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折原一也が見た欧州のスマートテレビ事情

<IFA>欧州のスマートテレビ動向をレポート − 高い“スマート機能”利用率

公開日 2013/09/11 11:42 折原一也
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■欧州におけるスマートテレビの高い利用状況をレポート

「IFA 2013(関連記事一覧)の会場でも、インターネット接続に対応するテレビ「スマートテレビ」は、引き続きホットなキーワードの1つだった。

スマートテレビで楽しめるサービス・機能には、VODなどテレビ内蔵機能としてのネットサービスのほか、テレビ視聴をより便利に楽しめるスマホアプリからの操作や、スマホ/タブレットからホームネットワーク経由で別部屋にあるテレビ内のコンテンツを視聴するネットワーク視聴などがある。

今回の「IFA 2013」では、スマートテレビにおける新機軸の機能といった展示はさほど見られなかったが、欧州での本格的なスマートテレビの利用状況を知ることができた。本記事では、会場で注目を集めていた日本・韓国メーカーの製品を中心に、筆者が見た欧州におけるスマートテレビの普及・利用状況を紹介していきたい。

■01:本格的に立ち上がり、利用されているドイツのVOD

まず、VODなどテレビ単体でネットワークに接続して楽しめるサービスについては、欧州では日本以上の利用が進んでいる。

筆者がいくつかのメーカー関係者に取材した内容によると、欧州における薄型テレビのネット接続率は国ごとに異なるものの、概ね60〜80%程度のようだ。日本ではデータの取り方にもよるが20〜30%、最新大型モデル全体でも40%程度と言われており、これと比較すると欧州におけるスマートテレビの利用は積極的といえるだろう。

これは、一般家庭へのWi-Fi普及率が90%近いという背景に、そこへWi-Fi内蔵テレビが登場したことが起爆剤になったようだ。米国発の見放題サービス「NetFlix」や、欧州らしいサッカー人気を背景にした「EURO Sports」など、ドイツ国内では10種類以上のVODサービスが利用できる。

欧州では各国10以上のVOD事業者が登場。ドイツの「MAXDOME」は「視聴できないと1チャンネル見られないのと同じくらいのインパクトがある」とのこと

「EURO SPORTS」などスポーツも配信で視聴する仕組み。こういった流れは有料チャンネルから流れている

以前から指摘されているが、日本では無料の地上波がテレビ放送の主流であるのに対して、欧州ではもともと衛星放送やCATVという形で有料の番組を視聴する習慣が根付いており、専門チャンネルと同じような形でVODサービスが利用されるというのが最大の理由だろう。

VODコンテンツ内容に特化したデモも行われており、サムスンブースではオペラを紹介

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