど様々なセンサーが搭載されていないなど、Androidをフル体験するためのピースが欠けている場合が多かったのも事実だ。
ウォークマン Zシリーズは2万円台から購入でき、比較的新しいプロセッサーや高解像度なディスプレイ、マルチタッチ操作を備えている。Androidマーケットも利用でき、アプリを手軽にダウンロードし、機能を拡張することもできる。もちろん、音質は一般的なスマートフォンとは比べものにならない。
本体の大きさや重さは好みが分かれるところだろうが、そこが気にならないのであれば、ランニングコスト不要で、手軽にAndroidを体験し、楽しめるポータブルプレーヤーとしておすすめできる。
(編集部:風間雄介)