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<山本敦のAV進化論>第2回

ハイレゾをワイヤレス伝送「WiSA」は「有線よりも高音質」? − 詳細をキーマンに訊く

公開日 2014/04/02 14:22 山本 敦
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ワイヤレス伝送におけるWiSAの優位性は、15チャンネルで構成される特殊な周波数帯域である「5GHz/UNIIバンド」を併用しながら、他の無線機器との干渉が発生した場合は、5GHz内で開いている帯域へ即座にスイッチすることで「音切れ」を回避する仕組みを採り入れているところにある。

日本国内で使用可能な5.18GHz〜5.24GHz帯の4チャンネル(図解36〜48までのチャンネル)以外にも、「DFS(Dynamic Frequency Selection)」が義務づけられる「5GHz/UNIIバンド」も使用することで、音切れのない安定したワイヤレスによるオーディオ信号の伝送を実現している

だが一方で「5GHz/UNIIバンド」は誰もが無条件に使用できる帯域ではない。元々は防衛レーダーや気象レーダーが優先的に使用するための帯域なので、当帯域にスイッチングする際にはあらかじめ帯域が防衛・気象レーダーなどが使っていないか、1分間ほどモニターしなければならないというルールが決められている。

5GHz帯内で安定した電波を確保するためとは言え、スイッチングに1分もかかるようであれば「音切れ」どころの話ではなく、オーディオ用としては使い物にならない。そのため、サミットセミコンダクターではチャンネルの空きを常時モニターするための送信機と、通信用の送信機を一つずつ設けるという独自の手法により、巧みに5GHz/UNIIバンドをワイヤレスオーディオ用に活用できるようにした。

WiSAの技術には高精度なエラー訂正も実装されている。24bitのオーディオストリームデータに加えて、8bitのエラー訂正信号を同時に送り出しながら、エラーレートが上がってきた時には受信機側で補正する。「オーディオクオリティにとって最悪なのは、通信遅延によるジッターが発生すること。ならば再送信を行わず、敢えてパケットを落として、前後のデータで平均値をつくり出して補間する"FEC(Forward Error Correction)”機能で高音質を重視した」のがWiSAのエラー訂正アルゴリズムの特徴だと、ウイリス氏は説明する。3つのパケット連続で落としても前後の値で補間できる精度を備えているという。


■自動でスイートスポット設定が行える「MyZone」機能

ステレオよりもマルチチャンネル再生にフォーカスしているWiSAでは、複雑だったマルチチャンネルシステムのセットアップを簡易化することも大きなテーマに掲げている。次ページでは、製品をパッケージから取り出し、電源をONにするだけで使い始められるという、WiSAのもう一つの大きな特徴である簡単セットアップについて紹介する。

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