AV機能を中心に実力検証
【レビュー】「iPhone 5」の実力を全方位テスト
■より薄く、軽くなり持ちやすくなった新筐体
さて先ほども少し触れたが、ディスプレイサイズと共に使い勝手を少なからず左右するのは寸法と重さだ。ご存知のように、iPhone 4/4Sから厚さも重さも大幅に削減されている。iPhone 5の外形寸法は56.6W×123.8H×7.6Dmm、質量は112g。薄さはiPhone 4/4Sに比べ18%、質量はiPhone 4S比で20%軽くなった。
iPhone 4/4Sは実際に重いうえ、その凝縮感のためか体感的にはさらに重かった。対してiPhone 5の持ち心地は軽やかだ。形状も相まって、手に感じる負担が小さい。通勤電車でずっとiPhoneを片手にしているという人は、その恩恵を特に受けるだろう。また軽ければ落としても衝撃が小さくなり、さらにこれまでは落とした際に壊れる部分の代表だった背面ガラスが大幅に縮小されているので、耐久性も向上しているのではないだろうか。
■イヤホンプラグが左下に移動
なおヘッドホン端子が上部から下部に移動されたことも、取り回しに多少影響するだろう。iPhone 5を左手で持つと、イヤホンプラグが掌底部分に少し当たる。使っているイヤホンのプラグ部が大きかったりL字型だったりすると、もっと気になるかもしれない。
ただAppleはiPodシリーズにおいては従来からヘッドホン端子を下部に配置している。そのことについて大きな不満は聞かれないので、それほど問題ないのではないかと期待している。この点はしばらく使い込んでみて判断したい。
■A6プロセッサによる処理速度の大幅向上を実感
iPhone 6ではApple A6プロセッサを筆頭に処理速度も大幅に向上されている。もちろん処理速度のアップは使い心地の向上に直結する。
例えば僕が常用しているカメラでのHDR撮影の保存速度には大きな差が出る。iPhone 4Sと5を並べて同時に撮影すると、5ではシャッター音から短くワンテンポだけ遅れてHDR保存が終了。4Sはそこからさらにワンテンポ遅れて処理が終わる。実測値としては、iPhone 5が3.7秒でiPhone 4Sが1.9秒だった。もちろんiPhone 4ではさらに待たされる。
とはいえ、そういった特に重い処理以外では、iPhone 4Sとの差は決定的なほどではない。現在iPhone 4Sの動作速度に大きな不満がないのであれば、そこを目当てに買い替えるほどではないだろう。
一方、筆者のようにiPhone 4からの買い替えであれば、アプリの起動など多くの場面で動作の俊敏さを実感できた。