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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第19回】“パーソナルオーディオ目線”で振り返るハイエンドショウ

公開日 2012/10/11 10:41 高橋敦
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■DSD周りにも注目!/ USB-DAC製品も充実

そして注目のDSD周り。イベントの最終日には、評論家 岩井氏によってDSDにポイントを絞った講演が行われていたが、会場で普通に展示されている中にもDSD関連のシステムがあった。TechDAS「D-7/192DSD」とMacの再生アプリ「Audirvana Plus」を組み合わせた環境で、DSDファイルのネイティブ再生がデモされていたのだ。

ラトックの超高精度ルビジウムクロックジェネレーターまでもが導入されている大掛かりなシステムだが、主役はその上に載っているD-7/192DSD

Audirvana Plusの画面に出力先データとして「DAC: DSD64」の文字が!

オープンな環境での小音量スピーカー再生のため音質は判断できなかった(しかしとにかくDSDネイティブ再生が動作しているのを見ると高まるなっ! D-7/192DSDは30万超えてるから買えないけどなっ!ギブミー手頃な価格のDSDネイティブDACっ!)。

…ふぅ。心を落ち着かせるためにここは手の届く値段の、普通に良さげなUSB-DACも紹介しておこう。

英国ブランドARCAMからは「rDAC」「rPAC」という2モデルのUSB-DACが出展されていた。前者は192kHz対応で同軸や光の入力も備える上位モデルで、後者は96kHz対応でUSB入力のみだがヘッドホン出力を備えるコンパクトモデルだ。希望小売価格はそれぞれ6万1,950円と3万3,600円。

rDAC。だいたいのサイズ感はVHSビデオテープ程度…という例えがもう通じない世代の方はDVDパッケージを3枚くらい重ねた感じを想像してください

rPAC。こちらはトランプケースほどのサイズ感。その小ささに反した重量感がポイント。USBバスパワー駆動で取り回しやすい

両モデルともアルミダイキャスト製筐体の質感が良く、また剛性感に加えて重量感もあり、USBケーブルに負けて設置が不安定になることはなさそうだ。伝送モードは「dCS社ライセンス技術に基づく」と但し書きされたアシンクロナス伝送。dCS社はUSB伝送、アシンクロナス伝送について技術力のあるブランドだ。確かにそこからのライセンスというのは売り文句になる。

HRTの新製品「iStreamer」も展示されていた。iPhone/iPad/iPodからデジタルデータを受け取ってアナログ変換して出力するDACで、iPhone等をソースに最小限のコンパクトシステムを組み上げたい人におすすめだ。

筆箱の長さを2/3にカットしたようなおなじみHRTサイズ。設置場所にこまらないオーディオアイテムって素敵

iPhone等からのUSB入力の他に手前にもうひとつminiBのUSB端子があるが、そちらは電源入力

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