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折原一也が見た欧州のスマートテレビ事情

<IFA>欧州のスマートテレビ動向をレポート − 高い“スマート機能”利用率

公開日 2013/09/11 11:42 折原一也
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■02:欧州のテレビ視聴スタイルに合ったスマートテレビ機能

クラウドサービスを利用した「番組推薦機能」も欧州ならではのものだ。

ドイツでは衛星放送を契約している場合、視聴できるチャンネル数は最大1,000以上にもなる。このため、どの番組を観たら良いのか迷ってしまう視聴者を助ける機能として、東芝やサムスンのテレビには、各チャンネルの視聴者数情報や過去の視聴動向などから、時間帯に応じてお薦めの番組をレコメンドする機能が搭載されている。サムスンのモデルにおいては、視聴者の顔認識を行い、一人一人に自動でお薦め番組をパーソナライズする徹底ぶりだ。

東芝は日本と同じREGZAのクラウド機能により利用者の視聴動向を分析。Twitterのツィート数からチャンネル変更も可能

サムスンの「OnTV」では顔認識をして視聴動向を蓄積。自動的にユーザーの好みに合致する番組を表示する

また、テレビとSNSを連携させたコミュニケーション機能も利用率が高い。欧州各国共通のカルチャーとして、応援するサッカーチームの試合をTwritterやFacebookでリアルタイムチャットしながら視聴する、といった使われ方が一般的という背景がある。パナソニック、ソニー、東芝は、以前からテレビ放送とTwitter、Facebookの2画面視聴を可能とする機能をテレビに内蔵しているが、欧州では特にテレビの2画面表示による「実況機能」の需要が大きいのだという。

また、内蔵するスマートテレビ機能の多様化も進んでおり、例えばパナソニックでは、同社テレビのスマート機能「マイメニュー」のトップページに各VODサービスのおすすめ動画を配置できる仕様としている。提供中のアプリはVOD以外のサービスも含めてドイツ国内で100以上だ。なお、ドイツ国内でスマートテレビのトップシェアを誇るサムスンの提供アプリ数は1,500以上だという。

パナソニックの「マイメニュー」では各VODの新着番組をガイド

「IFA 2013」会場内のデモでは、インターネット接続機能を利用したテレビでのネットゲーム、特にカメラセンサーを利用したゲームの実演が行われていた。

そのほか、音声認識と自然言語認識を使って番組検索や操作を行えるボイスナビゲーション、ジェスチャーによる操作機能も、サムスン・LGらが積極的に推進していた。日本メーカーではあまり重視されていない、Wiiリモコンのようなポインタ系コントロール、ボイスコントロールの機能については、日本でも展開されているLG製品のほかに、中国メーカーもゲーム利用などを中心に参考展示をしていた。なお、LGのボイスコントロールは、iPhoneの「Siri」の様な機能も備えているが、こちらも日本語版の提供は現時点で未定ながら、言語別に対応できるよう準備を進めているという。

ジェスチャー、音声操作はサムスン、LGが積極的に展開

カメラを利用したAR(拡張現実)によるゲームのデモも人気

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