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PHLIPS“Fidelio”シリーズのフラグシップ・ヘッドホンを試聴テスト

Fidelio「X1」とポップス&ロックの相性はいかに? − 野村ケンジが各コンテンツで検証した

公開日 2014/01/30 11:00 野村ケンジ
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ハイエンドモデルである「X1」のイメージからすると意外かもしれないが、Jポップとの相性も抜群だ。特に打ち込み系というよりは、生演奏ものとの相性が良く、生楽器を多用した宇多田ヒカルの音源などを聴くとかなり気持ちよい演奏が楽しめた。

オールマイティーな「X1」の実力は、Jポップの再生でも発揮された

一方で、Perfumeなど電子音主体の音源では、本機ならでは音数の多さがかえって余計に思えてしまうこともあった。「X1」はもともと重心が低く、低域は芯が強いけれどもほんの少し柔らかな付帯音が乗っていることも影響しているのかもしれない。このあたりは、好みというよりも組み合わせるヘッドホンアンプの音質やキャラクターの影響と言えるだろいう。

それではアニソンはどうだろうか。e-onkyo musicから配信されているハイレゾ音源のラブライブ!(48kHz/24bit)を試聴してみると、「もぎゅっと“Love”で接近中!」のような打ち込み系の曲も良いのだが、やはり「Snow halation」のようなアコースティックな楽曲が飛び抜けて映える。また、ここでもやはり「X1」の解像感の高さが、ハイレゾ音源ならではの細部のニュアンスを引き出してくれることを実感した。

μ's(ラブライブ!)『Snow halation』

■組み合わせるアンプでさらにポテンシャルが引き出せる

そう、「X1」は解像感が高く音数も多いため、ぱっと聴いただけではどんなプレーヤーやアンプと組み合わせても“良い音”が鳴るのだが、実は良質なヘッドホンアンプと組み合わせることで、キレの良さやダイナミックレンジの幅広さなど、さらなる実力を発揮してくれる傾向がある。


野村ケンジの「X1」評価
次回の「X1」レポートでは、実力派のヘッドホンアンプとの組み合わせによる相性もチェックも行う予定だ。その際には、アニソンやロックとの相性も、アンプとの組み合わせごとにもう一歩踏み込んでみたいと思った。

さて、様々な曲を聴いた結果としては、アコースティック系の演奏、特にハイレゾ音源との組み合わせにおいては、「X1」は圧倒的な強みを見せつけてくれた。持ち前の高解像度と抑揚表現のきめ細やかさで、ハイレゾならではの緻密さやリアルさを、しっかりと再現してくれるからだ。特に、活き活きとした熱気溢れるヴォーカルは格別といえる。単なる優等生ではなく、音楽の楽しさもしっかりと伝えてきてくれる、素晴らしい製品だと断言したい。

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